9/14、豊島副都心開発調査特別委員会が行われました。

〈調査案件〉
1 国際興業バス「池07系統」について
2 交通戦略歩行者優先化について
3 池袋西口公園整備について

【1 国際興業バス「池07系統」について】
〈事業概要〉
「池 07 系統」(江古田二又と池袋駅西口間)を、区の補助のもと社会実験として池袋駅東口のサンシャインシティ方面まで延伸しています。
継続運航評価の指標を設け、指標を2年連続下回った場合は、運行の廃止も含めた検討、運行ルートや便数の見直し、継続運行基準の見直しなどが行われます。

〈運行継続基準〉
評価指標1
収支率(収入に対する運行経費の割合)が40.0%以上を満たすこと。
ただし、シルバーパス利用を考慮し、収支率が40%を下回った場合でも、「1 便当た りの利用者数」が「20.0 人 以上」であれば、基準を満たすものとする。

評価指標2
満足度(利用者の4 施設(健康プラザ・区役所・ あうるすぽっと・サンシャインシティ) への行きやすさに対する満足度。4施設平均の満足、やや満足の割合)が50.0%以上を満たすこと。

〈評価結果〉
指標1 収支率…30年度41.6%(前年度40.9%) 
指標1但し書き 1便あたり…同21.2人(同19.4人)
指標2 満足度…同76.3%(同77.7%)

指標を満たしており存続。
来年度以降も利用促進策を講じ潜在需要の顕在化を図り、モニタリングを継続する。

【2 交通戦略歩行者優先化について】
〈概要〉
環状5の1号線地下道路が開通した場合に、池袋駅東口駅前の通過交通の減少が想定されています。この事を踏まえ、歩行者優先の空間を池袋東口駅前に作ることを区は検討。
※30000台/日の通過交通が10000台/日程度に減少することを想定

〈検討経緯〉
・平成 23 年 9 月:池袋副都心交通戦略~池袋の交通のあり方を考える~策定
・池袋副都心交通戦略委員会 :23~29 年度 計8回実施 
・ワーキング(委員会下部組織):23~29 年度 計11回実施 
・検討組織:学識経験者、国交省、東京都、警視庁、交通事業者、地元団体

〈10、11月 南北区道の歩行者優先施策の実証実験の実施〉
概要:南北区道の歩行者優先化に向けた実証実験(昨年に続き実施) 
期間:30年10/27(土)・28(日)、11/3(土)・4(日) 12:00~19:00 を想定
※10 月 27 日・28 日:ハロウィンコスプレフェス開催

内容:昨年度と同様警備員による迂回のお願いによる歩行者空間の拡大による歩行者流動の検証


〈これまでの経緯と今後の流れ〉
27年度 荷さばき・路上駐車施策の実証実験
28年度 歩行者優先化施策の実証実験1(サンシャイン通り)
29・30年度 歩行者優先化施策の実証実験2(南北区道)、交通戦略の更新(30年度内に更新)
31年度以降 池袋東口の駅前広場再編の検討(公共交通関連施策)

環状 5 の 1 号線開通後(現時点で約2年くらい工期が延びている)
交通状況調査・交通解析、池袋副都心交通戦略の再検証→池袋駅東口の駅前広場空間の確保


 

◆スマートシティプロジェクト
国土交通省がスマートシティの推進に係る実証調査(人工知能(AI)・IoT等のICT関連先進的技術を活用した)を公募。
全国で豊島区、札幌市の提案プロジェクトが選定された。実証調査に係る事業の費用は国交省が支出。
 

プロジェクト提案主体…国際アート・カルチャー都市としまスマートシティ協議会。
日本交通計画協会、日本電気(株)、(株)トーニチコンサルタント、豊島区で構成。

地域の現状と課題
・池袋駅利用者の多くは乗換目的で駅内部に留まる。
・来街者は特定の施設や経路に集中し、街全体の回遊が生まれにくい。
・駅内での乗り換えが多く街に人が出ない 
・池袋東口エリアではサンシャイン60通りに集中(17.1万人/日)。
サンシャイン通りは、4.7万人/日、その他の路線は1万~2万人/日。


実証実験内容
・目的:
 まちなかの混雑回避等により円滑な移動の実現を目指す。
 それと共に、「国際アート・カルチャー都市」の実現に向けて池袋駅周辺に整備中の回遊性・賑わい向上を目的とした施設 (Hareza 池袋、4つの公園等)などの整備効果を最大限に発揮させ、にぎわいを面的に広げることを目指す。
・期間:10 月下旬から 11 月下旬 約1か月間 (南北区道の歩行者優先化施策の実証実験期間を含む)
・区間:サンシャイン通りの一部区間および南北区道
・内容:Hareza 池袋開業(32年(2020 年)夏予定)等を見据え、ICT 技術を用いた歩行者流動の可視化、各種イベント(プロジェクションマッピング等)と連携した歩行者誘導の効果検証を実施する。

実証実験1
画像解析技術を活用した歩行者流動の可視化による、回遊空間の現状・課題の見える化
実証箇所:池袋駅東口エリア(3ヶ所) 
実証時期:10 月下旬頃から1ヶ月程度 
実施内容:実証箇所にカメラを設置し、画像解析により歩行者流動状況(密度や流れ)を高精度に把握、混雑の原因を分析。
 

