9月3日 真夏のような猛暑の日 入道雲がわきたちます
摘果作業①からのつづきです。
例年より少し遅れ、
8月12日にやっと!
早生みかんの摘果に区切りがつきました。
梅雨が明けて、暑くなると
きつくて長時間作業ができず
真夏の摘果作業は
あせる気持ちとは裏腹に
いつも遅れてしまいます。
翌日、やっと次の
中生(なかて)温州の畑へ行く。
早生温州より低い場所にある。
畑も平坦で、早生の畑より作業がらくです。
中生(なかて)の「南柑20号」
という品種が植えてあります。
愛媛では昔から植えられていて
作りやすく良い品種だと思います。
早生に続いて収穫・出荷する
中生(なかて)品種は
農家的には色々ありますが
早生(わせ)よりは、皮が厚く、晩生(おくて)よりはうすい。
消費者からみた違いはそんなところ。
味は同じミカンですが、触感がかわりますね(^^)
休憩…
ご近所でいただいた自家製のぶどう。
この時期の果物は本当にありがたい。
とにかく最近の夏は暑いので
木陰での休憩時
冷たいお茶と果物類が最高のごちそうです。
雨の少ない瀬戸内海地方
夏はいつも、水不足を心配しますが
今年は、お盆ころ
台風の影響で、雨が降りました。
被害はあまりなくてよかったけど
その後すっきり晴れずに
8月下旬まで2週間ほど
梅雨のような天気が続きました。
雨が続けば、作業が遅れますし
夏の日照不足は
みかんの味に悪影響なので
これはこれで農家はやきもきします。
8月17日
雨の合間をぬって
同じ中生ですが、別品種の久能温州みかんの畑へ
栽培面積は早生と同じくらいですが
早生にもまして、実の量がすごい。
天気が悪くても作業ができれば
暑くないので、らくですが…
8月31日
しばらく雨で作業ができず
小雨の予報だったけれど、
しびれをきらして、
久しぶりに同じ久能温州の畑へ。
ここは樹齢30年くらいの木が多い。
人間の年齢でいえば、
働き盛りといえるんでしょうか。
30年前の大台風で
強風が、潮の雨を降らせたところ。
昔から植えてあった
晩生(おくて)温州みかんの大半が枯れた畑です。
写真ではわかりにくい
かもしれませんが、
海からはかなり距離があります。
その海から台風が潮をまきあげ
ここに降らせていった。
自然のパワーはすさまじい。
潮の雨をふつうの雨と勘違いし
直後の対策をしなかったのですね。
雨がいっしょに降ってくれれば
塩害はおこらなかったのですが…
しばらくして
みかんが枯れ始め
あたり一帯は赤茶色の
枯れ山になってしまったようです。
当時関東にいた私たちは
その様子を知らないのですが。
今回の台風19号の被害も
ひどかったようですね。
その枯れたみかんの後に植えたのが
この久能温州になり、30年の月日が経ちました。
平成のはじめ頃のこと。
でも、なかには運よく枯れるのを
免れた木もありました。
この枝が地面にたおれている木も
生き残った木。
樹齢90年近いもののようです。
(倒れたのはゴマダラカミキリの食害による)
虫の被害で年々枯れて
減ってはいるのですが
畑にまだ10本ちょっと残っている
貴重なものですね。
古い木になる実は
根が大きくはっているからか
若木よりもおいしい実がなります。
8月後半から2週間続いた雨空も
9月に入るころ、やっと回復。
しかしまだ、大気に湿気が多く
こんなけしきが見られました。
9月3日朝
山や島影が、もやにかすむ。
作業の手をとめ、写真を撮りました。
こんな時、望遠機能のあるコンデジはよいですね。
豆つぶほどにしか見えない船も
こんな風に見えます。
少しレンズをそらすと、みかんがこんなにアップに。
この日(9月3日)は
雲が刻々と変化し美しかった。
湧き上がる入道雲を望遠でアップに
↓
9月に入って
むしろ8月より暑いかも
という日が数日続きました。
スイカを持っていきました。
皮をカットして入れるとたくさん入ります。
実際の色は、もっと赤くておいしそうなのですが…
この、cannonのコンデジ
