注目の参議院選挙が終了し、政権与党に厳しい審判が下されました。
選挙前の予測よりも自民党が大幅に議席を伸ばし、
みんなの党が躍進した結果、与党は参議院では過半数を
大幅に割り込むこととなりました。
いわゆる"ねじれ国会"となりますが、
目先の政局ばかりに力を傾注することがないよう、
各政党には期待したいと思います。

第三極を狙った新党の結成ラッシュが選挙前にありましたが、
みんなの党以外は完全に埋没してしまいましたね。

今回は選挙の総括というより、
投票率に関してコメントしたいと思います。
投票率は最終的に以下の数字となりました。

2010年参議院選挙 57.92%
2007年参議院選挙 58.64%

今回は、日本の行く末を占う上で大切な位置づけの参議院選挙でした。
しかし、蓋を開けてみると投票日当日が悪天候に見舞われたとはいえ、
投票率は微減という結果に終わりました。

投票率が低いということは、国民の関心が低いということに他なりません。
しかし、本来自分達の未来を占う選挙に対して
ここまで関心が低いのはなぜなのか。
これは、政治が抱えている問題を国民一人一人が自分達の問題として
捉える事が出来ていないからだと思います。
政治への不信感からか、情報が足りないからか、
もっと自分達の問題として国や地方が抱えている問題を考えないと、
日本は浮上することは出来ないでしょう。

よく、「投票すべき人がいない」「誰に投票したらいいかわからない」
というご意見を伺います。
人々が思い描く最高の候補者がたまたま地元にいたら苦労はないですが、
大抵はそんなことはありません。
今の候補に納得がいかないのであれば、
自分達の仲間から代表を立てるのがよいのでしょうが、
そんな簡単な話でもありません。
であれば、よりマシな方を選んでいくことだと私は思います。
そうすれば少しずつマシになるかもしれません。
利益誘導をする発言をしている人に思ったより票が集まらなければ、
政治家は当選するために違うことに重点を置いた
訴えをするようになるでしょう。

投票率が下がると何が起きるのか?
固定票を持っている人が有利になるのです。
強固な特定の支持母体を持っている候補者が有利になる訳ですから、
そういった支持母体の影響を受けた政策が通りやすいことになります。

世代間の注目も出来ます。
若年層の投票率が低く、高齢者層の投票率は高い訳ですから、
当選することを考えた候補者はどちらの層を重視した政策を訴えるか
というのは自明の理です。

もう日本に残された時間は長くないです。
国債発行に頼った財政のあり方は限界が近付いております。
超高齢社会を迎える上で、
社会保障関連の歳出のあり方も構築し直さねばなりません。

政治家の本来の目的は、「よい日本をつくること」です。
特定の団体や支持層のために政治をやるわけではありません。

こういった本来の目的を忘れた政策のあり方が、
有権者の政治不信に繋がっていると思います。
しかし、これは鶏が先か、卵が先かの話です。
我々有権者もそれを政治家に対して許してしまったから、
バラマキ政策をやれば議席に繋がると
政治家に高を括られているのだと思います。
どの政党、候補者に委ねたいのか有権者の一人一人が真剣に考え、
投票行動を起こす。
そういう意識の変化が日本をよい方向に変えると信じております。

国政選挙は恐らく暫くの間はないと思いますが、
各地方選挙は行われていきます。
そういった場で自分達の意思を示すという行動を
それぞれに取って頂きたいと切に願います。