6/10(火)、「人格教養教育推進のための議員連盟」の設立総会が行われました。
自民党、民主党、維新の会、みんなの党、結の党、公明党などに跨る超党派の議員連盟です。
現時点で70名の衆参議員が趣旨に賛同し、議連に加わっています

呼掛け人は、事務局長の山田宏代議士。
会長は、下村博文文部科学大臣です。
下村博文文部科学大臣

【議連の目的】
議連の目的は以下の3点。
1.規範形成教育の再興
・子育て(家庭教育)から就学前(幼稚園、保育園教育)、就学後(小学校教育、中学校教育)を通じて、規範形成を一貫性をもって実施する体制の整備

2.教師の養成(規範が教えられる教師の養成)
・家庭教育=親に対する子育て教育支援
・幼稚園、保育園教育=幼稚園教員、保育園保育士に対する教習の機会の提供
・小学校、中学校教育=教師に対する教育機会の提供

3.地域、学校、家庭の三位一体の教育
・家庭教育、学校教育に対する地域からの支援
・地域の独自性を活用した規範形成教育の実施

今後の活動として、講師を招いての研究会、共同政策案の策定など。

【主な役員】
最高顧問 安倍晋三首相、野田佳彦前首相
会長代行 田村憲久厚生労働大臣
副会長 山谷えり子(自)参議院議員、長島昭久(民)代議士、中山恭子(維)参議院議員、富田茂之(公)代議士、江口克彦(み)参議院議員
幹事長 笠浩史代議士
事務局長 山田宏代議士
など。

この日もご出席なさっていた幹事の菅原一秀代議士は、設立準備の事をBlogに取り上げて下さっています⇒コチラ
幹事にはヤンキー先生こと義家弘介代議士、事務局次長には田沼隆志代議士も名を連ねています(記念講演含めて最後までご本人がご出席なさっていました)
龍馬プロジェクトの同志の、小田原きよし代議士、杉田水脈代議士も議連のメンバーとして設立総会にもご出席くださいました。
総会の様子

老荘思想研究者で一般社団法人「日本家庭教育協会」理事長の田口佳史先生による記念講演
「人格教養教育の必要性」
田口佳史先生
・江戸期では6歳頃に集合教育(寺子屋等)が始まり、そこで最初に習うのは「大学」。徳とは何か、社会とは何か(自己と他者で成り立つ)、を学ぶ。
教育の目的は、立派な大人(大丈夫)を育てる事。人間性と社会性の重視徹底。
・江戸期の集合教育前に教えたこと。
 小学「灑掃、応対、進退」
 灑掃(拭き掃除):整理整頓能力の育成、清々しさを知る、愛着心、脱いだ靴を揃えるなど。
 応対:挨拶、返事。往来物による書道と手紙の訓練。 
 進退:止め時を知る。
・天命之謂性(天の命ずる之を性と謂う)
 人間性と理性は人間のみが持つもの。これがなければ動物と変わらない。
・規範とは何か。正しいとは何か(「正」は、この線で止まれと書く)。
・胎教 鏡草の「母の心持と身の行い」
 誕生から3歳まで。父性(義愛)と母性(慈愛)。
 3~6歳まで。惻隠の心(仁)、羞悪の心(義)、辞譲の心(礼)、是非の心(智)が四端(四つの端緒・きっかけ)が、仁義礼智に信を加えた五常に繋がる。
・ユネスコの21世紀教育国際委員会が1996年にまとめた「学習:秘められた宝」に載っている学習の4本柱
 知ることを学ぶ(learning to know)
 為すことを学ぶ(learning to do)
 共に生きることを学ぶ(learning to live together)
 人間として生きることを学ぶ(learning to be)
の「共に生きることを学ぶ」「人間として生きることを学ぶ」に繋がる教育
・素読の重要性
・地域の偉人伝、賢人伝を学びながら、規範を習得する。
・人格教養教育推進のための要点
 1.胎教から15歳(中学卒業)までの一貫性重視
 2.豊富な教材による補助の充実
 3.規範を教えられる教師の養成

など。
短い時間に濃い内容を詰めたご講義でした。

田口佳史先生と人格教養教育プロジェクトの事務局メンバー。
田口先生と事務局
人格教養教育プロジェクトは、民間の団体となります。
今後は、新しく立ちあがった議連と連携をしながら、知識・技術偏重の教育から、人格教養を育む教育を並行して行うということを目指します。

産経新聞が取り上げてくれたのですが、議連の目的というか手段のほんの一部しか記事になっていません。
議連の立ち上げは、道徳の教科化が目的ではありません
紙幅の関係もあるのだと思いますが、言葉足らずなところがあるので補足の意味も込めてBlogに書かせて頂きました。

産経新聞 2014.6.10 ⇒記事リンク
「超党派による「人格教養教育推進議連」発足 道徳の教科化を後押し」
自民党、公明党、民主党、日本維新の会、みんなの党、結いの党の有志議員による「人格教養教育推進議員連盟」の設立総会が10日、国会内で開かれた。政府内の道徳の教科化の動きを後押しする狙いがある。

 安倍晋三首相と野田佳彦前首相の2人が議連の最高顧問を務め、保守系議員を中心に70人が入会。会長に就いた下村博文文部科学相は「人として、もっと求道的な思いを持たなければいけない。そのために人格教養教育はある」と述べた。