彼らの歌を聴くうちに、その歌詞の世界観を、メロディやリズムにのる日本語で再現したいと思うようになりました。

中国語は入門編レベル。個人で歌って愉しむための日本語訳。間違いが見つかりましても、笑って目を瞑っていただければ幸いです。曲のメロディやリズムに合わせるため、個人的解釈の意訳が含まれます。音源をお聞きになりながらお読みくださいましたら、とてもうれしいです。

 

 

 

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Yiboくん お誕生日おめでとうございます。

飛躍の一年を疾走し、これから始まる一年はどのような姿を見せてくれるのでしょう。

あなたのご健康とお倖せを、心よりお祈りいたします。

 

海のこちら側の小さな沼の、端の端の片隅からのささやかなプレゼント。

Zhan Zhan の『尚好的青春』を、日本語にしてみました。

 

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ドラマ『陳情令』で私が出会った Xiao Zhan と Wang Yibo。

中国のエンターテインメントをまったく知らなかった私は、ふたりを “時代劇俳優” と思っていました。

彼らがアイドル出身であることを知り、初めて YouTube を検索しました。

 

今でもふしぎなのですが、その時に見たのが、2019年11月10日の「湖南卫视嗨爆夜(苏宁双十一晚会)」のふたりのパフォーマンス。

Zhan Zhan は歌、Yiboくんはダンスでした。

 

なぜ、これが YouTube の検索のトップに出できたのか、とてもふしぎです。

あるいは、幾つか上がった動画の中から、私がこれを選んだのかもしれません。

記憶が曖昧で、思い出すことができないのです。

この動画を見る以前のことを忘れてしまうくらい、感動的なパフォーマンスでした。

 

Yiboくんのダンスを先に見たことは、はっきりとおぼえています。

今、考えると、初めて見た彼のダンスがこの動画だったこと、奇跡に思えます。

それほど、この Yiboくんのパフォーマンスは私好みでした。

あの藍湛が、このダンス!

ダンスも、ファッションも、ビジュアルも…。とっても好み。

完璧に射貫かれてしまいました。

 

そして、Zhan Zhan。

心洗われる天使の歌声と、初々しく、あどけなささえ感じる笑顔。

やはり、心を鷲づかみに…。

 

この時には Yiboくんがあんなに若いとは知りませんでした。

Zhan Zhan が彼より6つも年上だとは思いませんでした。

 

Zhan Zhan のこの表情を見返すたびに、前世の魏嬰みたいと思ってしまうのは、私だけでしょうか。

現在のふたりが大好きです。

昔のほうがよかったなど、まったく思いません。

ただ、この時彼が歌った『尚好的青春』の歌詞のように、「二度と戻らない」時を感じます。

 

初めて見た時には、歌詞の内容や Zhan Zhan がこの曲を選んだ気持など、何も知りませんでしたし、気にすることもありませんでした。

彼が自分の考えで曲を選ぶことを知った頃、この曲の歌詞の内容をざっと辿りました。

そして、この曲が「失われた青春」を歌っていることを知りました。

最後のフレーズの意味が「あなたに捧げた愛は海に沈む石 青春はあっという間に過ぎゆき、二度と戻らない」ということも。

 

その時の私には、なぜ、彼がこの曲を選んだのか、わかりませんでした。

とてもせつない曲を、なぜ、こんなに愛くるしい笑顔で歌ったのか。

 

このイベント同台では、さまざまなドラマがファンによって語られています。

どれがどこまで真実なのかは、個々の判断で決めればよいと思っていますし、私はあまりそういう真偽にはこだわらないのです。

ただ、歌う Zhan Zhan の表情を見て、彼がなぜ、この曲を選んだのか、その後もずっと気になりました。

 

あらためて歌詞と対峙すると、歌詞の表現には幾つか難解な部分がありました。
いつも孫引きは避けているのですが、今回は参考までに英訳もあわせて読み、確認しました。訳文としては、私が読んだもので間違いがないようでした。

けれど、歌詞の世界観をつかむには、ピースが足りない。理解するには、この難解な部分を読み解かなくてはならない。

 

私では歯が立たない…と、あきらめかけた時、Zhan Zhan が原唱の Stefanie Sun(孙燕姿)さんのファンであること、この曲がアルバム「克卜勒/Kepler」の中の一曲であることを知りました。

多くのファンの方が既にご存じというような “今更の情報” を頼りに、孙燕姿さんの MV を拝見しました。

 

謎のすべてとは言えませんが、多くが解決し、私の視点も定まりました。

それだけではなく、この孙燕姿さんの MV には「びっくり!」な発見もありました。

Zhan Zhan も見たはずの MV。なぜ、私はこれをもっと早く見なかったのかしら…。

 

このことは、後ほど語ることにいたします。まずは、Zhan Zhan の心洗われる歌声を。

 

 

 

 

◆ 拙い訳です。無断での転載はご遠慮願います。  

 

