牡牛座10度(牡牛座9度0分〜9度59分)

(日本語訳)

牡牛座10度 赤十字の看護婦


これは理想的あるいは精神的な面における思いやりのある奉仕の象徴であり、自己実現へのあらゆる道の中で最も偉大なものであることを強調している。

他者のとても困難な 要求(or 必要性)に対して根気よく配慮することは、自己が瞬間的に全自己の状態となる最も徹した機会であり、そしてその完全な経験を通じて、自分の責任で(自分自分が)より満足のいく、自分自身の望むものになるのだ。

キーワードはenlistment(積極的に協力すること)である。

プラスの場合、(他者と)分離している(という)感覚をすっかり無くすことができる、価値ある永続的なプロジェクトに自己を完全に捧げる。

マイナスの場合、一過性の重要なものを得るために人道主義者を表面的に装うことがある。

原文
TAURUS 10  A Red Cross nurse
This is a symbol of human service on the ideal or spiritual side and it emphasizes the greatest of all roads to self-realization. The steadiness of concern for the more extreme needs of others is dramatization of the most consistent opportunity for self to become momentarily a phase of all-self, and through that universal experience to become more satisfactorily whatever it wishes to be on its own account.
The keyword is ENLISTMENT. 
When positive, the degree is a complete dedication of the self to the worth-while and enduring projects through which it can lose all sense of separativeness, and when negative, a superficial pretense of humanitarianism in order to gain transient importance.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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牡牛座10度 赤十字の看護婦


自身の幸せを手に入れてはじめて人に貢献できることを知ります。自分の体験的な知恵を人に教えることで、人を助けることができるし、そのことに喜びを感じます。自分の幸せを壊さない範囲で人に献身的になれる人です


 第2グループの4番目の度数の9度で安定性を手にし、5番目の10度ではさらに発展的に自分の力を使おうとします。しかも10度は第2グループの最終結論ですから、抜け目なく自分の幸福を維持できた人は、立場の安定と逃げ場を確保した上で、他者に対して惜しみない協力をします
 牡牛座は自分の身体や実生活の安定を目指すサインなので、自分を投げ出してまで人を助けることはしませんし、してはなりません。自分自身が満足な結果を手にしないうちは、協力しようとしても共倒れとなり、それではなんら建設的な結果を残せません。
 牡牛座6度で自閉的な砦から出て、外に理解を示す努力をし、7度で立場の優劣や差別を体験して一度自分の立脚点を損ねた後に、8度で対応策を立て、9度で自信を取り戻して自分を守る力を身につけました。そのようにして最低限の条件を満たしたことで、第2グループのテーマである「他者に橋をかける」という課題を果たせるようになったのです。
 この度数のシンボルの「赤十字の看護婦」は仕事が終わると家に戻ります。その家は「クリスマスツリー」の飾られた家でもあります。
 この度数の人に「サマリアの女」を経験した過去がなければ、人を助けることはできません。また何の不満もない人と関わるのでは、6度の「橋を架ける」というテーマが果たせません。「看護婦」は身体という個体性に閉じ込められて外に出ることのできない人に対して「橋を架ける」からこそ、身体の疾患に幽閉されてしまった人々に対して一番親身になれるのです。
    “赤十字の看護婦”というシンボルには無償の奉仕というイメージがありますが、エゴを育成する牡牛座の段階では自分を投げ出すことは決してないのです。

 どのサインにおいても第2グループは感受性や情感を育てるのがテーマで、そのテーマはこの10度で完結します。牡牛座10度の場合は他者への献身を身につけたのです。

 進行天体がこの位置にある時

 自分と似たような境遇や過去の人を見ると、何かと助けたくなります。そのことで自分の確信と自覚が高まることも多いからです。助けるが、自分の立場が悪くなるほどには干渉しないというのが適切な態度です。深い共感を感じる仲間が出てきやすい時期で、生活にはりができるでしょう。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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