牡牛座16度(牡牛座15度0分〜15度59分)


(日本語訳)

牡牛座16度 神秘を解き明かそうと虚しい努力をする老人


これは、知的な面に個人的な悟りをもたらすような、自己の究極の本質かもしれないものは何であれ、(人と)分かち合う必要がある(という)ことの象徴である。


否定的な象徴には、一過性の不十分(な現状から脱却すること)への目覚めと適切な条件が整えば成就が約束されている、「自己の究極の本質を知ること」を成就するための努力を掻き立てる衝動が込められている。自我の核心を脅かす惰性に対する反抗がある。

キーワードはpertinacity(不不屈、執着)である。


プラスの場合、より高度な洞察(or 見方、とらえ方)についての妥協のない正確さと、それを表現しようとする揺るぎない決意がある。


マイナスの場合、日常の実用性との接触を失うことによって、(高度な洞察やそれを表現することを)達成することに失敗する。

原文

TAURUS 16  An old man attempting vainly to reveal the Mysteries 

This is a symbol of the need to share whatever may be the ultimate substance of selfhood, as here brought to a personal realization on the intellectual side. Implicit in the negative symbolism is an awakening to a transient inadequacy, and a stirring to the effort which of itself is a promise of fulfillment once the proper conditions have been established. There is revolt against an inertia which threatens the very core of selfhood. The keyword is PERTINACITY. When positive, the degree is the uncompromising integrity of higher vision and an unshakeable determination to dramatize it, and when negative, a failure in accomplishment through a loss of touch with everyday practicality.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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牡牛座16度 神秘を暴露するために空しい努力をする年をとった男


既知のものに飽きて、未知の可能性に期待する気持ちが強いために、既存のものを批判する人になるでしょう。結局すべてのものに失望する可能性が高いのですが、その中で真の創造性とは何かを深く考えます


 牡牛座16度では鏡の関係にある蠍座の力が侵入します。「神秘の暴露」という言葉にこの蠍座的な要素が描かれています。第3グループまでは物質的な事柄に興味が集中していたのですが、このシンボルでは、目に見えないもの、実在しないものを証明しようとして労力を使うことが示されています。

  「神秘」という言葉の意味を考えてみると、どんな事象であれ、繰り返されることのない一回性のものはみな「神秘」です。再現可能なものは合理的に証明できますが、一回性のものとなると証明したり信じたりしにくいのです。誰にも証明できるものとは、いわば使い古された現象だと言えるのです。

 この「男」は一回性のものを求め始めています。それは平凡でない自分独自のものを追求する準備を始めたことでもあります。このような時、人はみな頑固になり、否定的な言葉も増えてきますが、あれもだめ、これもだめと、取り上げては捨てる行為の繰り返しは、牡牛座の新しい資質を掘り出す前兆と言えます。

 これまで素朴な物質主義的な生き方をしてきた牡牛座も、蠍座の影響から、自分の感覚に単純に依存する生き方に疑問を感じています。


 ルディアは、この牡牛座のシンボルを “伝統的なことを教えるのに失敗する老教師” と言い換えました。「伝統的なこと」は牡牛座に関係していますが、そこに真実味も価値も感じなくなれば、それを教えることに意欲がわかず、確実に失敗します。この意欲の消失の段階では、新鮮な力を発掘しないことには先に進めません。始めは外部を模索しますが、しかしやはり牡牛座としては、これまで使っていなかった新しい資質をやがては自分の中から取り出すのです。蠍座の影響力に打ち勝つ牡牛座の育成が始まります。これはかなり壮絶なプロセスだも考えてもいいのですが、頑固さも半端ではなくなります。


 進行天体がこの位置にある時


 何もかもが面白くなく、今までしていたことに本格的に飽きがきます。手を広げて、自分らしくないことをあれこれとしてみますが、いま一つ満たされないので、しだいにいらいらが募ります。しかしこれは新しい展開の準備として、栄養を摂取している段階なのだと考え、焦らないようにしましょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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出典はこちら↓


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