9月7日(土)、豊島区立千川中学校のとしま土曜公開授業にて、「こころざし教育」を行いました。
今年の千川中学校は、小林校長先生・柳沢副校長先生の発案で、9月の土曜公開授業は選択式の授業としました(中1は防災教育、中2、中3は選択式)。
「いのち」「社会」をテーマにした授業をいくつか用意し、子供達が自分で選択して申しこんだ授業を受けるというもの(2コマ分)。
用意する方は大変だと思いますが、とてもよい取り組みです。

ちなみに今回用意された講座は以下の通り
(1)租税教室(豊島税務署)
(2)環境教育(富士通):パソコンの分解を通して(2時間連続)
(3)放射能教育(日本科学技術振興財団)(2時間連続)
(4)憲法の授業(東京第一弁護士会)
(5)消費者教育(全国消費生活相談員協会)
(6)留学生が先生(国際理解支援協会)
(7)社会で活躍する方の講演(NPO法人GRA)

我々のコンテンツは(7)です。
今回は、NPO法人GRAの方が授業の導入部分を行い、社会人のゲストティーチャーが講演、その後に質疑という流れで授業を組みました。

受け持ちの1時間目、導入はNPO法人GRAの高原康次さん。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-2限目_高原さん

講演は、ココロイロ(ベビー用品のレンタルなどを手掛けるベンチャー企業)の伏見匡矩社長。
・人間の寿命は30000日、中学生の君たちは5500日位生きている。
・命の連続、出産、人生のスタート。歴史との繋がり(自分の祖父が大東亜戦争を戦い、帰国してから家族を築いた。何が欠けても自分はここにいなかった)
・17歳の時に事故で死にかけ孤立した時期。大手企業に勤めてトップ営業になったことも。
絶頂の時、自宅が失火で全焼。
その後に人生を考え価値観が変わる。
・人と競争、人に勝つことだけの人生でよいのか?そうではなく、
 ・自分はいいから家族に食べさせること。
 ・世の中の役に立つこと。
 ・たとえちっちゃなことでもよい。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-2限目_伏見さん

受け持ちの2時間目、導入はNPO法人GRAの鳥潟幸志さん。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-3限目_鳥潟さん

講演は、第50次南極越冬隊員の村上祐資さん。
「南極経由宇宙行き」
・南極、冨士山観測所、エベレストベースキャンプ…極地にも日常の暮らしがある。
極地建築家の村上さんには、月にも人間が日常の生活を送れる空間を作ってみたいという夢がある。
・「伝える」…自分でやること。「伝わる」…相手とやること。
自分を「伝える」ことしか考えていない、相手に「伝わる」まで待てない人がいる。
・人間は「視線」を言葉よりも前に獲得した。人間らしく「視線」を使っているか?
・夢って頑張って持つものだろうか?
難しい夢であればあるほど周りの協力が必要。そういった夢は社会の中で実現するものだから。一人で頑張りすぎず、続けられるペースで行うことが大事。
・言葉よりも「待つこと」に上手な人。そうでないと、すぐに夢を諦める人に。
・南極では、「リーダーになれること」「フォロワーになれること」、その両方ができることが大切な事。
「自分」が特別だという事を知っていて、「相手」が特別だという事も知っている。特別な「相手」と仲間として生きる。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-3限目_村上さん

約2年前、豊島区立巣鴨小学校でワークショップ「秘密基地ヲ作ロウ。」を村上さん主宰で行いました。
その時のことも絡めてお話し頂きました。

秘密基地ヲ作ロウ。総集編の動画


秘密基地ヲ作ロウ。の小学生へワークショップ前に提示したこと。
(1)できない理由よりも、「できる」理由を考えよう。
(2)失敗をたくさんすること。失敗からたくさんのことを学ぶこと。
(3)仲間を作るために、夢を言い続けること。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-3限目_村上さん(2)

秘密基地ヲ作ロウ。のキーワードでもあった言葉で締め括り
「遊ぶことは生きること」
$豊島区議会議員 細川正博のブログ

今回は千川中学校とご縁があり、授業を2コマ頂くことができました。
この授業の後、中学校3年生は「15歳の主張」という学年発表があり、将来の夢を発表する機会があったそうです。
そのために色々と考えているところだったらしく、かなり心に響いたのではないか、と担任の先生は仰っておられました。

私が今年の第2回定例会で提案した「立志式」の目的は、まさにこのためにあります。
中学生から先の進路を決める前に、振り返って自己分析し、自分のやりたい事や価値観を見つめなおす機会を設けて欲しいと思ったからです。
人に決められる人生ではなく、自分で決めたと思えるようにすること。それが自立に繋がることでもあります。相談して決めたっていい、誰かに影響されたっていい、ずっと続けてきたことでもこれからやりたいことでもいい、とにかく自分を見つめなおして考えて欲しいです。この時点で決めたことが後に変更されることもあるはず。それでもこの時は自分で決めたという事が大事。
彼らが考える一助となるために、かっこよく生きている大人の姿を見せることも大事だと考えています。その話や姿に対して、響く子とそうでない子がいるはずですが、それでよいと思います。押しつけでは意味がなく、「自発」のきっかけとなればよいなと。
「こころざし」は人に押し付けられるものではなく、自分で思う気持ちであるからです。

後日、子供達の感想文を見せて頂けるとのこと。
その反応も楽しみです。
まだ体系だったものではありませんが、子供達の「こころざし」を育む一助になりたいと思っております。

千川中学校の皆様、ありがとうございました!