思考や感情の奥深くに潜るのは私の持病には毒らしく、自然と思いを巡らすのは避けていたのかもしれない。気持ちよく脳を目一杯に回転させる、こういう感覚は久しぶりな気がします。
一人で行ったスタジオの帰り道、とても素敵な時間が流れていた感覚を、忘れないうちに書き留めておきたい。
午後4時半、堀川通のまだ高い西日に照らされた低い建物群、決して速く、多くはない車の流れ、一日の半分と少しを終えた人たちの色んな表情が、とても穏やかな景色を作り上げていました。そこをゆっくりと泳ぐように自転車を漕ぎました。
その穏やかな景色、時間の中に自分も溶け込んでいるのを感じて、「このまま歳とって死にてえなぁ」なんて思いました。
いつか何かの本で読んだ、もしくは映画で見たのかもしれない、ハッキリとは覚えていないけど脳裏に確かに焼きついた「理想」の午後の風景でした。
帰り道に見た景色はその理想とほぼ完璧に重なって、その何かしらの本か映画かのストーリーで見た気がする「幸せな一生」を感じさせるほどでした。
だから、その場にいた自分はその瞬間のうちに老いて、死にたいとさえ感じたのかも。
心の奥深く深く深くで、気がつかないうちに錆びかけていた感覚を拾い上げたようでした。たとえば、存在すら忘れていたタイムカプセルを見つけた時のような感覚でした。
近頃は、一年ほど前に立てたある目標のためにひた走る毎日で、それ以前のように脳をよく使い、よく思考し、何かを作り出すことがめっきり無くなってしまいました。脳を使わなくなったせいで、脳も栄養を欲さなくなっていたというか。
今日見た帰り道の風景、あれにはどんな音楽が似合うかな。普段は筆の遅い私ですが、こういう素敵なことがあると俄然思考は滑らかになります。
とはいえやっぱり今は時間に追われる日々なので、いつか物づくりに没頭出来る日が来たら、この気持ちを思い出したい。今日の出来事はここに備忘録的に記しておこうと思います。
今日の晩御飯、何にしようかな。明日は久しぶりに実家の店のお手伝いに行きます。明後日はいつも通りにバイト。来月は試験。毎日練習。
素敵な日々が続いていますが、まるでそんな日々を詰め込んだような午後の風景でした。