11/29、第6回アジア地域セーフコミュニティ会議の2日目。
基調講演、分科会、交流会、セミナーなどが行われました。
会場は、サンシャインシティ・ワールドインポートマート5F。

各地の取り組みが紹介されているポスターセッション。
国際色が豊かです。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-国際色豊かなポスターセッション

基調講演。
国立長寿医療研究センター研究所長 鈴木隆雄氏
「高齢者の安全を日常生活からどう構築するか」
豊島区議会議員 細川正博のブログ-鈴木隆雄先生
・日本では「後期高齢者」という呼称に配慮がないと話題になったが、世界でもこの分類をされている。英語では、65~74歳を「young-old」、75歳以上を「old-old」と言う。
75歳以上女性の平均の歩くスピードは1秒間に1mを切る。横断歩道は1秒間に1mで歩くことを想定して時間が設定されている、即ち平均的な75歳以上女性は横断歩道が渡りきれないという事になる。あくまで平均値で個人差あり。個人差が大きく生まれるのもこの年代の特徴。
日本は今後の人口構成で、高齢者の高齢時代を迎えることになる。
・日本では、死因で溺死と窒息が多いのが特徴的。
溺死はお風呂好きから来る(寒い脱衣所、熱いお風呂、首まで浸かる…などは高齢者にはよくない)
窒息はお餅など。物を飲み込む身体機能が落ちてなってしまう(もし詰まった際には、掃除機で吸い取るのが効果的とのこと。覚えておきます)
・筋力、バランス能力を保つことが転倒防止に繋がる(科学的根拠あり)
認知症の予防にも繋がるため、対策が必要。

アディサック・プリトゥポンカーンピン教授(タイ)
「タイにおけるコミュニティの安全と自然災害」
豊島区議会議員 細川正博のブログ-アディサック・プリトゥポンカーンピン氏
・タイと日本の違いとして、歴史的な背景や貧富の差など。
・タイの大洪水をきっかけとして、改めて安全の大切さが分かり、被災時の被害軽減に取り組んでいる。
インフラの整備はもちろん、各コミュニティによる共助の取り組み。
高齢者、災害人弱者が分かるように家の前に貼り紙をする。
シェルターの用意、食糧の備蓄、家庭での避難経路の計画・確認など。
また、子供向けの情報番組で洪水の知識をつける取り組みも。
ライフジャケットの整備も進めてるが、予算の関係で全部はムリ。ペットボトルで代替するなど啓発をしている。
知識を教えるだけではなく、自ら考えて対応する子を育てる必要あり。
助けあいの精神を持つ公共心を持った子を世の中に送り出したい。

日本でも行っているような対策だなと思いました。
被災時に必要なことや、確認すべき事項というのは、国を跨いでも余り変わらないのでしょう。
非常に参考となりました。

国際会議なので、色々な国の方がいらっしゃっています。
プレゼンは英語で行われました。
会場で貸してもらえる機器を使って同時通訳を聞くことができました。
英語→日本語、日本語→英語の2言語。


11/30(3日目)、分科会
3日目も分科会が開かれました。
私は「学校の安全」と「自殺の予防」の分科会を拝聴いたしました。

「学校の安全」では豊島区を代表して、インターナショナルセーフスクールの認証を受けた朋有小学校がプレゼンをしてくれました。

資料は英語で作成されています。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-朋有小

田淵貢造校長先生。
セーフスクール活動の取り組みについてのご紹介。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-田渕校長

PTAアクティビティ
豊島区議会議員 細川正博のブログ-PTAアクティビティ

石橋正克PTA会長(真ん中)、冨成副会長(右)、川口副会長(左)。
冨成さんが、流暢な英語によるプレゼンをして下さいました。格好良かったです!
セーフスクール活動におけるPTAの役割など。

コミュニケーションを深めるために挨拶活動、自転車安全教室を学校行事として全員参加とした、通学路の安全性の点検、学校行事やPTA行事毎にセーフスクールのPR活動など。
広報活動に苦労をしたお話もありました。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-石橋会長

その他、台湾での取り組み、日本で初めてセーフスクールの認証取得をした厚木市立清水小学校、小諸市での取り組みなどの発表がありました。

「自殺予防」の分科会では、豊島区池袋保険所健康推進課長の田中敦子課長より
「豊島区における自殺者の特徴」の発表がありました。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-豊島区発表
日本では20~30代の死因のTOPが自殺によるもの。
全国的な傾向で、40~50代の男性の自殺が最も多い(経済的問題、健康問題など)
豊島区でも全国的な傾向と同じく、40~50代の自殺者が最も多い。
豊島区ではその他に20~30代の女性の割合が高いという特徴がある。
一人暮らし世帯が多く、コミュニティから孤立する人がいることも原因と考えられる。
対策としてゲートキーパーの養成など(講座を開設、これまで300名以上が受講)

その他、福岡県久留米市保健所、長野県小諸市の取り組みの紹介がありました。

分科会の締め括りに講評を頂き、終了。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-講評

豊島区を会場とした、セーフコミュニティ国際会議の日程は、公式昼食会を持って終了となりました。
国内の他の自治体の取り組みだけではなく、海外の事例のご紹介を頂いたことは、よい刺激になると思います。
関係各位の努力により、ようやく認証取得したセーフコミュニティ、インターナショナルセーフスクール。
取得がゴールではなく如何に続けていくかの方が重要です。
この考え方を活かしつつ、より安全安心な豊島区に繋げていく必要があります。

セーフコミュニティ関係の大きな行事はこれで一区切りです。
プレゼンされた地元や区役所職員の皆様、セーフコミュニティ活動に関わった関係各位、お疲れ様でした!