9月24~25日、龍馬プロジェクトの政策研修合宿が京都にて行われました。
非常に豪華な講師の方々にお越しいただき、二日間みっちりと講義を受けてきました。

9月24日は木村先生、藤井先生、佐伯先生にお話しを頂きました。

木村俊昭先生
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木村先生は、まちづくりの専門家。著書に「「できない」を「できる!」に変える」など。

「自らの町を知る」ことから始める。意外と知らない魅力があることが。
食文化でいえば、例えばカレー。カレーといえば肉を入れるが、北海道のある町では肉がなくて、その代わりに家庭で作るカレーにアワビを入れている。
珍しいしおいしそうだから、商品化をしてみたら?と提案すると、「恥ずかしいからやめて欲しい」
自分の町に何もないのではなく、魅力に気づいていないことが多分にある。

書き出すとキリがないくらい、空き店舗の対策など町づくりのヒントを沢山いただきました。

藤井聡先生
列島強靭化論の藤井教授です。

デフレ脱却に向けた政策のご提案。
復興のための国債を発行し、足りないインフラの整備を今こそやるべき。
増税、TPP、公共事業削減、事業仕訳などはデフレに繋がる政策であり、今やるべきではない。

時代に合わせた政策を取るべきであるのは仰る通り、考えさせられます。

佐伯啓思先生
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京都大学大学院教授。
戦後の政治の流れ、米国との関係、グローバル化の効果、など幅広くお話しいただきました。

印象に残った話。
経済学は数学者が入ってきて流れが変わった。今の学生はマルクスやケインズをやらず、市場主義の考え方しか知らない人が多い。
それは、市場主義は数学で全て説明する考えだから。
マルクスは階級闘争、ケインズは官僚が政策をコントロールすること考えが入る、などどこかで数字だけで説明できないことが入るため、議論の時に押し切られやすい。
しかし、現実の経済は人間が行うもので数字だけで説明しきれない。
市場主義一辺倒だから、政府や国家の支配を小さく市場開放すればよいという発想になる。
レーガンの進めた新自由主義の流れ。
支配的な意見を疑ってかかるという発想が学生からなくなってきているのが問題。ものを考える教育がなされていない。

マニフェストは政治を行政に落としてしまうもの。
数年を縛るものでしかなく、もっと大局の話ができなくなる。
金をどこに配分するかなど、目先の話のみ。
政治は急な事象にも対処しなければならないもの。
選挙の時点だけの話にずっと縛られてはかえって良くない。

他にも沢山のお話をいただきました。
欧米の模倣で制度だけ日本に持ってきてもうまくいかないということも仰っておられました。
国家戦略が必要だということ、民主主義を成熟させるためには教育しかないこと、肝に銘じました。


ご講義を頂いた後は、講師の方も交えて食事。
食事後は打合せ。
そして夜は懇親会で語り合いました。
懇親会へはお忙しい中、三重県の鈴木英敬知事がお越しくださいました!

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鈴木知事も我々の同志、龍馬プロジェクト全国会の首長会の会長です。
今回の台風での危機管理対応についてなど、お話しをして下さいました。


9月25日は、我々と同世代の方々からお話しを頂戴しました。

今村岳司西宮市議会議員
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38歳にて既に4期目。なんと初当選から全てTOP当選!

政治家としての心構え、議員とは何か、地方分権時代の地方議員の役割など。

政治家の数は足りている。いくら過疎が進んでいる地域でも、「うちの地区は政治家の成り手がいないから都心部からなって欲しい」などというところはない。
しかし、これからの日本を創っていく政治家が足りない。
感情論(大衆)に惑わされる議員が多く、大衆を導けない。
情熱や熱さは必要条件ではあるが、十分条件ではない。
自らが使う言葉の定義をきちんとできるようにすること。これが曖昧だとぶれ易くなる。

何度も壁にぶつかったご経験から頂いた貴重なお話の数々でした。

松田馨社長。選挙プランナーが本業です
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選挙コンサルティングの専門会社「ダイアログ」の社長。
政治家の仕事は選挙ではない。手段に過ぎない選挙をプロとして手伝う。
なぜ立候補するのか、実現したい政策・政治は何か?などを必ず確認。これがない人の仕事は受けられない。

民間企業の立場として、キャリアデザインが短期すぎて違和感あり。
先の目標がない人が多い。4年間だけでなくその先も見据えてやることが重要。
地方議員を続ける、地元の首長、国政を担う、民間へ転身する、など選択肢があるはず。

当選する人の共通点…運、愛嬌、決断力があること
現職として気を付けること…悪目立ちをしない(議会でのパフォーマンス、自分一人でやったかのようなアピールなど。議会で浮くと結局政策が実現できない)、有権者に媚びない(勝つために何でもやる、という姿勢だと当選後の足かせになってしまう)、ネット上含めた失言、スキャンダル
ネット選挙は万能ではない。基本は実際にお会いすること。

選挙が終わったばかりでも参考になるお話しばかり。
手段である選挙に通るためだけの行動をとってはならない。
何をするために政治を志したのか、この順番を間違えないようにせねばなりません。

村山祥栄京都市議会議員。地域政党京都党の代表です
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地域政党についてのお話を頂きました。

世界の地域政党の流れ、日本での地域政党について。
今後30年で人口が1700万人減少、九州と四国が丸ごとなくなるほど。
地域間による人口争奪、企業誘致、観光の競争。
京都市は沢山の文化遺産を持つが、カネがなくて文化を保存できない。人が集まってカネが落ちる手段を考える。
関空から100kmある。国際的な観光都市は空港から30分でアクセスできないと集客力が落ちると言われている。
望むか望まないか別にして地方分権は進んでいき、地方は峻別されていく。その時に地域をほったらかしにしている政治家ばかりでは、その地方はダメになるだろう。

村山市議は自らを「地域至上主義」とし、京都がよくなることを考えて動いています。
地域至上主義でないとこの先生き残れないと考えているからです。
自分の地域だけよくなっても日本自体が沈没しては意味がない、という考えとは違いますが、実際に行動へ移している村山市議からは凄味を感じます。
歴史のある街であるが故、しがらみが非常にあるのが京都市です。村山市議には是非ともこれからもずば抜けた行動力と明確なビジョンを持って、既存の勢力に縛られない活動を続けていただきたいです!
村山市議とは学年は違いますが、同じ昭和53年生まれ(村山市議は早生まれで学年だと私より一つ上)。随分先を行っているな、と思います。私も頑張らねば!

豊島区は日本一の過密都市である、ということを村山市議に話したら「究極の勝ち組ですね」と。
しかし、過密都市ならではの問題も多く抱えており、人口集積だけが答えではないように思います。
いずれにしても、地方をどのような形にしていくか、というビジョンを持ちながら行動していかねば、都心部と言えど地域間競争に勝てないでしょう。
まずは自分たちの地域をよくしていくことを原点に、これをすることで日本を良くすることに繋げていきたいです。


二日間の研修会、期待よりも物凄く充実していました。
ここで得たものをただ「いい講義が受けられてよかったね」で済ますのではなく、今後の活動に繋げていきます。

※今村先生、村山市議の写真はくらかけまさひろ大分市議(龍馬プロジェクト幹事長)のBlogから拝借しました(くらかけさん、事後承諾お許し下さい