11/1(木)、小池ゆりこ衆議院議員(元環境大臣)と小林光慶応大学環境情報学部教授(元環境省事務次官)の講演会「クリーン&グリーン ~エネルギー安全保障~」が、豊島区立勤労福祉会館にて行われました。

小林光慶応大学環境情報学部教授(元環境省事務次官)。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-小林光教授

・我々は、エネルギーを安く済まそうとだけしか考えていないのではないか?
・温暖化は進んでいる。うまくいっても50年で2度くらいは地球の平均気温が上がる。
・Co2を80%削減する方法。需要側と供給側でそれぞれ半分にすれば概ね達成できる。足し算ではなく掛け算で考える。
省エネ(需要側)×エネルギーの炭素量(供給側)≒0.2
・家でもできる節電を実践している。自宅は「羽根木ハウス


小池ゆりこ代議士(元環境大臣、防衛大臣など)
豊島区議会議員 細川正博のブログ-小池ゆりこ衆議院議員

・「気候環境安全保障」という考え方。安全保障は、外交、防衛・軍事、社会保障、人口、エネルギー資源、食糧、気候変動…など広範に渡る。総合的に取り組まねばならない。
・北極海航路が出現したことによる様々な影響。
・原発54基が止まっている間に、追加分の化石燃料だけで3兆円。化石燃料の購入で20数兆円かかっている。燃やしてお終いのエネルギーを得るだけで、日本は20数兆円も海外へ支払っているという事実。新エネルギー開発と省エネはやらねばならない。
・日本中全ての電球と蛍光灯をLEDにした場合、白熱球の8分の1、蛍光灯の3分の2の電気使用量。合計16億個で原発13基分のエネルギーに相当。
・自宅「エコだハウス」での実践
・「大義と共感の政治 着眼大局着手小局」

講演後は対談。
豊島区議会議員 細川正博のブログ-対談

・新エネルギーの効率、太陽光は12%程度、風力で19%程度。
しかし、東京で考えると風力は殆ど役に立たない。太陽光が中心となる。
・洋上風力は漁業権、地熱は温泉地とバッティングするので、進めていく上では調整が必要
・地中熱発電も注目。10~20m程度掘ると効果があるが、今のところボーリングの費用が高いので中々導入できない。普及すると変わるかもしれない。
・ゼロか100という判断ではなく、できるところからやる発想。
・まずは省エネから。電力使用量を減らす製品への投資が必要。

中々聞きごたえのある講演会でした。
発想力が豊かな小池ゆりこ代議士に、理論的なところを補強できる専門家がついているというのはかなり心強いです。
政治家が官僚に取り込まれてしまうだけでは話になりませんが、政治家と官僚が力を合わせていけば、強力な推進力が得られるということを感じました。

「脱原発」と口で言うのは簡単ですが、どのようにやっていくのかということも用意がなければいけません。
現状で再生可能エネルギーのみで全ての電力需要を賄うのはムリな状況。
需要者側の省エネと節電の努力、供給側の炭素量の減少努力や原発依存度を低める努力、が必要不可欠です。

エネルギー問題は国の安全保障にも繋がります。
「見てもいないテレビをつけっ放しにしない」「熱が逃げないよう便器のふたを閉める」「必要以上のエアコンはつけない」「家電製品の更新の際には省エネタイプの製品を選ぶ」など、それぞれでできることがあります。
国民一人一人が当事者意識を持つことが、エネルギー問題に取り組むための第一歩です。