蟹座11度〜15度(蟹座10度0分〜14度59分)(第3グループ)・・・自分の純粋な思いを対外的に表明する努力

 サインの第3グループは、第2グループで手に入れた感受性やものの見方を、外との関わりにおいてさらに活用していく積極的な段階です。
 蟹座は、この前の第2グループで、双子座で育成した個としての自我を捨ててしまいました。しかし、そのかわりに人間や哺乳動物などの生命に共通する生存への意志という本能的な要素をクローズアップし、それを人間的に洗練させることで優しい情感を形成してきました。それはとても女性的で柔らかい感受性であり、最終的にはそれをはっきりとした意思表示できるものへと鍛錬してきたのです。
 第3グループに入るとこんどは、第2グループの時のような内側で気持ちを実感するというひそやかな姿勢ではなく、他者や外界に向かって自己主張することになります。自分の感じ方や直感的な判断に自信を持ち、それを強気に主張してゆくのです。それはある種、思い込み的なものかもしれません。しかし、自分の心の中にある実感を大切にして生きるのが蟹座の強みですから、ここではそれも許されるのです。
 また、どのサインにおいても第3グループにはラジカルさがあって、蟹座もこの第3段階では、思いを極限まで貫いた時に、その果てにあるものを探そうとします。実感ある情感を極限にまで突き詰めてゆくと、そこにはなにもない空白だけが取り残されています。人間の心というものをとことん突き詰め、そこには何もないということを自覚した段階で、あらためて実生活の中で豊かさを生み出す力も手に入るのです。人間は、精神の深層を極めて限界を突破すると、反対の物質生活においての制約も感じなくなり、物心両面での豊かさをのびのびと追求できるようになります。
 ただ、心の豊かさを代表する蟹座でも、そこには、無感覚や空白の虚無を表すようなポイントもあるということから、一概に蟹座の性質を決めつけてはならないということは忘れてはなりません。
 蟹座のプロセスは、その全体が心の世界の探求であり、表向きはおとなしい人でも、気持ちの中では激しい変化を体験しているのです。


 このグループにアセンダントがある人

 言い出すときかない頑固さがあります。
 自分の気持ちに自信がありますが、それを人に説得することにはやや難があります。
 一度思い込むと他の人に心を開かず、内に閉じこもりがちです。しかし自分が大切に思うものを育てる力は大きいのです。


 このグループにMCがある人

 自分の受け持つものを囲い込んで育てるというような姿勢があるので、仕事に関しても、頑固にこだわるかもしれません。しかしよい成果は上げることができるでしょう。
 思い込みが勝利することも多いはず。


 太陽がこの位置にある時期(7/2頃〜7/6頃):夏至の末候(七十二候の第三十)

半夏生(はんげ しょうず):烏柄杓(からすびしゃく)が生える(日本・中国)