8/30夕方は大分県別府市へ移動し、熊本地震への対応などについて視察を行いました。

 

行政へのヒアリングの前に、長野やすひろ別府市長と会談の時間を頂きました。

熊本地震への対応、観光政策、地域振興政策、CCRCについてなど、多岐にわたるテーマについて意見交換をすることができました。

長野市長は龍馬プロジェクト全国会の首長会のメンバーです。

同志が頑張っている姿は励みになります。

 

別府市での行政視察項目は、

平成28年熊本地震について、です。

熊本県での被害が報道でも報じられていましたが、4月16日には大分県中部でもマグニチュード5.7の地震が起き、別府市は震度6弱の地震に遭っています。

 

人的被害 計31名 負傷者11名、急病(搬送)20名

家屋被害 罹災証明願受付件数 5,791件(8/19現在) 

     全壊8件、大規模半壊3件、半壊69件、一部損壊4,175件、その他834件

 

幸いにも人的被害は少なかったのですが、家屋の被害が相当数出ました。

大半は一部損壊で、ブロック塀や擁壁が崩壊したところ、屋根瓦が損壊したところなどが散見されたとのこと。

別府市は世界有数の温泉地として知られるところですが、地震の影響による観光面の打撃が大きかったそうです。現在は九州ふっこう割により回復傾向にあるものの、一時期宿泊施設は前年比3割減、観光レジャー施設は前年比4割以上の減まで追い込まれました。

 

復興に向けての主な支援策として、住宅再建支援金、災害見舞金、大分県義援金の支給などに加え、市内飲食店のみで使える期間限定のプレミアム付きクーポン券の発行、損壊家屋の解体費用支給、べっぷ復興建設券事業などを実施。

 

今回浮かび上がった問題点として

・指定避難所の開設が遅かったという批判

⇒震災後早ければ1時間以内、遅くとも2時間程度で開設。行政の対応としては決して遅い訳ではなかったとみられるが、被災者心理からすると違って見えるという側面。

即時開設のためには地域防災組織との連携が必要

・自主避難のルール作り

⇒自主避難の場合は、自分自身で食料や毛布などを用意して避難所へ行く必要がある。しかし実際は手ぶらで避難所へ来る人も多く、備蓄物資の支給をどうするかなどの問題が生じた。

・福祉避難所の設置、要支援者の避難支援

⇒豊島区でも準備は進めているが不十分な項目。要支援者の避難支援などは課題が多い。

・社会福祉協議会が軸となって活動の充実をする必要

⇒縦割り行政だけではなく、部署をまたぐことができる社協の役割は大きい

・指定避難所以外の避難所の物資の確保

・ペットとの共生

 

今後の改善策として、

・避難所の民間との共同運営をすべく、防災訓練などを充実させること

・避難所の鍵の保管などのルール整備

・避難所運営の事前のルールづくり

・SNS活用、ケーブルテレビの活用など

・多言語支援センターの設置

 

避難所運営の具体的な問題点などについて伺うことができ、大変参考となりました。

本区での提言にも活かしていきたいです。