有名な三国志の名言ですよね。
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」
これは諸葛亮孔明という
蜀軍最強の軍師が病死した後も
死亡したことを知られないようにしました。
(死亡したということがわかれば攻め込まれるからです)
魏軍の司馬懿仲達は孔明の生死がわからなかったので
迂闊に手を出せずにいたのです。
それまで孔明の数々の奇策、トリッキーな戦術に
手を焼き、苦汁をなめてきた経緯があったので
司馬懿は孔明が病死した後でも、孔明が生きていると思い、
なかなか攻めることができなかったことで生まれた言葉です。
そんな経緯から司馬懿は臆病者などと呼ばれたらしいのですが、
司馬懿本人は
「生きてる人間の腹なら読めようもあるが
死んでる人間の腹は読みようがないじゃないか。
笑いたい奴には笑わせておけ」
と許したとか。
私は司馬懿がただの臆病者だったとは思いません。
この一連の流れからも
常に平静を心がけ、物事に対して客観的に分析し、
安全に判断しようとする姿勢が十分感じ取れます。
なんにせよ、最終的に勝利したのは司馬懿ですし、
司馬懿でなければ孔明に勝てなかったでしょう。
孔明の知略に対し、堅牢な体制を築き、
地味でありながらもかつ常に冷静で
着実に事をすすめることの大切さを
実践した司馬懿仲達だからこその勝利だったと思うのです。
三国志といえば
勇猛果敢な武将や、奇策や天才的な戦術、華麗さが際立つ軍師が取り沙汰されますが、
私にとってみれば司馬懿仲達が英雄的存在です。