9/19(土)、南大塚ホールにて区政報告会を行いました。
これまでの報告会では「地域活性化」「防災」などのテーマを取り上げてきましたが、今回のテーマは「教育」です。
私が尊敬する東洋思想の泰斗である田口佳史先生をお招きして特別講演をして頂き、それを受けての私の地域での実践報告という形を取らせて頂きました。

まずは私から区政報告をさせて頂きました。
区政報告
2期目の出馬に当たって掲げた政策についての説明、
なぜ教育政策を今回の報告会で取り上げたのか、などをお話しし、
最後に9/18から始まった第3回定例会の話しを少し触れました。

続いて、
田口佳史先生による特別講演
「なぜ今、人格教養教育が必要なのか」
田口先生

・規範とは何か(正しいとは何か)
・江戸の規範形成教育とはどのようなものか
胎教から15歳までの一貫性重視
数え年はお腹に生を受けた時からの事を考えているからこそあった考え方。
慈愛・義愛から、四端教育(惻隠、羞悪、辞譲、是非)、五常(仁義礼智信)へ。
・灑掃(清掃。整理整頓能力、清々しさの習得)、応対(挨拶や返事、往来物による書道と手紙の訓練)、進退(止め時を知る、グループを抜ける訓練)、の大切さ
・天の命ずる之を性と謂う。人間性と理性。
・道徳の定義。天行健なり(易経)から来ている言葉。
天のはたらきはその徳によって、①秩序の形成、②精力的で動態的な創造、を行っている。
道とは何か。天の命ずる之を性と謂う。性に率うこれを道という。道を修めるこれを教という。
・人間としての規範、原理原則を教える教育の必要性。
人間としての規範があった上で、社会人としての規範、企業人としての規範などがある。
・人格教養教育が必要だと思い、16年間その実現のために活動をしてきた。
それがようやく実ってきて、議員連盟の立ち上げにまでつながった。

私は田口先生の仰る人格教養教育の必要性に賛同をしており、その実践の場として放課後寺子屋を始めました。
その放課後寺子屋の実践について、お話しをさせて頂きました。
本題に入る前に、どんなことにも根拠を示してくださる田口先生に傾倒し、その田口先生が仰る教育の形を実現させたいと考えて活動をしているという話しにも触れました。
寺子屋
放課後寺子屋の実践に際しては、会場をお借りしている「サンモール大塚商店街振興組合」「大塚駅南町会」の協力がなくては成り立ちません。
また、運営スタッフとして手伝って下さる方、ゲストティーチャーとして教えに来て下さる講師なども趣旨に賛同して無償で行ってくれています。
子供を送り込む保護者の理解も不可欠です。
沢山の人達に支えられて放課後寺子屋が運営されています。
このようなつながりを感じることができることは非常にありがたいことです。

放課後寺子屋で学んだ子たちが、いずれ成長して寺子屋へ教える側として戻ってきて欲しい、という願いもお話しをしました。
このようなサイクルが生まれれば、薩摩藩の郷中(ごじゅう)教育のような形がつくれます。
そうなったら地域のつながりはより強固になりますし、地域を愛する子供たちが育成されていくはずだと思っています。

放課後寺子屋を実践してきた結果、沢山の気づきもありました。
放課後チューター制度の拡大につながった私の議会質問などは、放課後寺子屋での気づきがあればこそです。
最低限の学力を獲得できるように、公教育の充実はこれからも進めていきます。

放課後寺子屋の目指すことなどは過去のBlogにも記載させて頂きましたので、そちらをご覧ください。
⇒H26.3/14「大きな節目!平成25年度放課後寺子屋最終講」

私からの発表を終えたあと、田口先生へ私から質問をさせて頂きました。
Q:幼年教育だけではなく、生涯学び続ける意味は?
A:「習う」は、羽が白いと書く。まだ羽が白い雛が必死に反復して飛ぶ練習をする様を「習う」という。江戸の教育では、大事な言葉を「100字100回」素読をして練習をして、吸収していた。
教育においてもう一つ大事なことは「感化」である。
親御さんが教育においてどのようなことが大事なのか、五常など大事な徳目を理解している必要がある。その上で実践をして「感化」していくこと。
「学習」と「感化」が大切。
・更に、佐藤一斎の「少く(わかく)して学べば,則ち壮にして為す有り。壮にして学べば,則ち老ゆとも衰へず。老いて学べば,則ち死すとも朽ちず。」という。
若いうちから学べば成長して世の中で果たす仕事がある。壮年になってから学べば老人になった後も精力的に生きられる。老いてから学んだら、死んだ後にも朽ちることはない、不朽ということになる。

Q:道徳の教科化、がなされるが、これによって人格教養教育は実現に向かうのか?
A:向かうと考える。
しかし、実現をさせるためにはやはり人材の育成と何としても成し遂げるという意思が必要。

※田口先生のご講演の内容、質問へのご回答などは私が意訳しているので、言い回しなどは不正確です、悪しからず…

今回の報告会を経て、改めて人格教養教育の必要性を強く感じています。
田口先生が仰るように「道徳の教科化」がこのきっかけになってくれるとよいなと思っております。
9月末に行う私の一般質問では、道徳教育についてを取り上げます。
この中では、道徳の教科化についての見解や今後の進め方についても確認をします。
そして、道徳の時間が子供たちにとって意味のある時間になるように働きかけをしていきたいです。

特定の価値観や考え方を押し付けるのが道徳教育ではありません。
会場へお越し下さった方々から、
よいお話しを伺うことができた、とても勉強になった、などのご感想を多数頂きました。
必要性をきちんと話せば分かって頂ける、その様な手ごたえも感じた次第です。

今後も放課後寺子屋の実践を続けつつ、実践を踏まえた議会での働きかけを行っていき、
豊島区の教育がより良い方向へ進められるように活動をしていきます。