イケメンヴァンパイヤ ーナポレオン・ボナパルト 2話 | 蜜柑のブログ

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私が密かにハマってるアプリのまとめ。

自分が選択したそのままを載せてるので

ご了承ください。

(あとで確認次第、修正する予定です)

 ※申請した後にメッセ
 送ってもらってもOKです。

無言申請は無効になります。

ボナ「・・・俺を、よく見ろ」

髪に触れている手に、力がこもる。

「俺はあいつらとは、違う」

視線を絡ませたまま、低い声が

鼓膜を揺らした。

「―――俺は、お前と、“同じ”だ」

「だから、その顔やめろ」

悠里「え・・・」

ボナ「怯え切った顔。意味なくそういう
   顔されると、苛立つだろうが」

「それに万が一俺がヴァンパイヤだとしても
 お前のことは咬まない」

ほー、咬まない方向で進むのね、これから。





選択)


根拠がないじゃないですか

信じられません・・・

本当ですか・・・?→選択






「・・・その言葉、本当ですか?」

ボナ「本当だ・・・、って言っても
   信じる気のないやつには響かねえか」

「まあ、俺は女としてお前に興味がないってことだ」

お前・・・結構言うなあ。

(なんだかすごく失礼なことを
 言われてる)

(・・・じゃなくて!ナポレオンさんは
 ・・・私と同じ人間ってこと?)

悠里「あの・・・っ」

(あ、あれ・・・?)

顔を上げると、目の前にいたはずの

ナポレオンさんの姿がない。

視線を彷徨させると、少し離れた場所から

声が聞こえてきた。

ボナ「なにぼうっとしてんだ、置いて行くぞ」

置いていくって・・・どこに行くの。

(いつの間にあんなに遠くに・・・!)

「ひとりでいて、誰かに襲われたいって
 いうなら話は別だけどな」

悠里「・・・っ、待ってください!」

この場にひとりでいたくない、

その一心で小走りに駆け出す。





混乱した頭を抱えたまま。






――・・・翌日、私は伯爵の私室の

扉を叩いた。





“真実”を知るために。

・・・けれど。





(・・・えっと、これは)

目の前にはフルーツたっぷりの

サンドイッチ、マドレーヌ、

そして・・・、

セバス「伯爵、紅茶をどうぞ」

サン「いつもすまないね、セバス」

ストロベリーの香りの漂う紅茶が

置かれていた。

悠里「あの、これはなんでしょうか?」

セバス「見ればわかるでしょう。
    右からフルーツたっぷり
    サンドイッチ、そして横に
    あるのは今朝、焼いた・・・」

悠里「そうじゃなくて!」

サン「悠里、君の用件を忘れたわけじゃあないよ」

伯爵は穏やかにほほ笑んで、

私の瞳を見つめる。

「君はこの屋敷と、この屋敷の住人たちに
 ついて聞きたいことがたくさんある」

「――そして、俺もキミにきちんと
 話しておきたいことがある」

悠里「伯爵もですか・・・?」

サン「ああ、砂時計が落ちるまでとはいえ
   君はもう立派なこの屋敷の住人
   だからね」

「だからこの場をセバスに用意して
 もらったんだ」

セバス「ええ、その通りです」

ただ単にお菓子が焼きたかっただけじゃ?

サン「“真剣な話ほど気楽に”だと
   思わないかい?悠里」

あ、ああそうすか。

目の前で微笑む伯爵は大人で――

私はただただ圧倒されながら

言葉を紡ぐ。

悠里「そうですね・・・」

「この場を用意してくださって 
 ありがとうございます、伯爵、
 セバス」

サン「いいえ」

「さ、少し長くなるけれど、話を
 始めようか。――紅茶を飲みながらね」






愛され度+4愛する度+4


・・・・・




―――こうして青空の下、

ピクニックさながら

私は真実を紐解き始めた。





サン「さて、何から聞きたい、悠里」

(たくさん聞きたいことがあるけど
 最初に聞くなら――)

