沢山ある大好きな曲のうち、こんな歌があります。
音楽に生かされて音楽に殺された少年が、最後に書き上げた詩。
理想と現実との葛藤に諦めをつけてしまった詩。
理想に生きると決めた1年間、そのリミットを迎えた瞬間に押し寄せる現実。
若いうちでないと意味がない。
今でないと意味がない。
ただ生き、歳を重ねるだけでは何の意味も持たないこの人生に、せめて一矢報いてやりたい。
私は凡人だから、生きながらにして偉業を成し遂げる天才にはなれやしない。
そんな自分にできる最後の足掻きだった。
生あるだけでは意味を与えられないこの人生に、私自身で意味を与えてやる。
他人の中に在る自分を、強烈に、鮮明に、そして美しく残しておきたい。
そうやって人の心に開けた穴こそが、私の生きた証明になるのだ。
凡人のこの小さな手で穿つ爪痕だ。
なんて情けないことだろうか。
だから凡人なのだ。
そうして散ってゆくことは簡単だ。
きっと私の知らない土地、時、いっそ今この瞬間、同じように散っていく夢もあるだろう。
そうして散った夢に果たして自分は何を感じられるのだろうか。
きっと何も感じないだろう。
その人生も何も知らない人間がどうやって人生に幕を下ろそうと、私には何の関係も無い。
最後に出した答までもが、私はつまらない人間だと、改めて突きつけてくるようだった。
ただ私の周りの、数少ない人々の心に穴を開けたとて、それが何だって言うのだ。
まだ自分は特別だと信じて疑わなかったあの日の自分は、きっと笑い飛ばすだろう。
いくらドラマチックであろうと、それが日の目を見ることがなければ何の意味もないではないか。
自己満足で死ぬことが出来て幸せか。
知ったことか。
死んだ後にどうなるかなんてどうでも良い。
私はこうして私の人生に意味を与えるのだ。
これ以上私を否定しないでくれ。
このままでは何をしても私は無意味ながらんどうになってしまう。
たった一人としても、その人が死ぬまでの間、私の人生には意味を与えられる。
それが深く、拭うことのできない大きな澱みであるほど、私は嬉しいのだ。
それは私にとっての愛だ。最高だ。
この人生に意味を与え、その上あなたからの愛を実感することが出来る。
そしてあのスターのように幕を下ろすのだ。
これ以上の幸せはないだろう。
だからそれを選んだ。
私に出来るのはそれしかないのだから。
こんなにも胸をえぐる歌に出会ったことがありません。