蟹座2度(蟹座1度0分〜1度59分)

(日本語訳)
蟹座2度 広大な平地に宙吊りにされた男

これは、自分の経験を、その細部に関わる前に無限に俯瞰できる人間の能力、および、自分のものにしようとする世界の可能性が無限に広がっていることの象徴である。

否定的な象徴に暗示されているのは、彼が無作為な強迫観念の束縛から逃れるための行動における姿勢であり、彼の自由な選択を維持するための視点におけるゆとりである。

キーワードは「contemplation(熟考)」である。

プラスの場合、卓越した理解力の広がりと理解の絶え間ない自己志向がある

マイナスの場合、気まぐれで軽はずみな超越性がある。あるいは、目先のことや地に足の着いたことすべてに対するじれったさがある
原文
CANCER 2  A man suspended over a vast level place 
This is a symbol of man's capacity for an illimitable overview of his experience in advance of his involvement in its details, and of the infinite ramification of possibilities he is able to uncover in the world he seeks to make his own. Implicit in the negative symbolism is the poise in act by which he escapes the bondage of any random compulsions, and a leisure in perspective which preserves his free choice. The keyword is CONTEMPLATION. When positive, the degree is an exceptional spread of comprehension and a continual self-orientation of understanding, and when negative, a flighty transcendence or an impatience with all immediate or down-to-earth considerations.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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蟹座2度 広く平らな場所の上につるされた男


この度数の人は、大きな普遍的な価値観に従うことで、広い視野を手に入れます。それは個人の努力では決して得ることのできなかったヴィジョンではありますが、しかしあまりにも広大すぎて、何をしていいのか判断がつかないかもしれません。


 自分個人のものの見方を捨て、より大きな基準という「旗」に従属する決断をしたのが蟹座の1度でした。大きな非個人的な基準というものはたいていは伝統的で、昔からずっと続いてきたような思想や生き方であることが多いので、それは深みと広がりを持つことが多く、それにどっぷりと浸かると、初めはこの中での自分が、どういう役割をしていいのかわからなくなり、広大なサバンナに放置された小石のような感覚になるはずです。これが「広く平らな場所につるされた男」という意味です。
 しかし双子座の時のように個人でがんばってきた時には見えなかった重層的な意味や意識の広がりがあり、空虚な場にいるわけではなく、むしろ豊かな可能性を感じるのです。一つのことを考える時にも、細部よりも全体を見ることができるので、視野の広い人になるでしょう。
 蟹座は双子座で成長させてきた認識の主体を弱体化させ、その結果、環境の影響が心に侵入してくるプロセスですから、ここではまず処理できないほどの大きな印象が飛び込んできて、それに圧倒される段階だとも言えるのです。

 蟹座の2度は、まだその中でどう動いていいかわからないけれど、自分が置かれた現実に気がつくことを表しているのです。


 進行天体がこの位置にある時


 自分のおかれた状況は開かれていて、大きな可能性を持っていると感じます。これは学校に入ったり、また会社に入ったりした時、一日目に大きな建物や広いフロアを見て新鮮な気分を感じつつ、同時になんとなく不安な印象を感じる時にも似て、とまどいながらも大きな期待感を抱くのです。「さて、これからどうしよう」という段階なので、けっして徒労感は感じません。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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