いよいよ視察報告も最後となります。
今回は米沢市の道徳教育の視察についてです。

【旧米沢藩の人物】
まず、基礎知識として旧米沢藩の藩祖と中興の祖にだけ簡単に触れます。

旧米沢藩の藩祖は、上杉謙信公の後を継いだ景勝公(関ヶ原の戦いで西軍についたため、越後から転封)
大河ドラマ「天地人」の直江兼続は景勝公の家臣。
「花の慶次」で有名な前田慶次郎利益も晩年は景勝公の家臣でした。

中興の祖として有名なのは、上杉鷹山公。
鷹山公は藩を手放す寸前まで財政的に追い込まれた米沢藩の建て直しをしました。
内村鑑三の著書「代表的日本人」(海外に日本のことを紹介するために書かれた英語の本)で、取り上げられている人物。
ちなみにジョン・F・ケネディが「日本人の政治家で一番尊敬しているのは、上杉鷹山公である」と言ったという話がありますが、これはルーズベルトの誤りだとのこと…(小野榮氏談)

なお、上杉神社には上杉謙信公のみが祀られており、近くの松岬神社に、上杉鷹山、上杉景勝、直江兼続、細井平洲、竹俣当綱、莅戸善政が祀られています。

【道徳教育視察】
まずは市役所で教育委員会にお話しを伺い、小学校へ移動。
小学校で簡単に道徳学習指導案のご説明を頂き、実際の授業を視察致しました。

米沢市役所
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教育委員会の方にお話しを伺いました。
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米沢市の道徳郷土資料「ふるさと 米沢の心」 小学生版(4~6年対象)、中学生版があります。
中身は郷土にまつわる昔話し、郷土から輩出した人物のエピソードなど。
上杉鷹山公の逸話が多く収録されています。
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教育委員会では、市の全体的な教育理念、学習指導の重点事項、道徳郷土資料集の狙いなどを伺いました。
・資料は昭和56年から導入されていて、当時から教職員・親含めて反対意見は出なかった。
・担当の取材と資料館の資料に基づき、手作業で作ったのが始まり。
・米沢の歴史と偉人は米沢の誇りであり、これを子供達に伝えるのは当然だ、という思いで作られた。
・教える教師は県の採用ではあるが、実際に市へ配属となっているのは米沢市出身の人が中心となっている。
 初任者研修では、地域として大切な人物である、細井平州(鷹山公の師匠)、上杉鷹山公のことを必ず教えている。

実際に学校の視察もしました。
視察団受入の表示
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授業の様子。この日は「草木供養塔」についてでした。
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教室にあるスピーカーの上を見ると、上杉鷹山公の像が掲げてあります。
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体育館に行ったら、左側に上杉謙信公。
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右側には上杉鷹山公が、やはり掲げられています。
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郷土の英雄として、完全に定着しています。
授業中、先生方も「上杉鷹山」と呼び捨てにすることはなく、「鷹山公」と呼びます。
子供たちも自然に「鷹山公」と呼んでいました。
そういえば山口県萩市でも吉田松陰の事を「松陰先生」と呼び捨てにしないと聞きました。

米沢市で日の丸・君が代について、問題になったことはあるか?聞いてみました。
答えは「全く問題になったことはない」とのこと。

自分達が歴史の縦糸の中に存在し、郷土の英雄がいたからこそ今の自分達がある、という先人を敬う気持ちがきちんと育まれている証左です。

郷土の英雄を通じて学ぶことで、郷土に誇りを持つことができます。
参考にしたい道徳教育でした!

【米沢織】
道徳教育視察後、伝統工芸品である米沢織の工場の見学に連れて行ってもらいました。
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編み方や生地の厚みによって、機織り機が異なります。
米沢織のネクタイも販売していました。
龍馬プロジェクトオリジナルのネクタイも作って頂く方向です。楽しみ♪
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地元を愛する素晴らしい職員と議員、美味しい食べ物、地域の偉人を本気で敬う住民、歴史と文化、世界最先端の技術を持つ研究室と教授。
人口が中々増えないという現実に直面していますが、工夫次第で伸ばすこともできる可能性を米沢市に感じました。

政策面で参考になる事が多く、龍馬プロジェクトの同志を増やすこともできた、実り多き視察となりました。
お世話になった皆様に感謝です!