6/29の一般質問についての続きです。

【2 防災・安全安心なまちづくりについて】
<質問の狙いなど>
まずは熊本地震から得られた教訓についてを問いました。
特に物流体制の構築が必要だという指摘は、以前から委員会でも指摘をさせていただいていたところです。
また、通信の安定性確保についても以前から私が指摘していた問題点です。
3点目の地図アプリ開発については、東日本大震災後に提案していた内容です。
2点目の指摘と同じように、災害時にインターネット回線が通常通りにつながるということはありえません。そうであるならば、いくら便利なものでもインターネットを介さなければならないものには脆弱性があるといえます。
そのためにオフラインで使用できる防災地図の提案を以前からしておりました。
ようやく前に進むようになってよかったと思っています。

Q:熊本地震で生じた、支援物資が集積場所で滞留した問題の原因分析は。
また、得られた教訓から、本区がとるべき対応と今後の取組み、周辺自治体との連携については。

A:原因は、
・膨大な量の物資受入れ・荷捌きに職員が忙殺されたこと
・独自の輸送車両がなく支援物資を避難所へ届けられなかった
・各避難所の避難者数の正確な把握ができず、物資の受給情報が得られなかった
など。
災害時の物流体制を考える場合、「支援物資のロケーション管理(何が、何処にどれだけあるのか」「物流拠点と避難所間の通信網整備」「避難所が必要とする支援物資情報」「輸送車両と積卸要員確保」等が必要。
平素からロケーション管理、トラック協会との関係強化、周辺自治体や防災協定締結都市等との輸送車両や積卸要員の相互援助協定の締結など、輸送力の確保等のための努力を重ねる。

Q:災害対策本部と現地連絡調整所との通信回線の安定性の確保の現状の認識と今後の対策は。

A:Skype会議システムは信頼度が高く実用に耐えうると確認。TV会議システムは災害対策本部にいながら現場状況の情報を得られる利点が大きい。
100%完璧は望めないので、二重三重のバックアップ体制を築く。
前年の帰宅困難者対策訓練における通信途絶問題については、情報提供ステーション等の現場に光ファイバーケーブルを新たに敷設し、タブレット端末を直接接続する方法が最も有効な解決策であることが判明。今後、セキュリティや費用対効果等を踏まえて総合的に検討。

Q:救援センターや防災の情報を得られるよう、オフラインで使用できるアプリを利用したサービスの導入を検討すべきでは。
また、サービス導入後にスマートフォン販売事業者と連携しアプリをプリインストールするように働きかけてはいかがか。

A:大変重要な指摘。本区は通信事業者などと共に総務省の実証実験に加わり、オリ・パラに向けた無料の多言語アプリや防災アプリの開発に係ってる。
実験中のアプリは、平常時は観光案内用アプリだが、緊急地震速報を受信すると自動的に災害対策用アプリに切り替わり、最寄りの避難所等へ誘導を行うもの。通信途絶後もGPS機能を利用して避難誘導が可能。
今後、アプリ開発の進捗や他アプリ情報も勘案し、区内販売業者との連携と合わせて導入に向けて検討。

【3 区教育委員会の重点取組などについて】
<質問の狙いなど>
本年度の豊島区教育委員会の重点取組は、
①「特別の教科 道徳」の先行実施について
②「特別支援教室」での巡回指導について
③オリンピック・パラリンピック教育の推進について
の3点です。
このうち、①、②について伺いました。
①は前年度、私の一般質問で先行実施を促した内容です。
教育基本法には人格の完成を目指すという教育の目的が示されながら、これまではどのように進めていくのかが判然としていませんでした。
「特別の教科 道徳」は、まさにこのために位置づけられたものです。
今いる小学生の65%は、現在存在しない職業に就くといわれるほど変化の激しい世の中です。
変化の激しい世の中だからこそ、江戸の教育で重視した「本学」である人間としての道徳・規範を備えしっかりとした判断基準を基礎としながら、個性を伸ばして自ら考えて行動できる人材を育てていただきたいです。

②は児童、保護者、学校現場にとっての利点が導入時に挙げられていた事業です。
発達障害児は文科省の調べでは6%程度いるとのことですが、以前の区教育委員会からの回答では、実感ベースでもう少し多い数値ではないか、とのことでした。
巡回指導の取組みは始まったばかりですが、今後も注視する所存です。

教育関連の3点目として、小学校6年生の林間学校の実施場所を日光へ戻すことを再度提案しました。
数十年も前から、豊島区立小学校の林間学校は日光で行われてきました。
日光で林間学校を行う意義については、世界文化遺産である日光の社寺をはじめ、戦場ヶ原や華厳の滝などの自然景観も有しているという点など、教育委員会も認めているところです。
平成23年の福島第一原発事故後に日光が放射能のホットスポットになっている、ということで急きょ長野県立科に切り替わり、その後もそのまま立科で行われています。
場所を切り替えた時の状況とはすでに異なっているため、日光へ戻すことを再度求めました。

