蟹座3度(蟹座2度0分〜2度59分)

(日本語訳)
蟹座3度 毛皮に身を包み、一匹の毛深い鹿を連れている男

これは、人間の心の中にある開拓者本能や先駆者本能の象徴であり、自己の極めて個性的な根源(核心)によって自己を強化しようとする断固たる決意の象徴でもある。

ここにあるの(=このシンボルの意味)は、ほとんどの通常の経験はその許容される機会と限界において不必要に自己制限的であり、このシンボルはそのような見せかけの生き方を否定するものである。(このことに目覚めた人生は、既知のものから未知のものへと進み、その先に真の挑戦が待ち受けている

キーワードは「indomitability(不屈)」である。

プラスの場合は、自己表現が可能なあらゆる段階(局面)において、またその段階(局面)を通して、限りなく自立する

マイナスの場合は、自らに課した不利な立場(ハンディキャップ)や日常的な制約を不必要に受け入れる
原文
CANCER 3  A man all bundled up in fur leading a shaggy deer
This is a symbol of the pioneer or trail-blazing instinct in the human heart, and of the self's insistent determination to strengthen itself in its own highly individual roots. Here is a repudiation of most normal experience as unnecessarily self-limiting in its accepted opportunities and boundaries. Life is taken as real or rewarding only as it can be carried on from something known to some unknown which will provide a real challenge ahead. The keyword is INDOMITABILITY. When positive, the degree is unlimited self-reliance in and through every possible phase of self-expression, and when negative, self-imposed handicaps and a needless acceptance of everyday restrictions.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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引用者注——以下に引用している『愛蔵版 サビアン占星術』では蟹座3度のシンボルを「毛深い鹿に先導される毛皮に包まれた男」と訳しており(翻訳は石塚隆一氏)、松村潔氏はこの訳をもとに解釈をしておられるが、この訳は誤訳である。
Marc Edmund Jonesの原文「A man all bundled up in fur leading a shaggy deer」からして、正しくは「毛深い鹿を先導する毛皮に包まれた男」となる。

ただし、もとの文を尊重し、そのまま掲載した。


蟹座3度 毛深い鹿に先導される毛皮に包まれた男


判断がつかない時には直観に従うと、ちょっとしたきっかけで回答が見つかります。自分の意思で判断するというより、周囲に心を開くことで、周囲の人によって最善の方向へと導かれる人です。


 蟹座2度の「広く平な場所」は、雪に包まれた、どこを見渡しても白い景色の広がる土地に似ています。蟹座という集団的な価値に帰依した人は、こうした伝統的であったり集団的であったりする意識状態が、非常に広大なスペースを持っていて、果てしなく広い世界の中で、自分が豆粒の一つでしかないように見えてくるのです。この中で自分に何ができるのか、どこかに進んで確認しなくてはならないのですが、その模索は直感的な判断に従う行為になるはずです。たくさんの書物の並ぶ図書館の中で、どこから読んでいいのかわからないような気分です。
  「鹿」は自然界からやってきた案内人で、「鹿」に導かれて歩むというのがこのサビアンシンボルです。助けになるものは何一つなく、孤独な探求が続くのですが、ふと目の前に現れた「鹿」が導くままに歩んでゆくと、正しい方向が見つかります。
 マルセイユ版のタロットカードでは大アルカナの7=戦車のカードが蟹座のシンボルだと言われていますが、これも馬に乗っている戦者の図柄です。第2グループになるとはっきりしてきますが、蟹座は人間や動物に等しく働く本能的な要素を取り上げて、生命のもつ根本的な力に依拠することを意味しますから、知性よりはまず本能的な直感の力を重視することになります。ここでは「鹿」がその力の象徴として出現し、その力に導かれることで最善の方向性が判明するということなのです。場の導きに従うのが、この人にとっては最善の方法です。

 蟹座2度では広い空間を意識するだけでしたが、3番目の度数である3度は2度の素材を活用することになるので、広大な意識の広がりを見せる領域に、まず自分が一度同化して、この環境の中に備わる力に自動的に導かれることを選びます。牡羊座3度の「祖国のカメオ(浮き彫り)」のシンボルと似た性質があり、新しい環境の中に自分を開いて投げ出すという姿勢が重要だと言えるのです。

​ 進行天体がこの位置にある時


 やることがたくさんあって、今後どうなるのか見当がつかず、途方に暮れているときは、頭で考えずに、自然的に出てくることに身をまかせて、そのままついてゆくとよいでしょう。それにどういう意味があるのかは、まだ今の段階では理解できません。対人的には比較的孤独になりやすい時期で、人に相談してもなかなかいい回答は得られないでしょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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出典はこちら↓


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