獅子座2度(獅子座1度0分〜1度59分)

(日本語訳)
獅子座2度 おたふく風邪の感染

これは、個人の能力が完全に手に負えなくなること、そして自己が目先のニーズや究極的な利益(あるいは興味に対して生き生きとしていられなくなるたびに逃避的な考えに瞬間的に惹かれることの象徴である

逆転した象徴的意味はあらゆる生ける精神に課せられた絶対的な必要性——日常的な状況で遭遇するあらゆるものの実用的な重要性や、本質的な有用性に対する情熱的な感受性を、何とかして保持すること——を強調している。ここにあるのは、鋭敏な感受性を備えた生命である。

キーワードは “infection(影響、感化)” である。

プラスの場合、現在の出来事への参加の基盤として絶え間なく自己を表現する

マイナスの場合、経験を避けようとする必死の努力による自己不全(状態)への後退がある
原文
LEO 2  An epidemic of mumps 
This is a symbol of personal capacities wholly out of hand, and of the momentary appeal of escapist ideas whenever the self fails to remain alive to its own immediate needs or ultimate interests. The reversed symbolism emphasizes the absolute necessity laid on every living spirit, that somehow it retain a passionate sensitiveness to the practical import or organic usefulness of everything it encounters in its everyday situation. Here is life poised in sharp susceptibility. The keyword is INFECTION. When positive, the degree is continual self-dramatization as the basis for participation in current affairs, and when negative, retreat to self-deficiencies in a frantic effort to avoid experience.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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獅子座2度 おたふく風邪の伝染


この度数の人には、高揚した気持ちを周囲に伝播させてしまう性質があります。強制的に周囲を巻き込む性質があるので、しばしば行き過ぎになりがちです。自覚的になればこのような事態にはなりにくいのですが、多くは無自覚でしょう。


 サインのはじまりの1度がスタートだとした時、たいてい2度は周囲の環境からのリアクションを示します。
 獅子座の1度で、激しい火の活力が内面からわき上がってきた時、当人はそれに対して冷静に対処することは不可能で、その影響力をそのまま周囲に伝播してゆきます。冷静さを失った活力は周囲の冷静さをも奪い、あたかも集団ヒステリーのように周りを巻き込んでゆくことになるでしょう。それは楽しいドタバタでもありますが、時には深刻な事態を引き起こすこともあります。
 人と人は、はっきりと目で見えるコミニケーションよりも、もっと磁力的な共鳴をしあって生きていますから、獅子座1度の人が登場し、その力を自分でも十分自覚しないままにまき散らした時、周囲の人は自分でもどうしてそうなったのかわからないような状況に巻きこまれるのです。たいてい感情的な反応なので、冷めてみると、バカなことをしてしまったと思うことが多いでしょう。
 またこの「おたふく風邪の伝染」は、獅子座の1度の「脳卒中」の男の力を周囲にまき散らすことを意味しますから、当人自身の中にある過剰な活力は漏れ出て消えてゆく傾向にあります。影響力や言動、感情に蓋をできないことを表していますから、収拾をつけるのは難しいでしょう。

 鏡関係の水瓶座2度は “予期されなかった雷雨” で、これは1度の「伝導所」を自然界のカが破壊してゆく状況を表しています。いかなるものも風化してゆくのは自然の摂理ですが、とくにこの度数では、水瓶座1度で理念の物質的成就を無理やり実現しようとしたことに対する、環境の側からの回答だとも言えるのです。全体的な状況を観察した上で周囲と調和的に行動することは、水瓶座1度にはできません。それは獅子座1度も同じです。いきなり変革の意志を打ち出してしまうと、周囲の共感を得られにくいため、その変革の意志を環境ないしは自然界の力がうち砕くことが多くなるのです。
 獅子座2度の場合には、人を無意識的に巻き込み、この流行病の「伝染」のような状況の中で、発信者自身が自分を見失うことにもなるのですが、水瓶座の場合には、意志がばらばらになる傾向を自身の中にはらんでいます。獅子座と違い、自己中心的な統合の場が水瓶座にはないことも原因です。
 蠍座2度は “割れたビンとこぼれた香水” です。獅子座2度で、男の内面から吹きだした活力が周囲の人を集団ヒステリーに巻きこんだことは、人と人の境界線がないということをも意味するのですが、一方の蠍座の「バスに乗り合わせた人」の共有体験は、乗客の個人どうしの境界線を壊します。長い時間いっしょに「バス」旅行すると、生まれも育ちも違う人々がだんだんとうちとけ、最後には互いの壁をなくしてゆきます。この壁が破れると、内心で思っていることがどんどん露出してきます。それは「香水」のほのかな香りではなく、げっそりするような吐露かもしれませんが、天秤座で形成してきた対外的な人格の殻を壊さないことには、蠍座のステップは前へ進まないのです。感情の波は容易に「ビン」を壊してしまうのです。ある意味では獅子座の「おたふく風邪」と似た意味が出てくるのです。
 牡牛座2度は “電気的な嵐” で、これは水瓶座2度の「雷雨」と似ています。この人の行動は、あまりに衝撃的な結果をもたらすことがあるので、それに対する環境のリアクションもまた、かなり明確な形で出てくることでしょう。しかし、いかなる反撃があっても、牡牛座の頑固さは曲げられることがないので、水瓶座2度のような自己崩壊にはなりにくく、ますます自分の方針を押しきることも多くなります。

 進行天体がこの位置にある時


 衝動的に行動したことが周囲の人を巻き込んでいきます。言いたいことを抑えられず、ぶちまけてしまいがちですが、それはもし意識的に行動したならば決して起こらなかったような影響力を持っていて、周囲の人も自分で自分がわからなくなることも。しかしたいていあまり建設的ではありません。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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(サビアンシンボルは数え度数を見るのが普通なので、たとえば山羊座の9.47度の位置にあるサビアンシンボルは「山羊座10度 手から餌をもらうアホウドリ」を見ます。)