迷いも悟りもしないんです、今のインテリは。


これが一番意味のない人間なんです。


本当に迷えばなんかです。本当に悟ればもちろんなんかです。


だけどどっちもしない。


またする気もないんだから人生の意味ってものが生まれようがない。


講演信じることと知ること、48:29

柳田は現代人を、山の神々との深刻な交渉がなければ成り立たなかった山人の生活に引き入れようとした。


神を信じるということは、実際的な論理的な頭の活動からは生まれない。


どんな太古の人も文化というものを念頭になくして生活はできなかった。


人間という種がこの世に生まれた時に一番大事なことは文化だった。この人生の意味と価値を知りたかった。


山人の狩りという実際的な論理的な精神の活動だけでは、どうしてもこの人生の価値や意味を生み出すことはできない。


そういう活動には限界がある。行くとこまで行けば、その先はダメなんです。


その先は神を信じないと、そういう意味は埋まらない。これは現代も同じだ、と柳田さんは言いたいのです。


小林秀雄講演、信じることと知ること






インディアン、


見てごらん、白人がいかに残酷そうに見えることか。


彼らの唇は薄く、鼻は鋭く、その顔は深いシワで歪んでいる。


目は硬直して見つめており、白人たちはいつも何かを求めている。いつも落ち着かずジッとしていない。


我々インディアンには彼らの欲しがっているものがわからない。


我々は彼ら白人を理解しない。彼らは気が狂っている。


ユング、どうして白人たちがすべて狂気なのか?


インディアン、彼らは頭で考えると言っている。


ユング、驚いて、もちろんそうだ。君たちインディアンは何で考えるのか。


インディアン、心臓を指して、ここで考える。


ユング、私の生涯で初めて誰かが私に対して真の白人像を描いてくれた、と私には思えた。


高橋巖 ユングと神秘学1-1


今では白人だけでなく、近代化された非白人も、皆残酷そうに見えるのかな。