8/30~9/1、九州視察を区議団有志で行いました。

初日は朝一番で福岡へ入ってお昼過ぎまで視察、夕方は別府市に伺って長野やすひろ市長にお話を伺いました。

 

福岡市での視察項目は3つ

(1)平成28年熊本地震への福岡市の支援活動について

(2)ユニバーサル都市・福岡について

(3)福岡市のスタートアップ支援の取組みについて(現地視察含む)

 

(1)平成28年熊本地震への福岡市の支援活動について

<自己完結型支援>

平成28年4月14日、16日の熊本地震において、福岡市には大きな被害はありませんでした。

しかし熊本県に甚大な被害が出ていたために、政令指定都市間で協定を結んでいた関係から熊本市への支援活動を福岡市は行いました。

はじめは避難所の運営支援、そして救援物資の荷さばき等の支援など。

支援物資は熊本県のKKウイングスタジアムへ集積していたが、膨大な支援物資が届く中で仕分け作業などが追い付かずに物流がうまく回らなくなりました。

そこで注目されたのが、福岡市が行っていた「自己完結型支援」です。

被災地で必要な物資の品目を絞って募る、品目ごとに仕分けをする、避難所へ直接自分たちの車で運ぶ、といった具合に被災地側の受入れをしやすくしたやり方です。

これに加えて、SNSを活用してどの避難所に何の物資がどのくらい足りないのか、などを把握して届けるということをしていました。また、避難所同士で物資の過不足を補い合うということもできたそうです。

ミスマッチをなくすこのような仕組みはあらかじめつくっておけると相当役に立つだろうと感じました。

 

<今後の活動>

・新たなICT技術の活用

・地域防災計画の見直し

 避難所運営、人員体制の定め、人の手間を省くICT

・災害支援・受援計画の策定

 今までも受援計画の位置づけはあったが、受け入れ準備など不十分という認識をもっている。どこの地区でも災害が起こることはあり得る話だし、災害が起きた時には自分たちだけで対応するのは難しいため。

 

などを考えているとのこと。

 

(2)ユニバーサル都市・福岡について

・福岡市福祉のまちづくり条例

・福岡市バリアフリー基本計画

・みんなにやさしいお店づくり~バリアフリー改修の手引き~

・心のバリアフリー

について説明を頂きました。

福岡市が取組んでいる、バリアフリー関係のハード面・ソフト面の福祉政策のパッケージについてでした。

 

バリアフリー改修の手引きについては、昨年6月に作成されたもの。

バリアフリー基本計画等では新築物件には対応可能ですが、既存施設は努力目標となっている。その中で既存施設についてどのようなポイントを改善すればバリアフリーにつながるのか、ということを示したものです。

市としても現時点でどの位の既存施設がバリアフリー化されているのか、などのデータをもっておらず、定量的な目標をもつのが難しい分野ということで、主に啓発が目的となっている資料とのことでした。

 

(3)福岡市のスタートアップ支援の取組みについて(現地視察含む)

市役所から現地へ場所を移して、スタートアップカフェについてお話を伺いました。

2年前に公募をしてTUTAYAが受託をしていて、本屋と併設されている施設。

行政の創業支援の相談窓口はこれまでもありましたが、初めて行くにはやや行きづらい。

そこで誰でも入りやすい「敷居の低い」創業支援の施設を立ち上げようということで始まったものです。

起業について気軽に相談できるように相談役(コンシュルジュ)が毎日必ず1名以上は常駐しているようにしていて、創業に関する相談や支援内容の説明、場合によっては企業同士のマッチングなどを行っています。

また、起業に関連するセミナーなどが2年間で600回以上(参加者は延べ14000名以上)実施されるなど、積極的に活用されている施設となっているそうです。

これまでの実績では、相談件数が3000件、この中から68社が起業。

これだけ実績が出てくると、より人材が集まりやすくなる好循環になるのだろうと推察されます。

 

スタートアップカフェだけではなく、福岡市では国家戦略特区として様々な創業支援を行っています。

創業気運の醸成事業で、未来の福岡を創生する子供の育成をするための「アントレプレナーーシップ教育」を行い、チャレンジマインド育成事業などを実施。

これはベンチャー企業の経営者などを実際に授業へお招きして課外授業を行うなどの事業ですが、はじめは教育委員会の事業ではなくて経済部局が差配をしていたそうです。

しかし、子供たちが前向きな反応をするのを見て、現在では教育委員会の所管となっているとのこと。

その他の政策も総動員して全国のロールモデルとなるべくスタートアップ支援に取り組んでいます。

市長のリーダーシップの下、市長部局や教育委員会も同じ方向を向いて施策を行っていることが垣間見えました。

 

福岡市の視察では、龍馬プロジェクトの同志である冨永正博福岡市議にお骨折りを頂きました。

ありがとうございます。