蟹座14度(蟹座13度0分〜13度59分)

(日本語訳)
蟹座14度 北東の広大な暗黒空間に面した老人

これは、目前の運命に対して人間の精神を強化するような過去の経験の計り知れない範囲の象徴であり、また、人間が現在の願望と将来の達成が、来るべき出来事のいかなる点においても少しも制限されることのないものであることを発見する、永遠の再生の象徴でもある。

ここには、期待の完全性としての自己の絶対性がある。ひらめきや確信を得られないような暗い展望の瞬間はない

キーワードは「sanction(許可)」である。

プラスの場合、ある瞬間的な目的のために、人生の、(奥)深くに隠された要素を非常に効果的に参加させる

マイナスの場合は、目的の欠如と、理解における完全な混乱がある
原文
CANCER 14  A very old man facing a vast dark space to the northeast 
This is a symbol of the immeasurable reaches of past experience as a strengthening of the human spirit for its immediate destiny, and of the eternal rebirth through which man may discover that present aspiration and future achievement are without the slightest limitation in any terms of events to come. Here is an absoluteness of self as a completeness of expectation. There are no dark moments of outlook that cannot yield inspiration or assurance. The keyword is SANCTION. When positive, the degree is a highly effective enlistment of deeper and hidden elements of life for some momentary end, and when negative, lack of purpose and utter chaos in understanding.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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蟹座14度 北東の大きな暗い空間に向いているとても年を取った男


心の奥深くに入り込んだ結果、そこに空虚を発見します。無感覚、無感動の状態に陥りがちですが、それは悪いことではなく、心理の究極の場に到達したことを意味します。細かいことには動じない性質の人です。


 それぞれのグループの4番目の度数は、そのグループの試みの具体的な決着を表しています。蟹座は第2グループで個人的な知性を捨て、動物に共通の本能的な共感力を育成し、そこで手に入れた内面的な実感を第3グループでさらに積極的に押し出します。
 蟹座11度では既存の価値を捨て、12度で発見した新しい価値を、13度で人の目から隠して育てようとします。この行為の行き着く先が、蟹座14度の「北東の空間に向いている老人」です。「北東」というのは心理的な意味での「北の果て」を表します。そもそも蟹座は北を意味し、北は心の領域の井戸の底としての深層意識を表していますが、より根源的な深層意識の極点を特に「北東」という言い方で表現するのです。
 この前の蟹座11度で従来の価値を否定し、自分の真のよりどころを12度で見つけだし、13度で意思を内側に織り込んだのだから、14度では、当然のことながら、個人の本当の意味での深層のよりどころ、魂の到来した故郷というものを発見するはずです。
 それは暗い空間で、いわば虚空のようなものであり、古代の民族ならば、それは自分たちのルーツである恒星だと見なすかもしれません。そしてまた「年を取った男」とは心理学者のユングが言う「オールドワイズマン(老賢人)」のような元型でもあり、それは知恵の保持者でもあります。この段階で初めて、12度の「赤ん坊をあやす中国人の女」は、抱いている「赤ん坊」が真実を表していることを確信できるのです。
 しかし、蟹座は内的な実感を表す水のサインですから、それを形(土の元素)で示すことはできません。あくまで蟹座は、常に心理的な実感として証明するにとどまるのです。この度数は、非常に空虚で極限的な枯渇感をもっています。心理的なルーツを果てまで求めていくと、そこには空虚しかなかったという限界点でもあります。しかしそれは極限だからであり、そしてその極限には、心の出所として創造性の発信地点が見つかります。近づくと無でしかないものですが、離れればそれは豊かさをもたらすものだとわかります。

13度の「思い込み」に対して、14度では「普遍性」が加えられるのです。

 進行天体がこの位置にある時

 つきつめてゆくと、そこには何もない、というような体験をします。期待感とか、予感に基づいて、自分の信じることを追い求めてゆくと、最後に、期待感とか予感がすべて消えてゆくようなところに至ります。というのも期待などは、目標から遠い時にのみ感じる作用だからです。いかなる妨害も無視して、集中してゆく力がありますが、身体的には問題が起こりやすく、貧血などに悩まされることも。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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