12/26(土)、龍馬プロジェクト全国会の研修会と忘年会がありました。
翌日の27日(日)には、東京若手市議の会主催の児童養護施設「子供の家」の視察と講演会に参加しました。

12/26(土)は、大阪府知事認定子ども虐待防止アドバイザー(子ども家庭サポーター)、茨木市市政顧問などを務めている辻由起子さんによるご講演をいただきました。
演題は「子供家庭支援の現場から」


自分自身が若くして結婚をした際に子育てに悩んだ経験をもっている辻さんは、各地でご講演をなさりつつ、子育てに悩む親御さんからの相談に乗っています。

虐待死や未受診出産、人工妊娠中絶、児童相談所の通告件数など数字の推移を示しつつ、ご講演をしてくださいました。
・虐待という起きてしまった現象だけをみるのではなく、なぜ起きたのかを考える必要
・便利な世の中になったが人間関係は希薄になった。
・「けんか」と「支配」の違い。対等と従属の関係。従属は相手の価値観を否定、人格否定につながることになり否定された側は自分を失うことになる。
・教育は教育のプロに任せるように、家庭支援は福祉のプロにゆだねるべき。
・虐待防止、というアプローチでは当事者は心を閉ざす。愛して護るというように寄り添うことが大事。

講演終了後は会の方向性などについて神谷宗幣会長からお話しがあり、その後は忘年会。


12/27(日)は、東京若手市議の会主催の視察と講演会に参加。
視察先は、清瀬市にある児童養護施設「子供の家」
講演会は、タイガーマスク基金の安藤哲也さん、辻由起子さん、子供の家の施設長の早川悟司さんのお三方にそれぞれ自分自身の活動を紹介していただいた後、3名の先生方による鼎談が行われました。

施設の視察
子供の家は少人数のユニット式
子供の家

早川悟司さんからは児童養護施設の現状と問題点など
早川さん
・日本の社会的養護は極端。ギリギリまでは生んだ親が頑張り、親が難しければ養護施設。
多様な支援の形があるとよい。シームレスになっていない。
・「子供の家」のような形がゴールではない。学校や地域との関係性も子供達には大事なこと。
・子育てが減点法なのが追い込むこと。加点法になるとよい。

安藤哲也さんからは、社会的養護の課題と展望について
安藤さん
・自分の子供だけ幸せな社会はない、という信念のもとで始めたのがタイガーマスク基金。
児童養護施設の子供たちへ大学進学の支援を行ったり、一般向けに勉強会やセミナーを行っている。
様々な形で募金を募っていて、基本となるタイガー進学サポーターの募集、募金対応型タイガー自動販売機や募金箱、タイガーチャリティーギフト、タイガーマスクLINEスタンプなども。
(詳しくはタイガーマスク基金のホームページにて⇒コチラ
・子供への虐待が起こる要因は様々あり、夫が育児に協力してくれない、経済的に苦しい、精神面での不安、孤立した子育てなどが考えられる。
夫婦で行うのが子育てなのにお母さんのみに行わせている家庭が多い現状。それを是とする社会。
ファザーリングジャパンでの取り組み、イクメンやイクボスの仕掛けは現状を変えようとするもの。
父親が育児にかかわるメリットはたくさんある。
・虐待という川下の問題のみに取り組むのではなく、川上にある家庭の問題を解決する必要がある

辻由起子さんのご講演は、なぜ虐待が起きるのかについてなど
辻さん
・お母さんなのにうまく子育てができなくて悩んでいるのに「お母さんなのだから頑張れ」と言われるのが辛い、悩む人が多い。
・望まない妊娠を減らすには教育が必要
・未受診の理由は経済的な問題によることが多い
・命の授業「赤ちゃん先生」を茨木市では実施。赤ちゃんを抱っこするという経験をすることで学ぶことがおおい
・虐待防止、には意味がない。望まない妊娠を除けば、初めから虐待しようと思っている親はいない。
児童虐待防止、には取り締まりをされるという印象をもつ。そうではなくて育児に困っている人、育児困難の人がいる、という見方をして欲しい
・道徳教育も、まずは自分を大切にすること。そして他者との関係に発展。

その後は3名の講師による鼎談。
鼎談

印象的だったのは、それぞれ抱えている現場が違うお三方が、口を揃えて児童養護施設や虐待などの現場で起きていることはいわば川下のことで、この対処だけでは解決につながらない。
目の前の問題に対処しつつ、もっと根本の川上の問題を解決する必要がある、と仰っていたことです。
そのためには子育てに対する社会の認識が改まること、教育をしていくこと、などが必要となります。

この2日間の学びは大きなものでした。
今後の政策に必ず活かす所存です。