ワールドトリガーについて熱く語る など | 星屋画像工房ブログ

今回も読みに来ていただいて、どうも有難うございます。
ゴールデンエッグラーの攻略記事を書く予定だったのですが、まだちょっと打ち合わせが進んでおらず・・・
今はこちらから急かしたりせずに製作に集中して欲しいと思いましたので、予定を変更して好きな漫画紹介を今回はしていきます。


前にもお話したとおり、そのうち鬼滅の刃とかワールドトリガーとか好きな漫画作品についても語っていく予定ではありました。
意外なことに・・今までそういうことはしたことがなくて、というのもお話にそって紹介していく以上ネタバレは絶対に避けられないし「ネタバレはしたくないから詳しくは言えないけど本当にこれおすすめ!」っていうのは実はかなりの話術がいるのです・・・その漫画を読んだ時の感想じゃなくて感覚で表現しないといけないですからね・・・
例えばそう、料理に例えると・・とか、衝撃度で言うとどれくらい、とかかなりの語彙力と表現力が求められるんだけど私にはそこまでの技術はありません。
あとネタバレをするとしても、考察しなきゃわからないところもあるんだけどもうずっと前にその考察は他の人がしてましたよ、とか絶対あるだろうし。
 

「鬼滅の刃」とかコミックスの空きページに「大正コソコソこぼれ話」といって本編で語られなかった細かい設定とかが書かれてるんですが、
そんなふうに「あんたのその疑問は作者がとっくの昔に明かしてますよ」みたいなのを私が全部拾っててしかもひとつも忘れず記憶してるわけがないですからね。


けど「まだ読んだことのない人にはその作品の魅力が伝わるように」
「もう読んだ人にも新しい発見を伝えられるように」ていうの
これから自分がしていかないといけないことの一つなので・・。
なるべくまだ読んだことのない方にその面白さが伝わるように作品紹介をしていこうと思いました。

作品応援+自分自身の文章力特訓+作劇の勉強
が目的です。
来月以降、純粋に応援目的のブログも予定しています。
本来、自分が関わっていないコンテンツについて熱く語ったり応援したりはすべきことではないのですが、前回お話した通り「だからこそ」という逆説的な理由からそういうことも今後はしていこうと思って。

ただ先方様のご迷惑にならないようにある程度の線引きはしていく所存です。
 

さて。

ここまでが前置きの前置きな。

今回も本題に入る前に少しフリートークさせていただきます。
あんまり前置きが長々となっちゃうのもどうかと思ったのですが、大事なことだし、早めに言っておかなきゃ。ということで
もう少しだけ話させていただきますね。
・・・・まあ・・・・すでにもう読み飛ばしをされても仕方ない長さになってしまっていますが・・。

では。
6年ほど前になりますが、それまでのブログを全部消してアメブロをやめた時、当時はわからなかったけど6年くらい経って今ならわかることも少しあって、絵を描くことが好き、というのと、絵を見てもらうことが好き、というのは似ているようでもかなり違うものなのに当時の私はそのことに対して配慮が足りていなかったように思われて今では反省しています。

また、そのどちらがよりプロの世界に向いているというのも実は関係ありません。
どんなに頑張っても見向きもしてもらえなくて悔しい思いをしてしまう人もいます。
当時の私がまさにそんな感じですっかりすねていじけていました。

またその逆に、本人は誰にも邪魔されず一人で、もしくは趣味の合う仲間内だけで作品制作に打ち込みたいのに、知らない人から話しかけられたりしているうちにどうしても注目を集めてしまう人もいます。
そういう人が一番恐れるのは、望ましくない相手に自分の存在や作品が知られてしまうことです。
無断でどこかに転載されやしないか。趣味の合わないリクエストを要求されやしないか。
いや、本来なら趣味の合わない相手から話しかけられること自体がすでに苦痛なはずです。
自分の趣味がぜんぜん知らない他人から心無い批難や中傷を受けたりしないか。
たぶん。絵を描くことが純粋に好きな人ほど一人で悩むことは多いんじゃないかな・・。

それは一方で大勢の人から注目されたい、褒められたい、認められたいと悩む人と比べてどちらが高尚な悩みというわけでもないし、けなし合うようなものではないです。
絵が売れない、人気がなくてお金がない、これだって生き死にに関わる問題なのだから趣味と同じくらい深刻でやばい問題です。
ちやほやされなかったら死ぬのだから、ちやほやされることを最優先で活動しないといけない。
お仕事で絵を描いてるのなら注目をどれだけ集められるかが一番意識しないといけない点ですが、趣味の場合は。同じ趣味の人同士で盛り上がってるところになるべく違う趣味の人は入ってきてほしくないわけで。
目的がまるで逆なんですね。
けど盛り上がってるところだといろんな人が集まってちゃうし、かといって人が集まらないと寂しいわけで・・
あとこの2つの動機は矛盾するものではなく、もちろん「描くことも好きで、もちろん大勢の人に見てもらいたい」ていう人もいます。

