今日6月27日は、『陳情令』放送3周年の記念日。
ドラマが放送された日を、制作側ならばまだしも、視聴者側が毎年お祝いするなんて、この世の中にあるとは思っていませんでした。


ほんとうに驚きます。このようなドラマがあること。そして、私もお祝いの気持でいること。


このblogには、私感を綴ることを控えると決めていたのですが、お祝い気分で、ちょっと書きたくなりました。

薛洋、江澄と思い込みをたっぷり綴ってしまい、箍が外れたのかもしれません。(私感を語りだすと、ついつい熱くなってしまって、深い羞恥に陥るのです)


ドラマ『陳情令』の英語タイトル『The Untamed』は、「无羈(無羈)」の英訳ですね。

主題歌のタイトルである『無羈』という言葉が、このドラマにとって大きな意味があることを物語っています。
 

「羈」は日本語の音読みで「キ」、訓読みでは「おもがい」「たづな」「たび」「つな(ぐ)」「とりし(まる)」などと読み、意味は、


 ①おもがい。馬具の一。くつわを飾るため馬の頭からほおにかけてからんである組み紐または皮の装具。
 ②たづな。馬を御するため馬のくつわに付けた綱。
 ③きづな。つなぎとめる綱。ほだし。束縛。わずらい。
 ④つなぐ。つなぎとめる。束縛する。拘束する。
 ⑤ひきしめる。しめくくる。とりしまる。
 ⑥たび。「羇」に通ずる。 
(大修館書店「新漢和辞典」四訂版より)
 

この「羈」という文字に、誰もが意味を知る日本語でもある「無」の文字が付いて「無羈」。
中国語がわからなくても意味を察することができます。
(日本語に漢字があってよかった!)

 

「無羈」の二文字を見ると、思わず、あの丘の上での別れのシーンが浮かび、私の脳裡には『無羈/忘羨』曲が流れ響きます。(続いてあのシーンのBTSも流れ出します…)
 

ドラマやイベント etc. 数々の『忘羨』曲シーンがありますが、ドラマ第14話「暗黒の剣」で、怪我を負った魏嬰を藍湛が介抱する場面。魏嬰に「何か歌ってくれ」と言われた藍湛が『忘羨』を歌うシーン。


画面には、運命の邂逅から藍氏の座学、天灯の誓い、藍翼への志継承の誓いと、ここまでのお話の過去映像が次々と流れます。

反発し合いながらも惹かれ合い、ふたりが同じ志を持つことを確認し、距離を縮めて知己になっていく過程が描き出されます。
 

そして、魏嬰に曲の題名を尋ねられ、藍湛が「忘羨」と答える。

魏嬰の朦朧とした意識では、その声は聞こえず、視聴者は藍湛の唇の動きで、それが『忘羨』と知る。


「忘羨」と告げる時の、魏嬰を思いやる藍湛のアップがとてもうつくしく、とてもすてきな場面です。

 

ドラマのエンドロールでは、主題歌『忘羨』と書かれています。

OSTのCDでは『無羈』なので、日本独自なのでしょうか。


『忘羨』というタイトルは、忘羨ファンの心を熱くしますね。

ダイレクトな「ふたりへの想い」。

前世のふたりのキャラソンのタイトルにふさわしい。


16年後の彼らのキャラソンには、『無羈』というタイトルのほうが合うように感じます。

そこにあるのは、彼ら「ふたりの想い」。

他者には計り知れないふたりだけが知る想い。


同じ曲なのですけれど…。
そして、あらためて「無羈」という言葉を深く考えずにはいられなくなるのです。