悠里「この屋敷に住む人たちがヴァンパイヤって
   いうのは、本当なんですよね?」

サン「あれ、セバスから説明されてないのかい?」

セバス「はい。説明しようとしたのですが
    冗談だと言われ・・・」

悠里「ちゃんとあの時、否定してください!」

セバス「『真顔で冗談を言わないでください』と
    けたけた笑っていたのはあなたでしょう?」

悠里「そ、それは・・・・っ」

セバス「あげく人の真意も確かめずに
    呑気に私室に戻って行った」

えー、いつになく当たりが強いわw

「これでも私に非があると主張されますか
 ・・・?」

悠里「・・・・!」

(・・・もっとも過ぎて、ぐうの音も出ない)

押し黙る私を見て、伯爵が静かに笑う。

サン「なら、なぜ君はこの屋敷に住む
   人間がヴァンパイヤだ・・・
   なんて思ったんだい?」

悠里「昨日の夜、伯爵と別れたあと、
   偶然アーサーに会ったんです」

ここでもアーサーは後でお仕置き確定か。

「その時・・・」





アーサ「これ、さっき女の子から吸わせて
    もらった時に付いちゃってさー」

「面倒だよねぇ。血ってなかなか
 落ちないのに」




サン「・・・・なるほど。それでか」

セバス「アーサーさんのヤンチャぶりは
    相変わらずですね」

悠里「血を吸うことがヤンチャ・・・?」

サン「まあまあ」

「それだけで君は屋敷に住む人間が
 ヴァンパイヤだって信じたの?」

この流れだと屋敷の人間ヴァンパイヤじゃ
ねーよ、って感じだな。


悠里「え?」

サン「俺が見る限り君は、なかなか
   疑り深い子の様だから」

(・・・確かにそうだ。前の私なら、
 シャツについた血を見たらドッキリ
 だと思ったはず)

(だけど・・・)

悠里「あの扉を抜けてこの屋敷に入ってから
   信じられないようなことばかり
   起こってます」

「だけど、この目で見たことは
 確かに真実でした」

「さすがに、もう何が起こっても
 嘘だとは思えないんです」





・・・・・




この世界がどんなにあり得ないこと
 
だらけでも、受け入れる。

きっとそれが正解で真実なのだ。

――残念ながら。

サン「そうか。信じてくれるなら
   俺たちはありがたいけれどね」

全てを受け入れる気持ちで

紅茶をぐいっと飲み干す。

「キミの質問に答えるには、順を 
 追って話した方がよさそうだ」

「まず、偉人たちがどうやってこの屋敷に 
 来たのか・・・から話そうか」

悠里「私と一緒で、あの扉から入って
   タイムスリップして来たんじゃ・・・」

いいや違う、と言いたげに伯爵が

首を緩く振る。

サン「あの扉をくぐってここを訪れたのは
   “君だけ”だよ」

悠里「え・・・?それじゃ、みんなは
   どうやってここに?」

サン「彼らは、俺がこの手でこの屋敷に
   呼び寄せた」

「俺が提案した“ある条件”を受け入れた
 からね」

(ん・・・?んん・・・?)

悠里「えっと、すみません。よく理解
   できてないんですが・・・」

サン「それじゃあ、もう少しかみ砕いて
   説明しようかな」

「この屋敷にいる住人たちはみんな・・・」

「永遠に等しい時間を有するための代償と
 して、ヴァンパイヤになることを
 受け入れた」

悠里「永遠に、等しい時間・・・」

「彼らは、”何がしかの未練”を残したまま
 生を終えてしまった者たちの集まり
 なんだよ」

「例えば――」





伯爵がバトンを手渡すように

セバスに視線を送る。

セバス「そうですね・・・」

そういえばセバスって日本人なのに
なぜセバス?帰化したんか?







「アイザックさんは『より静かな環境で
 思索の時間を持ちたいから』」

「フィンセントさんは『絵画をもっと
 描いていたかったから』」

「太宰さんは・・・確か、『死んでみたら
 思ってたのと違ったから』でしたっけ?」

おい、太宰軽いな。

サン「そうそう。太宰は本当に可笑しな
   ことばかり言うよね」

(待って待って待って・・・)

悠里「今、死んだって言いました・・・?」

サン「うん」

セバス「ええ」

悠里「・・・っそれじゃ、この屋敷にいる
   人たちはみんな死んでるってこと
   ですか?!」

(だとしたら、みんなオバケってことで・・・)

血の気がさぁっと引いていく。

言葉を失ってしまった私を見て

伯爵はどこか可笑しそうにほほ笑んだ。

サン「正しくは、“一度人生を終えて
   この時代に蘇った存在”ってとこかな」

「だから今、悠里の目の前にいる彼らは
 死んでもいない、幽霊でもない」

「――ヴァンパイヤとして、
 ちゃんと生きているんだよ」




・・・・




セバス「つまり、この屋敷にいる住人は
    偉人でみんな生きたヴァンパイヤ
    ・・・ということです」

「理解出来ましたか?」

悠里「はい・・・・。なんとか」

(もはや理解するっていう次元を
 超えてる・・・)

(よし。今、出来ることは考えるよりも
 感じることだ・・・!)