ブリザードアクセルの主人公みたいなタイプですね。

フィギュアスケートは大好きなんだけど、それは自分が誰よりも注目されるためであってまず大前提として観客がいてくれないと何もかもが成り立たない、ていう。
 

当時のアメブロではあくまで深く狭く、同じ趣味の仲間内だけで楽しみたい、という方達が主流であったように思われます。


そういう前提のもと、ブログトップには「私が勝手に描いた一次創作絵に関しては悪用意図で無い限り当方に無断での転載を許可しています」としています。
著作権を放棄しているわけではなくてフリー素材としてどうぞ~という扱いですね。

二次創作に関してはうーん。無償でのファンアートで描いていく予定ですしオリジナルの方にご迷惑をおかけしない範囲内ならまあ・・・・と思われますが念のためご利用に関してはお声をかけていただけますと幸いです。

そして商業のお仕事で描いた絵で、許可を得て公開している画像に関しましてはご遠慮お願いいたします。


まあ。6年前のあの頃は何を描いてもうまくいかなくて荒んでいく一方でした。
人に対する配慮とか思いやりとか、もっとできていたら良かったのにですね・・。
今はその当時とまるで違ってSNSを更新しにくる暇すらろくに無いくらい忙しいのでそれでもまだ昔みたいに寂しい、俺は誰からも相手にされていないとか思っていたらアレな人ですね。
やることが多すぎるのとあとお金も要ることが多すぎて(クーラーが壊れたりとか修繕費が多い)もっと頑張らないとやばいから虚弱体質と体力不足でガス欠を起こすこともしょちゅうですが、このまま全力疾走で人生を駆け抜けることができたら幸いです。



で、お待たせいたしました! ようやくここから本題に入ります。

ええと。
漫画紹介の第1回、とりあげさせていただく作品は
ジャンプで連載中のSF戦争青春群像劇、
「ワールドトリガー」です。
もし長くなりそうだったら何回かに分けます。
ネタバレもちょっとあるけど、まあ気にならない程度には配慮します。


まず世界観はこんな。
近未来(と思われる)、日本人はネイバーと呼ばれる異世界からの侵略者と戦っていた。
侵略者の目的は人間の心臓の隣にある「トリオン器官」から生成されるトリオンエネルギーの強奪。
 

たったこれだけです。シンプル!


そして
何年か前に「大規模侵攻」と呼ばれる多くの犠牲者を出してしまった侵略をきっかけに、闘う力を持った若者達がのちにボーダーと呼ばれる対ネイバー戦闘組織を結成。
トリオンエネルギーを「トリガー」と呼ばれる武装に変換して戦う技術を得た。

主人公・三雲修はボーダーのC級隊員(訓練生)に所属する中学生。
ある日、異世界からやってきたネイバーの少年・ユーマと出会う。


ここまでが第一話です。
こんな感じでユーマがどうして日本にやってきたのか、
ネイバーであるユーマがボーダーである修とどういう関係になっていくのか、物語の序盤はそのあたりを中心に進められます。

と、いうのがこの作品の概要。
概要はあくまで概要であり、この漫画の魅力を紹介したことにはなりません。

で、
ここからは、この漫画の魅力を紹介していきます。
最大の魅力は「丁寧に組み込まれた伏線と、その回収の仕方」にあります。
とにかく丁寧。そして回収の仕方がひたすら華麗。
「気づいた人にしか気がつかない」ようにうまく演出しながらそれでも読んだ人のほとんどが気がつく程度の親切さで丁寧に伏線を張っていて、脳内でパズルが組みあがっていく快感をものすごく親切に与えてくれます。
もしかしたら本当に難解な作品が好きな人にとってはひどく物足りないかもしれませんし、おそらく作者の葦原先生はその気になれば「ごく一握りの人にしかわからない伏線の張り方」もできるのでしょうけど、それとは逆にあえて易しくする方向で作劇した。私はそう推察します。

たとえば
コミックスの4巻から再びネイバーによる大規模侵攻が始まるのですがその未来を自分だけ予知できるキャラがいて、

「この侵攻によって、最悪の場合は三雲くんが死ぬかもしれない」と予言するのですね。
ここまでで三雲くんの性格は徹底して、「自分のザコさも省みず自己犠牲をともなう正義感だけでできている」と描写されているので、ここでほぼ全ての読者は
「ああ・・・最悪でも三雲くんが死ぬ程度の被害ってことか」とちょっと拍子抜けするはずです。
ユーマにすら「俺ならゼロコンマ秒で倒せる敵ですらオサムは20回くらい死ぬよ」と面と向かってバッサリ言われるくらい修は弱いです。
そんな奴が自分を省みずに戦場に出たらそりゃあ・・・まあ・・・真っ先にやられるというものです。
言い換えれば、これからやってくる戦争はどんなに頑張っても修一人しか倒せない程度の敵しかやってこないということ。

ん? 大規模侵攻なのにそれっておかしくない? 小規模すぎない? と思うかもしれませんが、この漫画では「緊急回避(ベイルアウト)」という救命装置が登場するので基本的にボーダーの戦闘員達はどんなに激しい戦闘でやられても死にません。

