牡牛座5度(牡牛座4度0分〜4度59分)


(日本語訳)

牡牛座5度
開いた墓の前にいる未亡人


これは、人間が真実を変化のない概念の中心に置く(ことを許す)時はいつでも、物質的なもの(=目に見える表面的なもの)に対する見当違いがあり、そのため、より大きな(社会)全体に対して責任を持つという創造的な貢献がおろそかになることを象徴している。

逆転した象徴に暗示されているのは、自己が達成した(=手に入れた)あらゆる不朽の価値(を持つもの)へ心の中で絶え間なく回帰する必要があり、経験のあらゆる古びた要素から、完全に、そしてすぐさま解放される必要があるということである

キーワードは「reorientation(新しい方向を与えること、適応)」である。

プラスの場合、快活さがあり、絶え間なく続く自己発見の中で、失望や(何かを達成することの)遅れを超越する能力がある。

マイナスの場合、挫折への屈服や無能への転落がある。


原文

TAURUS 5  A widow at an open grave 

This is a symbol of the impermanence of physical things whenever man permits reality to come to center in the static representation, and thus neglects the creative contribution through which he has responsibility for the larger whole. Implicit in the reversed symbolism is the need for an inner and constant return to every enduring value achieved by the self, and for a complete and immediate release from all outworn elements of experience. The keyword is REORIENTATION. When positive, the degree is man's genius for personal aplomb or an effective transcendence of disappointment and delay in an ever-spiraling self-discovery, and when negative, surrender to frustration or descent to ineptitude.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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牡牛座5度 開いた墓の前にいる未亡人


先天的な恩恵を使い果たし、自分が依存するべき価値が空っぽになった状態ですが、この中で自分に与えられた素質に寄りかかって生きることの無意味さを知ります人生の価値は自力で作り出すべきであるという自覚がある人です


 牡牛座3度の豊かな「芝生」も、食い尽すと開かれた「墓」穴のようになります。

 牡牛座1度から始まった生まれつきの資産は、この第1グループの最後で使い切ってしまい、掘っても掘っても空虚しか残っていません。しかし、この否定的に見えるシンボルも、数字的に考えるとやや解釈が違ってきます。

 牡牛座4度で、自発的な夢見の力や希望を失わない力を育成し、安定した能力を手にした人は、5度ではその資質をさらに発展させようと試みます。そのために、過去の資産を消費するという方法を思い切って捨てざるを得ません。

  「未亡人」は夫の資産で暮らしています。「墓」はトーテムのような働きを持ち、そこには必ず神話的な価値が結びついています。過去の栄光や伝説です。それを掘り起こしてしまうことは、神話や伝説という曖昧な空想が消えて、「墓」の中にはただの骨しかなかったという現実を明かすことです。

 つまりこの度数では、自分には強い運があるとか、優れた資質があるとかの、これまでの曖昧な幻想が奪われてしまうのです。

 というよりも、そもそもこの度数の人が、こうした幸運に支えられて生きる姿勢そのものに飽き飽きし、牡牛座4度で提示したような、自ら運をつかもうとする意欲を積極的に使って、自分の人生を切り開いてみたいと感じているのです。たとえば良い家に生まれながら、家出して自活している人なども、このシンボルのイメージに近い生き方でしょう。


​​ 進行天体がこの位置にある時


 これまで幸運に支えられてきた人も、この頃から急に、自分を動かしていた力が弱くなってきたことを感じます。しかしそれは拘束から自由になることでもあります。これまでの幸運は、ある意味ではあなたの活動範囲を狭めていました。もっと大きな視点に立って生きるには、思い切って過去を捨てる必要があります。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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出典はこちら↓


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