ご報告が遅れてしまいました。
(仮称)西部地域複合施設の入札不調については、既にメディアで報じられている通り、8月に行われた入札に続いて、補正予算で予算を増額後の11月の再入札でも不調に終わり、一時凍結となりました。
入札不調を受けての対応について、12月6日の議員協議会で報告がありました。

西部地域複合施設のパース図。


<当面の対応>
・西部複合施設の現計画は維持。事業を推進する環境が整うまでの間は凍結。
・設計者と施工業者との認識の乖離の原因究明。H26年度を目処に、設計変更や工期見直しなども視野に改めて検討。

<長期的な対応>
計画凍結が長期に渡る場合の暫定的な措置を検討。
(1)西部区民事務所の仮設
新庁舎が開設する27年度中にプレハブによる暫定的な西部区民事務所を現地に設置。
新庁舎に準じた機能を持つ総合窓口を実現する方向で検討

(2)千早図書館、千早地域文化創造館の耐震化
27年度中を目処に耐震化工事を実施する方向で検討

(3)郷土資料館の移設と勤労福祉会館の大規模改修
・勤労福祉会館は予定通り28年度に大規模改修を行う方向で検討。
・勤労福祉会館から西部区民事務所へ移設予定の郷土資料館は、事務所を西部区民事務所のプレハブ内へ移動。展示等は新庁舎内および区内のギャラリーで行う。

(4)体育館・グラウンドについて
・体育館は27年度中に暫定活用が可能な整備を行い、救援センター機能も確保する方向で検討。
・グラウンドは、工事再開に備えて当面現状のままとする(残土などが保管されています)

<費用等>
・これまで掛かった費用は、約1.8億円(設計に1.5億円、その他0.3億円)
国からの補助金を1200万受けているが、返還となるかは担当と協議中。
・仮設のプレハブなどは、粗い試算だが約4億円(プレハブ約2億円、体育館約1.3億円、耐震約0.6億円)、勤労福祉会館の改修費は約9億円を見込む。

これまでの東北復興需要に加え、東京オリンピックの関連事業、木密地域不燃化10年プロジェクト、特定整備路線の整備など、大型の公共工事が控える中で、ゼネコン側に受注控えの傾向があるようです(豊島区の事業だけではなく、他の自治体でも公共施設の入札不調が相次いでいます)。
鋼材、人件費の高騰、人工の確保、生コンなどの先高観…など、ゼネコンがリスクと考える要因が、他にも多く考えられます。
西部地域複合施設の設計自体が特殊な形状をしていることが、現在のような建設市況の中で影響している可能性もあります。

西部地域複合施設は豊島区西部の重要な行政サービスの拠点となるところなので、機能が担保出来ないという事態は避けなければなりません。
ゼネコンの受注控えが2020年を睨んだものであれば、数年でそのスタンスが大きく変わるかは分かりません。
その点においては、行政サービスの機能を担保する長期的な対応が示されたことは評価できます。
今後については、平成26年度中を目処とする計画の実現性の再検討を待ちたいと思います。

10/1 豊島区議会第三回定例会 補正予算
(仮称)西部地域複合施設の債務負担行為の限度額増額


11/27 日刊建設工業新聞
東京・豊島区/西部地域複合施設新築/入札不調で開設時期延期、工期見直しへ

豊島区
平和小学校跡地の整備