牡牛座30度(牡牛座29度0分〜29度59分)

(日本語訳)
牡牛座30度 古代の芝生の上を練(ね)り歩く孔雀(くじゃく)

これは、外面的なすばらしさ(傑出)に与えられる立派な威厳の象徴であり、また、他人のさまざまな理想を自分自身の人となりに示すことができるようになることで、個人がその能力や価値を超えて一瞬昇華することの象徴でもある。
ここには、内面的な価値や不朽の価値にまだ目覚めていない人たちに、外面的な装飾のために努力することを促すという目的にかなうような、えげつない誇示の無遠慮さがある。

キーワードは「ALOOFNESS(お高くとまっていること)」である。

プラスの場合、民族の遺産をドラマチックに演出したり、歴史の教訓を特別な形で生かしたりする特別な才能がある

マイナスの場合、破壊的とまではいかないまでも、まったく報われない自己観想がある

※self-contemplationを「自己観想」と訳したが、self-contemplationの意味は「自分自身の考えや欲望や行動について熟考すること」である。
原文
TAURUS 30  A peacock parading on an ancient lawn 
This is a symbol of the proper dignification which can be given to superficial excellencies, and of the momentary elevation of the individual beyond his capacity or worth as he is able to exhibit the various ideals of others in his own person. There is an insouciance of vulgar display that serves a purpose here, encouraging men to strive for outer ornament when they are as yet unquickened to inner or eternal values. The keyword is ALOOFNESS. When positive, the degree is a special flair for dramatizing the heritage of the race or for capitalizing on the lessons of history in some special fashion, and when negative, a wholly unrewarding if not destructive self-contemplation.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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牡牛座30度 古代の芝地をパレードする孔雀


この度数の人の中には、自分の持てるセンスをすべて動員して、派手な演出に凝る人もでてきます。伝統的な価値を総決算セールのようにまとめて表現できる力があるので、表現者として有能ですが、やりすぎはグロテスクになります。


 牡牛座は個人的な感性を鍛え、なおかつそれは自分自身が属する伝統的な文化や、習慣、好みなどと深く結びついていたために、属する共同体への愛着もひとしおで、そこに多大な貢献もするサインでした。
 最後の30度では、これらを総花的にまとめてゆくことになり、それはしばしば芸術的な表現力としての優れた力なども表しています。最後の華という言い方をしてもよいところがあり、伝統文化のおいしいところをすべて取ったような豪華さがあります
 ただし、牡羊座30度の項でも説明しましたが、30度はそのサインの性質から離れるための悪趣味な下剤を自身の中に潜ませています。
  「パレードする孔雀」はきわめて派手な扮装をしていて、それが感性を磨いてきた牡牛座の総決算となるディスプレイであることは事実なのですが、見ているうちに、そのあまりの過剰な演出にゲッソリしてしまうのです。
 たとえばワーグナーはこの牡牛座30度の影響を強く受けた作曲家ですが、その作品は果てしなく深淵でありながら、過剰さによって、ついには脂っこいものを食べた時のような消化不良をおこしてしまうことも事実です。現代であれば、ルーカスのスター・ウォーズの過剰な映像演出を思えばよいでしょう。
 職人的な信頼感のある牡牛座が、他のサインの30度と同様、やはりここで台無しにされかねない事態となるのです。

​ 進行天体がこの位置にある時


 自分がこれまで追求していた事柄や興味の続いてきたものに対して、一つの総まとめ的な終了宣言、あるいは節目となる行為をするとよいでしょう。イベントや展示会などをするといい時期です。牡牛座の進行のサイクルをすべて見渡すことができたら、滞りなく、次のステップに移動することができます。密かに努力していたことを、人に見せつけたいという気持ちが強まるので、発表の機会を作るとよいでしょう。


出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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(サビアンシンボルは数え度数を見るのが普通なので、たとえば山羊座の9.47度の位置にあるサビアンシンボルは「山羊座10度 手から餌をもらうアホウドリ」を見ます。)