牡牛座6度(牡牛座5度0分〜5度59分)


(日本語訳)

牡牛座6度
溪谷に架けられている(最中の)橋


これは、意識的な手段によって自然の困難に打ち勝つこと、そして人が自然の(もたらす)事故や不便さの影響から自由になっていることの象徴である。


物質的な制約を、個人の、あるいは社会の資源(=役に立つものに(置き)変える方法は常にあり、それによって外側の信頼性が内側の一貫性に寄与し、人間の経験に継続性と知性のあらゆる可能性を与えるのである。


キーワードは「channelship(伝える能力、提供する能力、良い方向に導く能力)」である。


プラスの場合、その(人の)力によって究極的な利益を(得ることを)達成するための、直接的で実用的な天性(or 直感)がある。


マイナスの場合、近道(ショートカット)を好み、日常生活の義務からのあらゆる可能な逃避を好む


原文

TAURUS 6 A bridge being built across a gorge

This is a symbol of the conquest of natural difficulties by conscious means, and of any individual's essential independence of nature's accidents or inconveniences. There are always ways in which physical limitations may be transformed into personal or social assets, thus contributing a dependability on the outer side to a consistency on the inner and so giving every possibility of continuance and intelligence to human experience. The keyword is CHANNELSHIP. When positive, the degree is the directness and the practical instinct by which personality achieves ultimate benefit of its powers, and when negative, a love of short cuts and every possible escape from the obligations of daily living.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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牡牛座6度 渓谷にかけられる建設中の橋


この度数の人は、自身の個人的な条件に閉じこめられた人々の間に橋をかけてコミニケーションを取ろうと努力します。意思疎通がしづらい壁に塞がれた相手とのコミニケーションに努力することで、自分の閉鎖性も打ち破ることができます。


  「山」から流れる「小川」で始まった牡牛座第1グループは、ある一つの「山」に縛られた暮らしをし、その「山」から出てくることはありませんでした。「山」は自分の生来の資質や家系的影響、大きくは民族性など、体系化された一つの閉じたルーツを表しています。

  「山」から採れる豊かな生産物の中で暮らしてきた人は、牡牛座5度でそれを使いきってしまいます。しかも、自分の資質に縛られることは、自ら世界を狭くすることだと気がついた人は、6度で「山」からよそに行ってみたいと願うようになるのです。

 自分がいたような「山」はたくさんあり、他の「山」と渡りをつけるには、「山」と「山」の間の「渓谷」に「橋」をかける必要があります。

 これは生まれも育った環境も違う他者と意思疎通する試みを意味しますが、いずれも、自分の「山」に閉じ込められてコミニケーションなど学んだことのない警戒心の強い人々ばかりですので、かなりの困難が予想されます。

  「橋」は「建設中」で、それはいろんな工夫を試みることを意味します。これは初めてのチャレンジであり、試行錯誤を繰り返すことを表しますが、しかし心を開こうと努力する人なのです。

 牡牛座6度の「橋」をかける行為は、結果的に他者と自分の違いに驚くような体験を誘発します。それまで大切で価値あることだったものも、他の人からは違うものに見える。今までは当然だと思っていたことが実は偏っていたことも知らされます。こうしたショック体験をふまえ、あえて「橋」をかける、つまり人に対して心を開こうとするこの度数の人の姿勢は、思い切りのよさを感じます。


​ 進行天体がこの位置にある時


 自分と他人の違いを見せつけられ、いかに自分が狭い世界に閉じ込められていたかを自覚します。そして、新しく開かれた状況に向かうべく、関心を外に向けるでしょう。しかしまだ牡牛座の段階では思いきり外に対して開くという行為まで行くことはありません。自分の立場を守りながら、おそるおそる親しい人や他人に関心を向けることになります。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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出典はこちら↓


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