実証実験2
リアルタイムな観測結果を踏まえ、混雑回避のための円滑な誘導の実施
実証箇所:池袋駅東口エリア(1ヶ所) 
実証時期:11 月下旬頃(休日等 3 日間程度) 
実施内容:プロジェクションマッピング等を実施し、混雑するサンシャイン60通りからサンシャイン通りに歩行者を誘導。

また、カメラで歩行者流動状況を観測。

スマートシティプロジェクト、興味深いです。
ヤマダ電機の壁にプロジェクションマッピングを映し出し、歩行者を誘導しようというものです。
思惑通りに歩行者の分散をICT関連技術を利用してできれば面白いと思います。
他の委員からの指摘で、池袋駅東口北側通路からの歩行者の誘導には効果があるかもしれないが、西武線利用者はグリーン大通り側から動く、というものがありました。これはご指摘の通り。
予算の都合上、カメラの位置などを大きく増やすのは難しいようですが、今回の実証実験を踏まえてさらなる研究の余地がありそうです。

【3 池袋西口公園整備について】
実施設計を行い、整備費等が精査

〈工事費〉
●公園工事(パーゴラ、舗装、植栽、トイレなど)、観光関連工事(インフォメーションカフェ):12.3億円(基本設計時と比較して、△4.6億円)
1.パーゴラのフィン6枚→5枚、アルミ・鉄骨材料の見直しによる減額
2.舗装材料の見直し、面積減少に伴う減額 
3カフェ棟とトイレ棟の一体化に伴う減額 
4.解体工事、彫刻移設工事見直しに伴う増額  (0.9億円の内、0.8億円は別途先行工事) 
5.その他、水景施設等の見直し減額、カフェ棟の見直し増額

●防災関連工事(デジタルサイネージ・非常用発電等):1.6億円(同△0.4億円)
1.デジタルサイネージの見積精査による減額
2.その他、マンホールトイレの減額、非常用発電⇒バッテリー増額

●舞台関連工事(ステージ・楽屋・照明・音響等):10.7億円(同+2.8億円)
1.舞台機能の見直しに伴う減額 
2.舞台の床面積増加に伴う基礎、躯体、仕上工事の増額

〈維持管理経費〉
●維持管理経費(実績) 計:約21,600千円/年
 ・電気代 1,500千円/年 ・水道代 1,600千円/年
 ・清掃作業 17,000千円/年  ・樹木剪定作業 1,500千円/年
 

 ●維持管理経費(新規) 計 約11,700千円/年
・舞台関連 7,900千円/年
・非常用バッテリー 400千円/年
・水景施設 3,400千円/年
 ※参考:警備費(新規) 計 約14,600千円/年
・21:00~5:00 (8時間・2名常駐警備を入れた場合)

〈スケジュール〉
●公園工事
30年10月末 入札
11/5 公園閉鎖予定
31年1月~ 公園工事
11月 池袋西口公園リニューアルオープン

●舞台・広場
~30年10月頃 管理運営方法・ルール等検討 
10月~ 管理運営計画、収支計画策定
31年1月~ 条例案策定、上程
4月頃~ 一般受付開始予定

 ●インフォメーション・カフェ
~30年10月頃 運営事業者・プロポーザル要項(検討・作成)
11月~31年2月頃 運営事業者・公募(プロポーザル)
2月~ 運営事業者 契約締結・内装工事・準備期間
 

〈池袋西口公園が東京2020大会期間中のライブサイトの候補地に〉
 ●ライブサイトとは
・協議会場外で、チケットを持つ人も持たない人も誰もがライブ中継を通じて競技観戦を楽しみ、大会の感動と興奮を共有できる場所
・競技観戦以外にも、スポーツ体験、東京・日本の文化発信、大会パートナーの出展等を通じて多種多様な催しに参加できる場所

●都が主催するライブサイト 8つの候補地
これまでの開催地での知見から設定したいくつかの要件を満たした候補地。
・都立代々木公園
・都立日比谷公園
・都立上野恩賜公園
・都立井の頭恩賜公園
・品川新駅(仮称)前用地
・池袋西口公園(東京芸術劇場前)
・都庁都民広場
・臨海部(青海地区等) ※協議会場が集積、影響を考慮し要検討

●今後の進め方
・関係機関と連携・調整し、実施内容等について検討
・30年秋頃には、組織委員会と共に、都内及び被災地におけるライブサイトの基本計画についてまとめる

豊島区から池袋西口公園が選ばれています。
本区には競技会場はありませんので、ライブサイトを有効活用したいですね。
要件の一つに利用可能面積が5000㎡以上という目安。
西口公園は3000㎡程度ですが、東京芸術劇場を含めれば5000㎡を超えるため、この条件には引っ掛からなかったようです。

〈主な質疑〉
収益は?
→カフェの使用料。南池袋公園で4500円/㎡の賃料発生。これよりも良い条件で契約できるのではないかと思っている。
有楽町線の占用料 300万円/年など
その他、広告収入を得られるスキームを考えたい。

ネーミングライツは?
→コンサルからの提案もあり、4つの公園含めて検討。地元の理解を得られるか、なども検討。

 



次回の委員会は、11/15(木)に行われます。