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この曲の歌詞は、普通に読むと、とてもせつないです。

しかも、最後のフレーズは、「あなたに捧げた愛は海に沈む石 青春はあっという間に過ぎゆき、二度と戻らない」。

 

それを私は、「愛は海に落ちた小石 青春は今もそのままに」と、日本語にしました。

かなりの意訳ですので、賛否分かれるご感想をいただくことになるかもしれません。

いつも、メロディに乗る日本語ということで、どうしても文字数の制限があり、意訳は避けられないのですが、今回はそうしたもの以上の個人的解釈となりました。

 

海に沈んだ石はどうなったのか。

それを考えた時、石は波間に消えたとしても、きっと深く沈んだだけで、底に在りつづける。

人間の一生の僅かな時間では、砕けて皆無になることなどない、と思いました。

青春も二度と戻らないけれど、その小石のように、心の底に在りつづけるものなのではないか、と。

せつない言葉が並ぶ歌詞。

けれど、歌詞の世界観はそれだけではないのではないか、そんなふうに思いました。

 

作詞家の方の深いお考えを伺うことができたら、どんなによいでしょう。

でも、それは叶いません。

 

悩む私の背中を押してくれたのは、孙燕姿さんの MV でした。

初めてこの MV を見た時、私は思わず涙を流していました。

Zhan Zhan の気持の幾分かを見た気がして…。

 

もちろん、彼の真意を、私は知りません。この先も知ることはありません。

ですから、私の勝手な解釈。勝手な想像です。

ふと、待っていたのはどちらだろう…と、待ってもらっていたのは…。

あの笑顔に、そんな思いが浮かんだのです。

 

 

孫燕姿『尚好的青春』 MV

 

 

この MV の最後に出てくる中国語(繁体字)のふたつの文章は、

「當初,為什麼註定要分開呢?」

「後來,為什麼又會在一起呢?」

意味は「当初、なぜ別れなければならなかったのか?」「その後、なぜ彼らはまた一緒にいるのか?」

 

そして、私が、いちばんドキっとしたシーン。

過去の若いふたりが掌に星を書いて、手を重ねるシーン。

どちらも右手、同じ位置に☆を描きました。

 

けれど、もし、タトゥを入れ合うならば、鏡合わせの位置、つまり、それぞれ左右逆の同じ辺りにするだろう、などと、またまた勝手な想像をしました。

躰を重ねたら、タトゥも重なる。

私が物語を描くとしたら、そう設定すると。

 

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Zhan Zhan が歌う「嗨爆夜」の『尚好的青春』。

私が好きなのは、リハーサルでの歌唱です。

観客を意識することなく、ただ、歌に向き合っている Zhan Zhan。

 

 

 

 

最後に、私を射貫いた若き Yiboくんのパフォーマンスを。

 

 

 

 

あらためて見ると、若さでギラギラしていますね。

早く大人になりたくて、階段を一気に駆け上がろうとしている野心も見える。

一段一段が尋常ではない高さの急な階段を、つぶれるどころか、一段飛ばしで駆け上がっていった Yiboくん。

今では、自信に溢れ、焦燥の片鱗は微塵も見受けられません。

それどころか、背中で語ることができる素敵な大人になりました。

 

お誕生日を迎えても、彼はまだ26歳。20代半ばです。

この類いまれな人を測るものを、凡人の私は持っていません。

ただ、ただ、遠くから仰ぎ見て、感動をいただいています。

Yiboくん、私が生きるこの時代に、生まれてきてくれて、ほんとうにありがとう。

 

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上の写真のバースデーケーキは、実は私のお祝いの時のもの。

好みのものを戴くとなると、私はどうしても和食になってしまうので、誕生日には洋食を、というのが、この十年ほどの家族のルールになっています。

たまには緊張感のある場でナイフとフォークを使っておかないと、包丁を使う感覚でお肉を切ってしまったりするので。

 

今年はフレンチと話していたのですが、家人が予約していたのは、なんと、アマンホテルのイタリアン「アルヴァ」でした。

Yiboくんがアマンホテルに泊まったり、来日でのいろいろがあり… etc.

 “遠くに仰ぎ見る” 非現実世界の人が、一瞬とはいえ、現実世界のよく知る空間に存在していた。

そんな場に、私は恐れ多くて、しばらくは行けそうにない、など言っていたので、ショック療法で強制的に連れていかれました。

とはいえ、私はこちらのイタリアンが大好きなので、ショックも難なくクリア。

お天気にもめぐまれ、遠くに富士山も見ることができ、夕空から都会の夜景へと刻々変化する風景を眺めながら、美味しく、すてきなバースデーディナーを過ごすことができました。

 

誕生日当日あたりは暑いというので、毎年、かなり繰り上げで7月に。

お祝いしてくれる人の都合優先なので、いつもお任せです。

夏休みだし、暑くて食欲は落ちるし、こどもの頃から8月生まれをうれしく思ったことはないのですが、今年はYiboくんが「獅子座の皆さん、お誕生日おめでとうございます」と言ってくれましたので、獅子座でよかったと思いました。

 

 

王一博 生日快乐~☆