5月15日、豊島副都心開発調査特別委員会が行われました。

 

[調査案件]

1 南池袋二丁目C地区のまちづくりについて


2 基盤整備方針の検討について(池袋駅周辺地域)


3 池袋駅案内誘導サイン計画について


4 国際競争力強化地域戦略の策定について(池袋駅周辺地域)

5 造幣局地区のまちづくりについて


6 池袋西口公園整備事業について


7 委員会の1年間のまとめ

 

【1 南池袋二丁目C地区のまちづくりについて】


C地区は、豊島区新庁舎と補助81号線を隔てた反対側に位置します。

平成28年3月に市街地再開発準備組合が設立され、地区全体でのまちづくりが検討されています。

対象地区は南池袋二丁目地内、約5.3ha。

 

まちづくりのコンセプト

①賑わい・交流

C地区のうちグリーン大通り沿い(東池袋駅寄り)などは、広場や通りに面して店舗や施設を配置。

 

②住み良い環境

ゆとりある空間を持った住み良い住環境を創出。

 

③安心

子育て施設や高齢者施設の導入検討、3世代が安心して暮らせる住環境を整備。

 

④防災

逃げずに住み続けられる街、を実現するための災害対応設備や情報発信設備などの設置を考慮した屋外空間を整備。

壁面後退や地下通路の整備、有効空地率40%以上、1階部分に店舗等、ファミリー向け住宅を延べ床面積の三分の一以上設置、などで容積率を緩和。

 

今後のスケジュール。

29年5月 街並み再生方針の変更案の提案(準備組合→区)、(区→都)

29年夏頃 街並み再生方針の変更の決定(東京都)

その後

都市計画手続きとなり、再開発事業が始まります。

 

【2 基盤整備方針の検討について(池袋駅周辺地域)】


27年7月に特定都市再生緊急整備地域に指定されたエリアに対して、28年7月に「まちづくりガイドラインの策定」を行なっています。目標年次は20年後に当たる2035年。

このガイドラインに示すまちづくりを展開していくために必要な基盤整備方針の検討をしています。

いずれも策定の主体は「池袋駅周辺地域再生委員会(事務局;豊島区)」(以下、再生委員会)

 

29年5月9日に第5回再生委員会、「基盤整備方針中間まとめ」のとりまとめ。

秋に基盤整備方針に関するパブコメを予定、29年度末に基盤整備方針を策定予定です。

 

早期の実現を目指す事業が10事業示されています。括弧内は全て予定です。

①池袋駅サイン整備(31年度末整備完了)

②ホームドア整備(29年度末西武鉄道整備、31年度末東武鉄道整備完了)

③池袋駅西口地区再開発事業(30年度に都の決定)

④西口公園再整備(31年度半ば整備完了)

⑤西武鉄道池袋ビル(31年度第一四半期完成)

⑥びっくりガード上空デッキ(31年度半ば整備完了)

⑦環状5の1号線地下道路(31年度末開通)

⑧新たな移動サービス(バス)の導入31年度第ニ四半期運行開始)

⑨Hareza池袋・旧庁舎跡地プロジェクト(31年度半ば新ホールオープン、32年度第一四半期グランドオープン)

⑩南北区道整備(31年度末整備完了)

⑪南池袋二丁目C地区再開発事業(29年度に都の決定)

 

【3 池袋駅案内誘導サイン計画について】


2020年の東京オリパラや庁舎跡地プロジェクトのオープンに向けて、初めて池袋駅を訪れる人にもわかりやすい案内誘導サインの共通ルールを策定。

整備年次は30〜31年度、整備主体は各施設管理者。

策定主体は、池袋駅を周辺地域再生委員会(以下、再生委員会)

28年12月にパブコメ実施。

29年5月の再生委員会にて、案内サインガイドラインを策定。

29年度中に詳細調整、30〜31年度にサイン整備予定。

 

【4 国際競争力強化地域戦略の策定について(池袋駅周辺地域)】

池袋の国際競争力を強化するため、池袋の特色を生かしたインバウンドの推進や観光客や外国企業を呼び込むことを目指し、地域戦略(池袋ブランディング・シティ戦略)を策定。

国際アート・カルチャー都市構想実現戦略を推進するアクションプランとして位置付け。

29年4月25日の第4回国際アート・カルチャー都市懇話会にて、地域戦略を決定。

 

ソフト施策として、

①来街者誘客の強化、②スタートアップ機能の強化、③ビジネス環境の高度化

ハード施策として、

①基盤インフラの整備、②稽古場や発表の場の整備、③ビジネス活動の基盤整備

 

今後のスケジュールは、

29年6月〜 アトカル推進コンソーシアム協議会の開催(年3回)

29年秋 アトカル推進シンポジウムの開催

30年3月 基盤整備方針および法定整備計画に、地域戦略の施策を反映

 

【5 造幣局地区のまちづくりについて】

(1)市街地A地区(文化交流ゾーン)の事業者公募について

造幣局跡地の開発は、大きく分けて3つに分かれます。

①防災公園整備(約1.7ha)

市街地整備の約1.5haのうち、

②文化交流機能が約2/3

③賑わい機能が約1/3

 

このうち②の事業者を29年6月より公募します。

用途は、大学または外国大学の日本校(住宅の併設は不可)