ん?なんか壊れた?

サン「そうか。それなら、よかった」

悠里「ということは、セバスと伯爵も
   ヴァンパイヤなんですか?」

セバス「いえ、私はあなたと同じ人間ですよ。
    そしてあなたと同郷です」

悠里「・・・やっぱり日本の方だったんですね」

セバス「そうです」

サン「セバスは、この屋敷唯一の
   ヴァンパイヤじゃない人間だよ。
   俺が気に入って連れてきたんだよ」

あれ、ナポレオンは?

セバス「はい、伯爵からスカウトされたので
    俗を捨てこの屋敷に」

「私は一度死んでもいないし、
 偉人ではないので人間のまま・・・
 というわけです」

サン「ちなみにセバスって名付けたのは俺」

なんか今回このくだり軽いなw

「本名は佐藤秋彦、っていうんだ」

おもろいな、なんでセバスチャン。

(佐藤秋彦・・・意外と普通の名前
 なんだな)

(いやいやいや、そんなことじゃ
 なくて・・・)

悠里「それじゃ、伯爵は?」

(この手で偉人たちを呼んだって
 言ってたし、時代を行き来してるし・・・
 一体、何者?!)

サン「俺は――」

「秘密ってことにしておこうかな」

伯爵まで軽いわ。

悠里「秘密・・・」

サン「そう、秘密」

有無を言わせない瞳を前に、これ以上を

聞くのは無粋な気がした。

(あれ・・・?だけど・・・)






ボナ「・・・俺を、よく見ろ」

「俺はあいつらとは、違う」

「――俺は、お前と、“同じ”だ」








(それじゃ、あのナポレオンさんの
 言葉はどういう意味だったんだろう・・・)

サン「他にも何か聞きたいことが
   あるのかい?」

悠里「その・・・っ、ナポレオンさんの
   ことなんですけど――」

サン「ああ、ナポレオンね」

「――彼だけは、例外」

悠里「例外・・・?」

サン「彼と俺は契約を結んでいないし
   この屋敷に呼んだ覚えもない」

なんですって?

悠里「え・・・・」

勝手に住みついてるってことか?

サン「ナポレオンは、ある日突然この屋敷を
   訪れたんだ」

悠里「そんなことあり得るんですか・・・?」

サン「おや、あり得ない。だから俺たちも 
   驚いてね・・・」

セバス「しかもナポレオンさんは聞くと
    生前に未練も執着もないと仰るんです」

「ご自身でも、どうしてこの屋敷にいるのか
 ・・・」

これから紐解いていくってことか。

「なぜ、生かされているのか
 わかっていらっしゃらないのですよ」

悠里「どうしてそんなことが・・・」

サン「さあ、俺にも皆目見当がつかない 
   事象だよ。ただ言えるとしたら・・・」

「――世界が彼を失うことを拒んだ
 のかもしれないね」

いえ、全く分かりません。

「だからナポレオンは不完全な存在なんだ」

悠里「・・・不完全?」

サン「そ、彼は――ヴァンパイヤと人間の
   狭間にいる」

「ハーフって言えばしっくりくるかな?」

悠里「ヴァンパイヤと人間のハーフ・・・」

(だからあの時、“私と同じ”って・・・・)






?「――・・・おい」




・・・・・




?「――・・・おい」

聞き覚えのある声がしてふっと

視線を上げると、そこには・・・

悠里「ナポレオンさん!」

ボナ「人のいないところで、なんで
   勝手に素性ペラペラ喋ってんだ」

とか言ってるけど勝手に住み着いた
居候だからな、ナポレオン。


サン「ごめんごめん。まあ、いずれ
   知ることだから君が説明する手間も
   省けただろう?」

伯爵も扱いに困ってる模様。

「隠したいことなら、話は別だけどね」

ボナ「否定することがわかってるような
   物言いはやめろ」

ナポレオンさんはため息をつきながら

私に視線を向ける。

ちょっと今までのキャラとは勝手が
違うわ、居候って。


ボナ「お前、今日はひとりでフラフラ
   してないんだな」

割と失礼な物言いだし、
最初のイメージとかけ離れてる。


悠里「・・・っ、あれだけ注意されましたから」

ボナ「へえ・・・。意外と学習能力は
   あるんだな、お前」

え、君このアプリのセンターだよね?

