昨晩は、田口佳史先生の「新生100人会」でした。
毎月行っている勉強会なのですが、今回はその内容の一端に触れることで、私が実現したいと思っている規範形成教育の方向性をご紹介いたします。

田口佳史先生は、杉並師範館で理事長を務めるなどのご経歴をお持ちで、東洋思想を政界、経営者、教育者などへ教えている方です。
母親向けの講座もやっていて、私の家内も田口先生のご講義を頂いております。

新生100人会とは、いざという時に国家的リーダーを専門分野で支える100人を育成する目的で始まっております。
「日本を愛す」「日本を思う」「日本を守る」を全うするため、清く美しい流れの品格の源泉と鋭い感性と深い精神性の徳性の模範となって、実社会の中で実践し、感化させ、美風美徳の先導者となるべく、勉強をし行動するものです。
経営者、教育者、政治家などが集まり、田口先生のご講義を受けた後、討議をする場。
ここに参加すると、毎回"気付き”があります。

田口先生のご講義は「大学」でした。
大学とは、儒教の四書の一つです(「論語」「大学」「中庸」「孟子」)

何度も読んだ「大学」ですが、ご講義を受けてハッとするものがありました。

大学の冒頭は、
「大学の道は、明徳を明らかにするに在り。民に親しむに在り。至善に止まるに在り。」
とあり、この3つが「三綱領」といわれる目的の部分です。

「明徳を明らかにする」とは、立派な徳と言われてきたものを自ら身につけ発揮すること。
自己の最善を他者に尽くしきることです。
「民に親しむに在り」は、多くの人に交わること。
「至善に止まるに在り」は、最高善の境地にとどまること。

物事には本末があり、それを転倒させているようなことはないか?
始めに「得よう」としていないか?
得ることが目的ではなく、自己の最善を他者に尽くしきり、利害や損得ではなく「感謝の人間関係」を築くことが肝要。

私はこの本末転倒なことを考えてしまうことも多かったなと改めて反省。
他人の信頼を「得よう」としてもダメで、他人は自分の行動や態度をみていますよね。
見返りを求めるのではなく、自己の最善を尽くす、ということを心掛けます。


ご講義の内容を全てここに記すことは出来ませんが、その一端が垣間見えれば幸いです。
大学は江戸時代だと7つの子どもが取り組んだ書物とのことなので、ちょっと驚いてしまいます。
ご覧になって頂ければ感じると思いますが、小学校低学年程度の子が取り組むにしてはレベルが高い…


私がやりたいと思っている規範形成教育は、技能重視の教育から人格重視の教育へ転換していくことです。
規範とは日本人としての根本的な価値観。
この規範がバラバラになりつつあることが、今日の日本の問題であると私は認識しております。
中国古典はかつての日本人が親しんでいたものです。
規範をそろえる教育の時をしたいと思った時に、この中国古典は外せないと考えております(もちろん現代にそぐわない内容もあるので、取捨選択は必要ですが)。
この他に、日本の偉人についての教育をしていき、子ども達に先人を敬う気持ちを持たせたいです。

価値観の押しつけではないですよ。
物事には基本があり、基本があってこその応用です。
「型破り」なことをするには、先に「型」がなければいけません。
その「型」が規範です。

カリキュラムを作り実践して成果が出てくるまで時間は相当かかりますが、規範形成教育は私のライフワークともいうべき実現しなければならないと思っているテーマです。