不思議な夢を見ました。


友人たちと空を飛んでいた。

真っ青だけどなんというか、青色にバニラアイスを溶かしたような、少し水色の海の上を小一時間ほど飛ぶと、気がつけば岸壁に沿って海面を滑っている。
時折水面に顔をつけては海の底を覗き、顔を上げて今度は空の青を見る。

左手には岸壁、右手には広い海が広がっていたが、やがて河口を経て川を辿っていく。
「ウミガメだ!」
向かい側から、真っ白に美しく、どこか神秘的に光るウミガメが数頭泳いできた。川だと思っていたが、どうやらまだ海の上にいるらしい。

悠々と揺蕩うウミガメたちを見送り、また水路を辿ってゆくと、今度は小さな車が見えた。水路はいつの間にか人の腰くらいの高さほどの深さになっていたようだ。
水に沈んで長く経っているようだが、朽ちているわけでもない。なにかの目印のように水面からひっそりと顔を出す車を横目に、すぐに陸へと上がる階段が見えた。

4,5段ほどの小さな階段を上ると、目の前に天井の低い、ギリギリ人が行き違えるほどのトンネルがあった。覗いてみると、小さな喫茶店だろうか、数個の扉と看板が中にかかっている。トンネルはそれほど長くはないようなので、扉の前を通り、身をかがめながらくぐっていった。

トンネルを抜けると、陽の光を反射して輝く白い小さな家々と青々と生い茂る木々が目に飛び込んできた。まるで人の手によって作られた庭園のように、可愛らしい佇まいのそれらは、人気もなく、静かに私たちを迎え入れてくれた。

木々の隙間、家と家の間の路地を抜け、まるで庭園のような村の中を歩く。階段が多い。とはいってもそれは小さなもので、目線の高さが少しずつ変わるたびに、見える景色も少しずつ表情を変えるようだった。

ふとした時に、茂みの中に隠すように作られた小さな白い門を見つけた。腰の高さほどの門を開け、その先に見える階段を降りる。まずは8段、そして踊り場を右に曲がり、次に7段。
そこは小さな広場だった。住民だろうか、初めてそこで4,5人ほどの人を見つけた。

視線の先のベンチに座る、ひとりのおばあさんに声をかける。「こんにちは、おばあちゃん。ひとつ聞いてもいいですか?」

「うん、もちろん。」
「ここはなんていう場所?」
「ここはね、ノン っていうんだよ。」
「そっか、ありがとう。」

おばあさんには足が3本あった。けれど不思議なことに一切の不気味さを感じなかった。優しい目で、優しい声で教えてくれた。

その広場には横道があった。そこを入ってゆくと、なにか商店街のような通りに出た。トンネルの中で見たような小さなお店ではなく、青色、黄色、薔薇色、淡い緑、色とりどりに飾り付けられた窓や扉のお店がひしめき合っている。
ショーウィンドウ越しに可愛らしいパンを焼く店や、奥に大きな窓があり、広い海を望むギャラリーなど、なにか絵本の中で見たようなその景色だった。どの建物にも灯りはついていないのに、まるで屋根の下にまで太陽の光がもぐりこむように、包み込むように明るかった。


解放感があるが入り組んだ商店街を右、左と抜けていくとまた海が見えた。これまでに窓の隙間から見たような海ではなく、それをもっと間近に感じるような拓けた視界と、砂粒がキラキラと輝く広大な砂浜が見える。
目の前の数段の階段を降り、砂浜へと降り立つと、足元から一対の足跡がのびている。それを辿って一度は波打ち際へ、そして波から離れて砂浜を左へ進んでゆく。

砂浜へは商店街から数段の階段を降りただけだったが、その段差は気がつけば背丈よりもずっと高く、崖と呼べるほどになっていた。もう商店街の様子は見えない。左手には岩壁、そして右手に広い海を望み、一本道となった砂浜を真っ直ぐ歩いていく。

小一時間ほど歩いただろうか、ついに崖が拓けた。そこには先程よりもさらに広大な砂浜が広がっている。視界いっぱいに広がる砂浜は、先ほどよりも強く太陽の光を浴び、輝いているようだった。

これまでずっと砂浜を一人で歩いてきたが、遠くには数人の人が歩いているのが見えた。そしてそのさらに奥には山があり、その麓には大きな真っ白い建物が見える。
この数時間の冒険の間、太陽はずっと頭の真上にいた。



夢なので知らない間に友人は居なくなってました。多分どこかではぐれた(適当)。