どんなに大量の敵が攻めてきて、大砲でぶっとばされたり首をはねられても戦線離脱するだけで死にはしない、というルールなのでそれでも死ぬというのはお前どんだけ無茶しとんねん、という話です。

そして修は無茶しぃです。

他の人は基本的に無茶はしません。

「やばくなったら退く」

「勝てないと判断したら逃げる」

これが褒められるべき基本ルールになっています。

今は勝てない相手でも、状況が変われば勝てるかもしれない。

意地の張り合いで喧嘩してるわけじゃないのですから、戦略的撤退であったりだまし討ちであったり、とにかくずる賢く勝つことが最優先されるのですが修はちょっとそういうのに向かない性格です。

 

けど。
実際にその大規模侵攻が終わってみると結果は死者も行方不明者もがっつり出てしまう大被害。
三雲くんは重症を負ったもののなんとか一命をとりとめました。

なのに。
「これは俺が予知した結末の中じゃ上から2番目くらいにマシな結果じゃないかな」
未来予知をしていたキャラが言います。


このたった2つのセリフだけで、主人公・三雲修がいかに重要な未来を背負っているのかが語られることなく暗に語られているんですね。
どんな犠牲を払っても、三雲くんさえ生きていればベストエンディングは迎えられる。

読者の視点だと今はとてもそう思えなくても、この未来予知ができる迅さんがそう言ってるんだからきっとそうに違いない・・・・

彼にだけはその未来が見えていて、しかもその未来のために「自分がいついなくなっても大丈夫なように」という準備さえ始めているふしがある。

実際、この迅というキャラは圧倒的な実力を持ちながらも、直接主人公に力を貸すような描写は極力避けられています。あくまで間接的。そんなにも自分が重要視しているか弱い少年が身近にいながら、彼に直接力を貸したり与えたりはしないんですね。

「俺が守ってやる」とは言わない。

言わないけど間接的に見えないところで力を貸してあげる。

なぜか。

三雲くんには彼自身の役割があるように、自分には自分の役割がある。

遠い目で見てそれがベストな判断なのであれば自分の愛用武器を手放すこと(つまり弱体化)すらいとわない、そしてそこまでせねばならないほどの理由を三雲くんやユーマに見出している、と。

あと、あえて敵に自分の危険度を認識させて注意をひきつけようとしているふしもありますね。

三雲くんと行動を共にしないのは、あえて自分が危険な役割を率先して引き受けることで彼を危険から遠ざけようとしているのではないかとも思われます。

そんなドキドキハラハラ感を、この伏線に気づいた人は感じられるのです。

同時に、残酷なんだけど人の命の重さには差があるのだとも言っていて、本部に攻めてきた敵のせいで死者が出たという描写はさらっと軽く流されます。けどその一方で一般市民に被害者を出さないように、というのはめちゃくちゃ重要視されていて。市民の命>隊員の命なんですね。さらにそのはるか上に三雲くんの命の価値があると。この漫画の世界観が決してきれいごとじゃ解決しない残酷で殺伐とした世界だともわからされます。
そしてそんな殺伐とした世界だからこそ、理屈じゃない意地や感情のぶつかり合いや感動させるシーンがなおさら際立ってとても良いです。
意地でごり押ししたら根性で覚醒できてなんとかなりました、というよりもきちんと頭を使って作戦で実力差を覆しました、という方がだんぜん説得力は上です。
説得力、納得力というのをこのワールドトリガーという作品では最優先しているように私は思われます。


バトル漫画なんだけど、随所にこんな感じの謎解きが散りばめられていて頭脳バトルの非常に良質なものを楽しみたい方には絶対おすすめです。
「説明しなくてもわかるだろ、頭のいいやつだけついてきてくれ」で読者をつきはなしたりしない、推理探偵モノじゃないのですから10人読んだら10人とも謎が解けるくらいでこういうのはちょうどいい難易度だと私は思うのです。
悪い言い方をすると「アホでもわかる」なのですがそうじゃなくて・・・なんていうんだろう・・・・・
読んでくれた方全てに自分の作品を100%楽しんで欲しい、という作者の意図と苦心を感じることができるところに私はとても感動するのです。

しかも易しくしたせいで作品が幼稚になったり陳腐になったりなんてしていない。
むしろクールでかっこよくなっている。
実はこれが作劇においてはめちゃくちゃ高度な技術を要することで、もしあなたが物語の製作を目指す人ならその技術力の高さにも感動できます。
と、ワールドトリガーについてベタ褒めしていますが・・・・
今回は長くなりすぎてしまいましたのでここまで。
次回、つっこみ所というか・・・私が読んでいて思った疑問点を挙げていく予定です。

もちろん、ただつっこむだけではなくて私なりの解釈や推測で穴を埋めていきます。

ボーダーお金なさすぎ問題とか、

外国にもネイバーは攻めてきてるのか、

そしてボーダーのような組織は存在するのか、

記憶消去措置がなぜ必要なのか(どう考えても組織として闇がありすぎでしょこれ・・)、とか。

などなど。


では。
今回も長文ここまで読んで下さって感謝です。
趣味回ですので、コメントはどうか何卒ご遠慮お願いいたします。