牡牛座21度(牡牛座20度0分〜20度59分)

(日本語訳)
牡牛座21度
開かれた本を指(さ)す指

これは、目的と意味を支持して経験を修正することの象徴であり、人間が持つ繊細な識別能力の象徴でもある。ここには、意識的な努力によって実現する、(人という)種族の叡智が表現されている。

目的と関心は注意を研ぎ澄まし、洞察力を高め、その結果、自己の潜在能力によって管理された成果への到達を可能にする

キーワードは「confirmation(確証、確立、確定)」である。

プラスの場合、人間に関する事柄における、それぞれ固有の複雑さの永続的な意味に対する鋭敏さがある(=それぞれの人間が抱える個別の事情の、固有の複雑さを感じ取り、理解する力がある)

マイナスの場合、“他者への盲目的な服従” や “決まりきったやり方で物事を行う傾向” によって、節操を失う。
原文
TAURUS 21 A finger pointing in an open book This is a symbol of the rectification of experience on the side of ends and meanings, and of the fine discrimination of which man is capable. There is here a dramatization of the racial wisdom as this becomes incarnate in conscious individuality. Purpose and interest sharpen the attention, which in turn quickens the insight and permits an outreach into events which thereupon are ordered by the self's potentials. The keyword is CONFIRMATION. When positive, the degree is a sensitiveness to the enduring significance of each special complex in human affairs, and when negative, a loss of integrity through blind obedience to others and a tendency to do things by rote.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

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牡牛座21度 開いた本を指す指


この度数の人は、自分が属する伝統的な価値に帰属し、地域的な環境の中で自分に適した生き方を選択します。ローカルな伝統に対して素直なので、一見、閉鎖的な性格に見えても、人生の進路は未来まで開かれています。


 牡牛座20度で、自然界の兆候(「雲」)を借りて、深い精神のメッセージを読む力を身につけた人は、この21度で既存の体系を基準に道を決めようとします。「開いた本」を目をつぶって指さし、なぞった一文から何かを決めるという占い方法は昔からよく使われていましたが、この時の「本」は既存の書物であり、「雲」の形や壁のしみから何かを読みとるという漠然としたものではありません。どこを指さしても、それは「本」の中にある一文であり、民族が持つ伝統的な価値など、すでに存在するものの中に本人の行動や思想が吸収されてゆくことを象徴的に示したシンボルなのです。
 もともと牡牛座は身体が生まれつき持っている資質を受け取り、それと同化することからスタートしたのですから、身体を通じてつながりを持つ自身の民族性などに親近感を抱いています。身体という個人的な資質だけでなく、より大きなべースである民族性や伝統性に同化すると、活動はかなり広範囲になります。実際、民族性というのは狭いわけではなく、日本の背後にはアジア、その背後には地球があるというように、「地の母」を通じて果てしなく範囲を拡大することが可能です。
 こうした伝統性に同化した精神は非常に強い説得力や実行力を持ち、地の母から援護されたような力強さがありますから、狭い範囲ですが指導力を持つこともできる度数です。伝統に何一つ新しいものを付け加える必要がないとまで断言するような考えを持つでしょう。
 しかし、単なる伝統主義と違い、すでに牡牛座16度で精神を空にして深層の意思を聞き取ることができるようになったので、伝統に単純に隷属しているわけではないのです。

 進行天体がこの位置にある時

 既存の伝統の中に、自分の生き場所を見つけたくなります。優れた知恵はすでに存在し、充実した文化活動の中で自分に適合した位置づけとはなんだろうかということに関心がわきます。
 多くの人の中で重要な位置につく場合もあるし、人が相談を持ちかけてくることも多いでしょう。

 気力は充実してくることが多く、なにか有意義で実のあることをしたいという意欲が盛り上がってきます。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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