要素として、文化と賑わい、防災拠点の形成、環境など。

事業者決定は10月頃。

30年度から計画・設計に入り、32年半ばには整備工事を開始、34年度開設を目指します。

 

③は造幣局南地区の開発の進捗と合わせてスケジュールが固まるとのこと。

 

私からは、

・昨年11月の全国知事会による「東京一極集中是正のための緊急決議」のうち「若者の東京一極集中是正のための緊急抜本対」の「大学の東京一極集中の是正」

・地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議(座長・坂根正弘コマツ相談役)が東京23区での大学の新増設抑制を検討していること

を踏まえ、本区の考えを聞きました。

 

国交省出身の宿本副区長からは、

・地方創生の観点と思われる。教育機関としての大学という観点よりも若者が集積する場としての大学に着目しているのだろう

・大学の立地を認めない、というのはかなり強い規制となる。法律で規制しないとできないだろうが、ハードルは高い。

 

本区が大学の誘致を目指すのだから、何かしらアクションを起こす必要はないのか?再度確認をしました。

 

高野区長からは、

・学んだ人が地方に戻る、という発想の方がよいのでは。

学びの場としての東京という位置付けは大きい。

例えば大正大学はそうしたチャレンジを始めている。

23区区長会全体の課題でもあると思っている。

海外に出ていく人材、海外から来る人材の受け入れを行なっていきたい。

 

東京を狙いうちするような施策に関しては、今後もきちんと注視します

 

(2)仮称;造幣局地区防災公園整備の進め方

整備の設計及び施工の段階から、目指す将来像にふさわしい管理運営のあり方を反映させるため、設計、施工、管理運営の一体型となる事業コンソーシアムを実施。公募型プロポーザル方式により執り行います。

公募開始は29年8月、事業者決定は30年1月。

30年度に実施設計、その後に整備工事を行い31年度中に完成予定。

32年度頭から供用開始、管理運営となる予定です。

 

(3)土壌汚染対策について

内容については、先日行われた地元説明会の内容をUPしましたので、そちらをご参照ください。

→4/24旧造幣局跡地「土壌汚染調査結果及び今後の対策説明会」 

 

土壌汚染対策以外でご意見を頂戴していたことについて、以下の対応を取るとのこと

◆振動対策

・最も振動が大きいコンクリガラと土をふるい分ける作業は、敷地中央部にて行う

・住宅地に近い敷地南東エリアでは、日曜祝日に加え、土曜日の重機作業を行わない

◆粉じん対策

・人力での散水に加え、スプリンクラーでの散水を行う

・汚染区画のシート養生を行う

・敷地境界にて日々の粉じん測定と、月1回有害物質の大気モニタリングを行い、敷地外へ有害物質が出ていないか確認

 

【6 池袋西口公園整備事業について】


[概要]

・31年秋、東口の新ホール「Hareza(ハレザ)池袋」と同時に「池袋駅西口エリアの顔」となる文化拠点を整備。

・池袋駅西口地区再開発を見据える。

・29年度中に基本計画、解体工事着工。30年半ば頃までに基本設計、実施設計。

30年度末から工事、31年11月頃から開園予定。

・ステージの規模などはこれから詰めるので、事業費は未定。

29年度に予算計上しているのは5000万円、ほぼ噴水等の撤去費。

 

[ステージイメージ]

・ダンス、ミュージカル、演劇などに加え、オーケストラの演奏も可能な舞台装置

・ステージと一体となった大型ビジョンの設置/災害時の情報発信、オリンピック・パラリンピックのパブリックビューイングにも利用可能

・指向性の高い音響システムの導入で、周囲への環境に配慮

・大型ビジョン、照明、音響機材を集中管理できる施設の設置

・イベントに必要なテント、パイプ椅子の収納スペース、出演者控室の確保

 

[観光案内所イメージ]

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、池袋駅西口エリアのシンボルとして多言語に対応 した観光案内施設の設置

 

[トイレイメージ]

・イベント時の利用を考慮したトイレの配置、便器の数

・観光案内所との一体整備も検討

 

[広場・エントランス・道路イメージ]

・様々なイベントに対応できるパブリックスペース

(トイレ、喫煙所、変電設備等の再配置)

・メトロポリタンプラザ方面からの動線の確保/周辺道路、 公園エントランスの整備

 

[整備の留意点]

・池袋駅西口地区再開発との整合/管理運営体制の構築(エリアマネジメントへの発展)

・建築面積の制限(最大12%(約370m²)まで)/東京メトロ有楽町線による荷重制限(1.5t/m²)

・周辺への音響、照明の配慮/東京芸術劇場への景観の配慮

・東京都広告審議会への審議(大型ビジョンに広告を放映する場合)

 

この日で1年間の特別委員会が終了です。
5月25日に行われる臨時議会にて、委員会の新たな構成が決まります。

◆1年間の委員会審議

6/15旧庁舎跡地及び周辺整備についてなど

7/15池袋駅周辺地域まちづくりガイドラインについて

11/15アジア・ヘッドクォーター特区についてなど

12/15池袋駅案内誘導サイン計画についてなど

1/13環状第5の1号線 地上道路の整備計画(案)について

4/14池袋駅周辺地域の市街地再開発事業の動向についてなど