Q:道徳の先行実施の狙いと意気込みは。
先行実施にあたって、教材や授業の在り方、評価や指導要録の取り扱いなど検討すべき点が多々あるとのことだったが、どのように解決したか。
また、現時点で見えてきた利点と課題は。

A:本区の幼児・児童・生徒が、人として大切な倫理観や道徳性を身につける、重要な機会を教科として確実に会得できるため、速やかに最善を尽くして先行実施すべきと判断し、実施に踏み切った。
校長会や全職層研修会、教育課程届出説明会において、「特別な教科道徳」の考え方や学習指導要領の趣旨を伝達、教育課程への位置づけを周知・徹底。
教材や研修などの情報提供を行うなど準備をしてきた。
利点は、読み物的道徳教育から脱皮し、自ら問題を考え語り合い自他を見つめあう「考える道徳」「議論する道徳」へ大転換する授業のモデルチェンジが多くの教員へ浸透し始めたこと。
課題は、教科としての評価の在り方の徹底。文科省からは未だ具体的な明示がない。

Q:巡回指導の効果と課題は。現時点での保護者からはどのような反応か。

A:
効果は、
・巡回指導教員が児童一人一人の在籍学級での状況を的確に把握することができるようになったこと。
・担任と巡回指導員との密接な連携を行うことにより、教室環境の整備や指導内容の改善・充実が図られてきていること。
・通常学級と特別支援教室の教員相互の理解・啓発が進んだこと
・自校の特別支援教室における指導が通常学級での指導改善に密接につながっている
など。
課題は、巡回指導を受ける児童数の増加に合わせ、特別支援教育にあたる巡回指導教員の専門性や資質・能力の向上を図る対策が必要であること。特別支援教育にあたる通常学級の担任の発達障害に対する理解や適切な指導・支援の習熟が必要不可欠であること。
保護者からは、送迎が条件となっていた通級指導学級と比較して負担が軽減された、指導内容を在籍学級の担任が十分に理解してくれ安心感が増した、などの前向きな反応が見られる。特別支援教室の利用申請は昨年度の12名から本年度6月時点で21名と大幅に増加している。

Q:小学校6年生の林間学校の場所を日光へ戻すことへの見解は。
また、小学校の林間学校の訪問場所や学習プログラムの見直しについては。

A:日光は自然豊かな国立公園であると同時に世界文化遺産に指定されたことから、学習指導要領における集団的宿泊的行事の狙いを十分に達成できる場所として、本来小学校6学年の移動教室に最適である。今後、日光での移動教室として早期に実現できるよう学校を含めた各方面と鋭意検討をすすめている。あわせて、宿泊先の確保や学習プログラムの作成準備にも取り掛かっている。
訪問場所や学習プログラムの見直しは、昨年度より小学校長会を中心に検討委員会を発足。体験活動が児童の生涯にわたって心に残る効果的な学びの機会となるよう、毎年PDCAサイクルで見直しを進める。

【4 その他(都電沿線のバラについて)】
<質問の狙いなど>
大塚駅南口の地下駐輪場整備及び地上部の広場整備は、いよいよ29年3月頃までに完成する予定となっています。
地下駐輪場の整備が完了すると、臨時駐輪場となっていた2か所の駐輪場は不要になります。
そのうち、駅に近い路上の駐輪場跡地にバラを植えることができれば、大塚駅からの緑の連続性が生まれるため、その提案をしました。
大塚駅前から新庁舎、雑司が谷へ「緑の道」をつなげ、回遊性のあるまちづくりをしてほしいと考えております。
向原から東池袋4丁目までの補助81号線の完成は4年後まで待たねばなりませんが、その一歩目として、是非とも大塚駅前の整備、そして都電沿線のバラの連続性を作っていただきたいです

Q:2か所の臨時自転車駐車場の跡地はどのような利用を想定しているか。
また、植栽の連続性を保つため、大塚駅近くの臨時自転車駐車場の跡地にバラを植栽できるようにすべきと考えるが見解は。

A:大塚台公園と都電沿線の2か所の臨時自転車駐車場の廃止後は、本来の用途である公園と道路に戻す予定。
バラの植栽について、現地は都電が大きくカーブしている箇所のため、歩行者や都電からの見通しが悪くなっている。植栽に当たっては、高さや感覚など安全性について都交通局と協議し、地元とも相談しながらできる限り連続的に植栽できるよう取り組む。