むっとしていると、隣で伯爵が

薄く微笑む気配がした。

サン「ねえ、ナポレオン。俺からひとつ
   提案があるんだけど」

ボナ「・・・・なに」

反抗期の高校生か。

サン「砂時計の砂が落ち切るまで
   悠里のことを傍で守ってくれないかな?」

悠里「・・・・え?」

ボナ「あ?なんで俺が・・・」

しかも否定的w

サン「だってセバスを除くと、君が一番
   悠里に近い存在だ」

「それに軍人だし守るのは得意だろうと
 思ってね」

ボナ「後者は理由になってねえな」

「それにこの屋敷内は、注意を払えば
 そこまで危険じゃない」

悠里「注意・・・?」

セバス「屋敷の住人の中には、特殊な性質を
    持つ方もいらっしゃるので」

「ですが、みんな吸血行為に対して
 節操のある方ですよ」

一部除く。

サン「まあ、それはそうだけどさ、ほら
   好意は吸血衝動とイコールだからね」

悠里「・・・えっと」

セバス「要は、女性として好意を抱くと
    咬みたくなるということです」

悠里「・・・・っ」

サン「悠里はこの通り可愛いから、
   心配で仕方なくてねぇ」

とか言いながら伯爵噛んでたら笑う。

ボナ「・・・・・」

サン「それに――これはキミにとっても
   悪い話じゃないはずだよ」

ボナ「どういう意味だ」

サン「悠里も君も、この世界では異質な
   存在同士だ」

「一緒にいれば、どうして君がこの世界に
 来てしまったのか、その謎が解けるかもね?」

ボナ「・・・ったく、適当なこと言って
   要は厄介事を押し付けたいだけだろ」

あ、本人の前で言っちまった。

悠里「厄介事!?」

ボナ「お前は黙ってろ」

にべもない言い方をされ

言葉を飲みこんだ。

サン「それに最近、市街では物騒な事件も
   起こっていると聞くしね」

ボナ「・・・・・」

少しの沈黙の後・・・

ナポレオンさんはまたひとつ

ため息をついた。

ボナ「――わかったよ、引き受けてやる。
   たかが砂時計が落ちるまでの
   時間だしな」

さあ、これからどう変わるのか。

サン「さすがナポレオン。ありがとう」

ボナ「じゃ、そういうことで」

悠里「え、えっ!?」

ナポレオンさんは、そっけなく言うと

その場から立ち去ってしまう。

その後ろ姿を見送りながら

ハッと我に返った。

(お世話になるんだから、せめてきちんと
 挨拶しないと・・・)

悠里「あの、私、ナポレオンさんに
   言い忘れたことがあるので
   伝えてきますね」

「すぐ戻りますから・・・っ!」

サン「・・・?うん、いってらっしゃい」




足早に追いかけた先で・・・

深紅のマントはひるがえったのが見えた。

「ナポレオンさん・・・!
 待ってください!」

ボナ「・・・?」

乱れた息を整えながら

ナポレオンさんの瞳を見つめ返す。

悠里「・・・っあの、言い忘れていた
   ことがあって」

ボナ「・・・・なに」

悠里「ナポレオンさんにとっては
   厄介事かもしれないけれど、
   迷惑はかけないようにするので・・・」

「これから少しの間、お世話になります・・・!」

勢いよく頭を下げると

頭上からそっけない声が聞こえて来る。

ボナ「頭、上げろよ」

悠里「・・・?」

エメラルド色の瞳が、真っ直ぐに

私を射抜いた・・・――



ボナ「――俺もお前に、言い忘れた
   ことがある」





ミッションですわ。
親密度126100以上が必要です。

さ、クリア。

なんか意外と粗野な感じの
ナポレオンなんで
ちょっと戸惑ってます。

 

しかも勝手に住みついた居候。

 

これからどうなるのか楽しみやわw