10/5(土)、「弁当の日」応援プロジェクト主催の子育て・食育シンポジウム「"食べる"が教えてくれたこと」が都内で行われました。
後援は、内閣府、文部科学省、農林水産省、東京都教育委員会。

第二回定例会の私の一般質問で取り上げた「弁当の日」についてのご講演でした。
(6/26 一般質問→コチラ
竹下和男先生のお話しが伺える貴重な機会だったので、調整して参加をしてきました。

内田美智子氏の講演
「あなたが生まれた日」
助産師として沢山の赤ちゃんの出産に立ち会ってこられたお話し。
色々な家庭環境や様々な事情による出産などに立ち会い、相談を受けてきた結果、食の問題に行きついたとのこと。
食卓がひどいと心が安定していかず、親の習慣から正す必要がある。
あるお母さんの「死産」に立ち会った時の感動的なエピソードの紹介もありました。
死産でも愛情を持って接することができるお母さんもいれば、せっかく生を受けた子供を虐待する親もいる…考えさせられます。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-内田美智子氏

竹下和男先生の講演
「くらしの時間を子どもたちへ」
豊島区議会議員 細川正博のブログ-竹下和男氏

・食育基本法から8年、食事を作れない若者が増えており、法の趣旨が果たされていない。
・当たり前のことだが、食事が体を作る。悪い食事を食べていたら健康にならない。
・食生活が乱れると、体がこのままではまずいとなり、生存本能から次世代を作る方に考えが向いてしまう。こうなると性生活の乱れにも繋がる。
・暮らしの時間(家庭の時間)という土台があり、遊びの時間(地域)があり、最後に学びの時間(学校・塾など)。土台となるべき暮らしの時間がないと、相手に対して支配的になろうとするように育ってしまう。
しかし、現代は最後の学びの時間のウェイトばかりが大きくなっている。

料理に関心をもつのは、3~7歳位がピーク。
小学校1年生位で下がり始めるのだが、この頃に料理を子供が手伝おうとすると面倒くさがる親が多い。また、勉強をしたり本を読んだりすることに対して親が喜ぶ姿を見せると、そちらの方を子供も選択するようになる。
→手伝いたい時に手伝わせる。関心を持たせるのがよい。ちなみに味覚の発達は3~9歳とのこと。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-手伝いたい意欲棒グラフ

・自転車や泳ぎと一緒で、料理も覚えてしまえば一生心と体に残るもの。
・8~19歳で友達とのコミュニケーション能力は伸びていく。味覚の成長は終わっていても、弁当を見せあいっこするなどで、食事や料理を楽しいものと感じることができる。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-竹下先生ご講演
「弁当の日」の実践で生まれた感動的なエピソードのご紹介がありました。
私はそのエピソードを竹下先生の著書で読んだことがあったのですが、この場での紹介で改めて感動をしました。
子供達へ生きる力をつけること、そしてそれが感動的なエピソードも伴うものであれば、実践しない手はないと私は思います。
今後も提言をしていく所存です。

竹下先生のご講演の後は、モデルの堂珍敦子さんによるトーク(写真右)
「"自分でつくる"はHAPPYもつくる」
4人のお子さんの母親でもある堂珍さん。自らがご両親にして頂いてきたことへの感謝、家族に対して愛情を込めた食事を作っているお話しを、スライドを交えてご紹介いただきました。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-堂珍敦子さん

続いて、トークセッション
「できる!を伸ばす"弁当の日"」

MCは比良松道一九州大学助教授
パネリストは、
坪田知広氏(文部科学省社会教育課課長)
金子和明氏(荒川区立第六日暮里小学校校長)
豊島区議会議員 細川正博のブログ-パネリスト

その他、「弁当の日」の卒業生が2名参加。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-卒業生たち

金子校長先生は、弁当の日の導入をされた方です。
・「弁当の日」の実施に当たり、いきなり全部を作らせるのは大変かもしれないということで、子供の関わり方に応じて4つのコースを選択出来るようにした。
・結果的には自分たちで弁当をつくるウェイトが大きいコースを選択した子ばかりであった。
・先生達も自分たちの弁当を作っていくことにした。こうすると子供達も喜ぶ。

坪田課長は、文部科学省で初めて男性で育児休暇を取った方。
まず塊より始めよ、ということで調整して取得したとのこと。
・長期的な育成を大切にすべき
・自立ができる子供にする

卒業生の子たちも、それぞれの生活に活かしているお話しをしてくれました。
一人の子は既に主婦となっていて、ご主人と囲む食卓に彩りをもたす工夫、一汁三菜を心がけることなど。
もう片方の子は大学一年生で一人暮らし中。食事を作るコンロの数やスペースが少ないために、作っても簡単な一品料理程度。大学生で外食の機会も増えているとのこと。
→それでも自分で作ろうと思えば作れる状態になっているのがよいなと思います。

よいお話しが沢山うかがえ、よい出会いもあった、私にとっては得るものが多いシンポジウムでした。
弁当の日、ひろがってほしいです!