蟹座11度(蟹座10度0分〜10度59分)

(日本語訳)
蟹座11度 苦笑いを浮かべるピエロ

これは、人間の日常的な性格がその特殊な特性を維持することができる絶え間ない自己リハーサルの象徴であり、また、人生の不確実性を、罰則を受けることなく、受容または拒絶のために表現化することができる経験の暫定的な側面の象徴である。

ここでは、人間の本性を誇張するための教訓として、あるいは、よりよい自己実現への直接的な刺激として、その不十分さを示すものとして、滑稽さが強調されている。

キーワードは「inimitability(不可侵性)」である。

プラスの場合、個人の他者に対する支配的または日常的影響力を効果的に研ぎ澄ます。

マイナスの場合、無目的な自己搾取による個人的影響力の喪失がある。
原文
CANCER11  A clown making grimaces
This is a symbol of the continual self-rehearsal by which the everyday personality of man is able to sustain its particular characteristics, and of the tentative side of experience through which the uncertainties of life can be dramatized for acceptance or rejection without incurring any penalties. Here is an emphasis on the ridiculous as an instructive exaggeration of human nature, or as an exhibition of its inadequacies in a direct stimulation to better self-realizations. The keyword is INIMITABILITY. When positive, the degree is effective sharpening of an individual's dominant or everyday impact on others, and when negative, a loss of personal influence through aimless self-exploitation.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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蟹座11度 しかめつらをするピエロ


この度数の人には、周囲の人が盲従している価値観や常識を皮肉をこめてとらえる性質があります。というのも、自分の感じ方は、周囲の人の見方とは違うし、他の人は正直ではないと感じるからです。権威に迎合しない性質が強みです。


  「ピエロ」は誰もが知っている人をパロディーとして模倣し、その価値を茶化します。
 そもそも蟹座は模倣のサインであり、また多くの人と共有される普遍的な価値基準に同化する性質ですから、世の中で権威や常識と見なされている考え方に知らぬ間に染まってしまいがちです。これをルディアは「無意識のうちに条件づけられた心」と説明していますが、第2グループで、ものごとを深層から真に感じとるという本質的な感受性を手に入れたので、この度数では、心の奥底のこの条件づけをいったん解放しようとします。
 また日常生活での通常の人格を捨てて「ピエロ」になることは、いつもの動作や癖とは違う自分を演じることです。これが人格に大きな解放効果を与えるのは当然です。上品であるようにしつけられている人が、一瞬であれ、いつもならとうてい言いそうにない下品なジョークを飛ばしたりすると、急に気持ちが楽になり、自分を縛っているものから一気に自由になったような気になるものです。こうした解放効果の中で、思っていることをぶちまけ、世の中で権威と思われているようなものも笑い飛ばします。蟹座の心理、情緒という水の性質が、ここで能動的な攻撃性に転じたということでもあるのです。
 その根底には蟹座の共感性が根づいているのですから、権威を引きずりおろしたとしても、それは対象を共感できるものにするために、自分と同じ位置に下げたことでもあるのです。

 蟹座11度の「ピエロ」や山羊座11度の「キジの群れ」が、本来なら生じないギャップをむしろ積極的に作り出そうとしているという点から、集団性にとけ込むというよりは、個人的な主張が張り出している傾向が第3グループにはあると言えます。

 進行天体がこの位置にある時


 みんなが盲従していると感じる事柄に憤りを感じ、それを茶化したり、馬鹿にしたりしがちです。自分の感じ方を素直に表現するには、邪魔なものがありすぎるのです。しかし実は社会に対して批判しているように見えて、自分の中にある条件づけられた心を自由にしようとしているだけなのです。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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