蟹座1度(蟹座0度0分〜0度59分)

(日本語訳)
蟹座1度 船舶に掲揚される、巻き上げられた旗と広げられた旗

これは、個人が人生のさまざまな状況に直面したときに、どのような極端な忠誠心で臨むか、また、自分の最終的な目的に適うときはいつでも、どんな立場でも妥協したり転換したりできる能力の象徴である。

ここには、あらゆる野望を実現しようとする不屈の決意と、予想されるあらゆる事態への一貫した備えがある。自分より一歩先にいる自分を安全に感じられなければ、彼は不幸なのだ。

キーワードは「adaptability(適応性)」である。

プラスの場合、他者とのあらゆる発展的な関係において非常に有益な調整をする才能がある

マイナスの場合、完全な不安定とまではいかなくても、動揺する(ことがある)
原文
CANCER 1  A furled and an unfurled flag displayed from a vessel
This is a symbol of the extremes to which an individual will go in the practical allegiances with which he meets the various situations in life, and of his capacity to compromise or reverse any stand he may take whenever this suits his ultimate ends. Here is his inflexible determination to further every ambition, and his consistent preparation for every eventuality that might be anticipated. He is unhappy except as he somehow can feel himself safely a step ahead of himself. The keyword is ADAPTABILITY. When positive, the degree is a gift for highly profitable adjustment in every developing relationship with others, and when negative, vacillation if not complete instability.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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蟹座1度 船に掲示される巻かれ広げられる旗


この度数の人は、集団的な価値に自分を帰依させ、個人判断を放棄します。自分が所属している集団の価値の旗頭となる傾向もあり、他の人に対しても同じことを要求します。伝統重視で新しいものに目が行きにくいでしょう。


  「船」は大海を移動しています。この「船」には多くの人が乗り合わせ、「船」がどこかに向かうということは、この乗り合わせた集団が共通した方向に進むことを意味します。船員が新しい「旗」をこの「船」に掲げるということは、船籍を明確にすることで、乗り合わせた集団全員を統率する印を明示することなのです。蟹座全体の説明のところで書きましたが、蟹座は個人の個性を消去し、共同体や集団の支配原理に従属することで、共同体としての共存を図るサインです
 蟹座のスタートとなるこの1度では、「旗」を掲げるということに蟹座の意思が明確に打ち出されています。集団が一体化するには一つの「旗」となる支配原理が必要です。蟹座は水のサインですから、具体的な政治支配や中央集権化には直結しまん。しかし、心を同じくするという意味では、むしろ目に見えないところで強い強制力を持つサインです自分も、また身近な他人も、一つの旗印のもとに集まろうと宣言しているのです。

 明らかに同じ活動宮でも、牡羊座/天秤座連合と、蟹座/山羊座連合は、まったく違う方向性を表しているのですが、蟹座は、それ以前の牡羊座から双子座までの、個人の個性の発展という目的を抑止して成り立つので、個性の否定ということでは、よけい際だっています。ただし、「より大きな基準に従属するために個を消し去る」という根本的な目的はあるのですが、蟹座のプロセスでは、5度になるまではまだ個人のマインドはうまく消せません。したがって蟹座の1度においての、「自分はこの旗に従うから、君たちもこれに従いなさい」という趣旨は、個人的な主張の強さとして現れることも多く、背後にある山羊座の1度の、周囲に対する強引な押し切りという姿勢が裏で糸を引いている印象もあります。双子座の痕跡を残しながら、蟹座の意思を打ち出すという印象でしょうか。まだ前の度数(双子座30度)の「海水浴をする美女たち」の影響が残留しているのか、強気の主張でものごとを進めていく人が多いように見えます

 進行天体がこの位置にある時


 小さな自分を捨てて、より大きなものに人生を捧げたくなります。それは家族とか、あるいは一つの理念を持つ団体とか、いずれにしても、あまり個人的なものではない大きなものです。この決断によって、これまでの自分の迷いが断ちきれるような気がしてきます。その時、同時に周囲の人にも、同じ行動を勧めたくなる可能性がありますが、それは控えた方がいいでしょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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