望遠30倍の機能はすばらしいけれど
価格がおさえられているぶん
どうしても色が暗く彩度がおちる時があります。
彩度や明度をあげられる
機能がついていますが、
イマイチ本当の色と違います。
赤系(熟れたミカンなど)がリアルに出ないので
(おいしそうな感じが伝わらないので)
収穫時期のミカンを撮るにはむきません
9月4日の雲
望遠でアップに。
9月6日の雲
きれいな雲がたくさん見れましたが、
この時期、あまりの暑さで、
みかんの実にヤケが発生。
実のヤケドのようなものですが、
皮が硬くいたんだり、
やがて、茶色になって腐ったりします。
摘果作業は、
そんな実も含め、キズのあるものや
規格外になりそうな大きさの実を落としていきます。
この久能温州みかんは、
玉太りがよい品種です。
在来種とオレンジ系のミカンを
かけあわせたもので
昔はなかった中生の品種です。
樹勢が強く、実がたくさんついた年は、
木が重さで折れるほどに
実が太り、収量もあがります。
ぶどうの房のごとくついた実
他の品種は、ここまでかたまって実がつくと
こんなに大きく育たないです。
しかし、実がつきすぎると
そのぶん翌年は
木がお休みして実をあまりつけません。
なので、できるだけ
今季の木の負担を減らしたくて
摘果作業をあせっているのです。
これは、まるまる1本の木からもぎ落としたもの。
この時期になると、
かなり大きいものもあって、
もったいないですけどね~
実のサイズを測る道具(ノギス)
出荷できる実のサイズは、ミリ単位できまっています。
最初は、意味がわからず、
めんどうで
摘果作業なんてキライでした。
直径5㎝(ssサイズ)と7㎝(Lサイズ)・9月1日
時期やその年の天候などで
微妙に変わりますが
これより小さすぎたり大きすぎるものは
もぎ落す目安になります。
もちろん、作業時は
いちいち測ったりしません(^^)
表年は、忙しいけれど
たくさん実がなって
美しいみかんの盆栽木を作るごとく
木に実をバランスよくもぎ残していけます。
いらない実や枯れ枝を落とし
すっきりと木が整っていく
私は、この作業が好きです。
摘果作業と並行して
今年は、害虫(ヤノネカイガラムシ)の
寄生した葉っぱを落とすのにも、時間をとられました。
白く見えるのがそうです。
木や葉の汁を吸うので
ふえると、葉が枯れ、木が弱ります。
成虫は紫色のゴマ粒くらいの大きさで
オレンジ色のみかんに張りついていますが、
お店にはあまり出回らないし、
消費者の方は虫だと思わないかもしれませんね。
9月28日
やっと、摘果終了!
2年前の豊作年より、1週間遅れてしまった。
最後に畑の全景をふりかえる。
9月(私は)ほとんど、
この畑ですごしました。
150本くらいは、植わっているかなぁ。
畑の勾配と木が低いので
早生の作業よりは、らくな畑でした。
10月6日
早生みかん畑
摘果最終仕上げを終える。
左・伊予柑、右・早生みかん
わが子は小ぶりながら立派に成長していました。
ひと月以上畑にいかなかったので
草はりっぱに成長してボーボー。
しかし、摘果した実は
去年までとは違って
思ったほどは大きくなっていない。
あれだけ頑張ったのに…と少し落胆。
あと2~3ミリ太ってくれれば
一つ上の階級(価値が上)
になる実が多い。
まだ、収穫までに日にちはあり
太る可能性はあるのだけれど…
今年は雨不足で、
玉太りが悪いようです。
自分の努力を超えた原因は
どうしようもないですね。
ミカンは、色がつきはじめたものもある。
喉がかわいていると、まだ酸っぱいけど
けっこうおいしく食べれます。
すでに極早生品種は
店頭にならんでいますが、
早生みかんは、
11月に入る頃から出荷が始まります。
10月6日、早生みかん畑から
仕事を終え
海をながめる夕方。
わき立つ雲もほんのり染まる。
↑
堤防にイソヒヨドリが、一羽
9月10日 canon SX710 HS 望遠で
雲の上には白い月
澄んだ空に
秋を感じる夕暮れでした。