双子座7度(双子座6度0分〜6度59分)

(日本語訳)
双子座7度 古風な井戸

これは、個人の自己更新の側面と純粋で発展的な誠実さの側面における、揺るぎない営み(命脈)の源泉の象徴である。

その象徴に暗黙的に含まれているのは、個人の人格を構成するすべてのものの純粋さであり、他者との関係に入り、他者の現実を自分の現実と同化させることを助長するどんな時でも、自分自身であり続けることができるという不思議な能力である。この人は(人の現実を)絶えず取り込み、また自分自身の誠実さを表現し続けており、そのようにあり続けるプロセスに身を費やすことで、この人は本質的に報われるのである

キーワードは「recompense(報いること、補償)」である。

プラスの場合、絶対的な自己信頼と妥協のない誠実さがある

マイナスの場合、あらゆる人間関係において無神経で無策である
原文
GEMINI 7  An old-fashioned well
This is a symbol of the unimpeachable source of life on the side of personal self-renewal and simple organic integrity. Implicit in the symbolism is the purity of everything adding up to any individual character, and the curious capacity of man to remain himself whenever he enters into relationship with others and encourages the assimilation of their reality into his own. He draws in and gives out the substance of himself continuously, and is rewarded by nature as he expends himself in this process of continuing to be. The keyword is RECOMPENSE. When positive, the degree is absolute self-reliance and uncompromising faithfulness, and when negative, insensibility and ineptness in all human contact.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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双子座7度 古風な井戸


自分が得たものを、他の人にもその人の能力や働きに応じて公平に分配しようとする人です。自分が得た富や能力を還元することに気を配るので、思いやりのある人になるでしょう。多くの人に役立つものは何かを考えます。


 双子座6度の「油田」を掘削するシンボルは、7度では桶のある「井戸」に姿を変えました。「井戸」の水を桶で汲み出しても財産など作れませんし、人をあっと驚かせることもできませんが、お金にならないものは多くの人との共有ができます。もし「井戸」の水が高額であれば、また人々の競争意識を煽りますが、今のところ「井戸」の水は獲得合戦に走る対象ではありません。地の底の水という象徴は基本的に蠍座のシンボルなのですが、ここでは多くの人に癒しやうるおいをもたらす、共有された源泉を掘り出すということがテーマとなります。
 また7度は対立や明暗を利用する度数で、牡羊座7度では光と闇の戦いが起き、牡牛座7度では差別問題が起きたように、双子座では6度で生じた勝つ者と負ける者との間で発生する立場の明暗が、7度で与える者と与えられる者との落差を生み出し、感情の明暗を作り出すのです。こうした生活感情の明暗は人間の喜びや苦痛に結びついているので、文学や芸術などで扱われる題材になりやすく、個人が他者に働きかける接点にもなるのです。

 双子座7度の「井戸」は、6度によって強い立場に立つことができた者が、貧弱を雇用したり、富を小出しに分配することで、多くの人の生活を成り立たせ、一方の弱い立場の側は、それに一喜一憂しながら、「ハーレム」(乙女座7度)の女のように関係性を続けることに意義があることになります。慈善活動も、自身の財産と勝者であるという立場が崩れてしまうと成り立ちません。
 6度は競争に勝つこと、そして7度はそれを利用して改めて人と自分の関係を作り出すことに関係します。ルディアの牡牛座7度のシンボルは「先祖の井戸の側に立つサマリアの女」として、「井戸」は差別などを意味していましたが、双子座の「井戸」も、立場の落差が生まれることで初めて発生する心の交流を示すのです。同じ位置に立っての交流というものは、そもそも双子座においては成立しにくいでしょう。それは蟹座のテーマなのです。経済中心主義の世界で、この双子座的な競争の緊張感に耐えきれない人は、必然的に「ハーレム」の女たちのように雇用される側に回る他はありません。自身の立場が壊されない限りという条件つきで、人と協力し、交流するというのがこの度数の持っている中心的な意味です


​ 進行天体がこの位置にある時


 自分の持っている能力やメリットによって、人との交流の接点ができます。しかしこの関係は、共感によって形成されるものではなく、ある種の優劣関係が背後にあるので、あまり共感しあうというものではないでしょう。自分だけのメリットを追求するよりも、それがある程度他の人にも貢献すると考えると、持続力が出てきやすいのです。対人関係は縦構造のものになりやすく、心を開くには、警戒心が強くなりやすいかもしれません。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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