⭐️サビアンシンボルの解説を読んでもピンと来ないのはなぜ?


サビアンシンボルの解説を読んでも、“なんだか当たっていない” とか “難しくて意味がよくわからない” と感じる場合があるかもしれません。以下に考えられる理由をいくつか挙げます。


​● シンボルの解釈が間違っている

 知りたいこととサビアンシンボルからわかることが食い違っている

 占いには運命が書かれていると誤解している

● 注目している天体(惑星)の性質をまだ発揮できていない


サビアンシンボルの解釈が間違っている場合


サビアンシンボルはシンボル(象徴)が元ネタであり、それに対する解釈を世界中の占星術研究家が行っています。そのため、占星術研究家によって解釈のしかたが変わる可能性があります。単純に解釈が誤っている場合もありますし、表面的な解釈しかできていない場合もあるでしょう。

サビアンシンボル自体は文字通りシンボル(象徴)であり、非常に深淵でいく通りにも解釈できる余地があります。ただし、それぞれの星座(宮)に対して30個のサビアンシンボルがありますが、いずれもその星座の影響の下にあるので、その星座の意味と切り離すことはできないということに注意する必要があります。サビアンシンボルの上位にある星座の意味を全く踏まえていない解釈は、正確な解釈ができていない可能性があると思っていいでしょう。


[※このブログでは、松村潔 著「サビアン占星術」に書かれているサビアンシンボルの解釈と、マーク・エドモンド・ジョーンズ著「THE SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY」に書かれているサビアンシンボルの解釈(日本語訳は私がしました)をアップしていきます。

松村潔氏はサビアンシンボルを日本に持ち込んだ第一人者で、この本は日本で出版されたサビアンシンボルの解説本の中で最も詳しく解説されています。

また、マーク・エドモンド・ジョーンズはサビアンシンボルのリーディングに携わった「サビアンシンボルの元祖」です。こちらの解釈は難解でわかりにくいですが、原典といってもよいものなので解釈は最も信頼できます。

両者で解釈が異なっている場合もありますので、両方を参照することをお勧めします。



知りたいこととサビアンシンボルからわかることが食い違っている場合


サビアンシンボルはあくまで西洋占星術で使われるシンボルなので、西洋占星術の他の要素と同様に、日常の具体的すぎる事象に直接的に答えてくれるものではありません


たとえば、日々の生活の中で自分が何をするとよいか、それをどのようにして達成するか、ということを具体的に教えてくれるものではないのです。占星術は目的達成のための魔法や秘法を教えてくれるものではありません。ネイタルチャート(出生図)ならば「自分がどういう性質を持っているのか」、トランジットチャート(ある時期を表している図)ならば「その時の自分の気持ちや行動や、自分に起こる出来事にはどういう傾向があるのか」を教えてくれるだけです。行為の吉凶を占うとか、どのような行動をすべきか、してはいけないのかを知るのには西洋占星術は不向きです。サビアンシンボルもそのような目的で使うことには適していません。



● 占いには運命が書かれていると誤解している場合


 そもそも占いは、今回の人生において魂が選択した人生の道筋(コース)を指し示しているにすぎません。実際にそのコースを辿るかどうかは本人の意志と選択によって決まります。これは現実を考えてみれば当然のことです。そして占いでは本人の意思や選択まではわかりません。

 占い師の中には、占いから読み解けることを追究しているうちに「占いではわからないことや占いでは決まらないこと」を重視しなくなる、という方がいらっしゃいます。占い慣れすることによって、占いとの向き合い方が鈍ってくるのです。

 占いのみを重視すれば、占いによってわかることが運命であるかのように捉えがちになります。これは占い師であってもクライアントであってもそうです。占いの結果を運命のように捉えるのは間違いです。占い師は、占いの役割やクライアントの目線を忘れないために、「自分は占い師である前に相談相手であり、相談相手である前に一人の人間であり、一人の人間である前に一つの生物である」ということを時折自覚することは有効です。



占いと運命との関係については、エドガー・ケイシーの次の言葉が参考になるかもしれません。


“ 生まれた時の日時や、その場の環境が、わたし達の運命に影響するのでしょうか。日や年の数字が運命に影響するのでしょうか。然り。わたし達に影響するのはそれだけではありません。これらはすべて兆候であり、前兆(サイン)であり、道の脇の標識に過ぎません。これらの兆候が運命を設計するわけではありません。”


(エドガー・ケイシー『神の探求』72ページ)

“ 特定の誕生日が、運命を決定することはありません。”

(同 100ページ)

“ この世には、人が各々の理解力にしたがって解釈するある種の表象(サイン)があります。それらは、さまざまな経験領域を通過してきた魂の成長段階を示し、今回の人生において魂が選択した人生の道筋を指し示します。多くの人は、これらの表象のいくつかが、占星術、数霊術、骨相術、手相術などによって理解できると考えます。しかし、わたし達はこれらの方法が、宿命を解釈する上で断定的なものにならないよう十分注意する必要があります。なぜなら、これらの表象は意志力に服従するものであり、成長段階とその可能性を指し示すものに過ぎないからです。


 夢や占星術、数霊術、さらには金属や石などの波動は、わたし達に道筋を示す単なる灯明や兆候と見なされるべきですこれらは、わたし達が暗闇で躓(つまず)かないためのロウソクのようなものです。ロウソクの光を崇拝してはなりません。むしろ、それらの光がわたし達を導こうとしているところのものを崇めるべきです。(夢や占星術や)数や金属や石の波動は、わたし達が《創造力》と調和するのを助けてくれる力に過ぎません。”

(同 99ページ)

“ (夢や占星術や数や金属や石の波動は)自分自身を(《創造力》と)同調させるためにのみ、それらを使いましょう。自分の理解していることを実践するにつれて、次に踏み出すべきステップが与えられます。

(同 100ページ)

“(占星術、数霊術から読み解けることを)状況や経験の中で適用していくことで、成長がもたらされます。”

(同 100ページ)

純粋に意志力によって波動に変化が生ぜしめられたのに、それを表象の作用として解釈しようとすると、大きな錯誤が生じます。光を求めるときに、求めているところのものと、その道標を取り違えてはなりません。”

(同 100ページ)

(※読み仮名以外の( )は引用者による補足)




注目している天体(惑星)の性質をまだ発揮できていない場合


 太陽、月、アセンダント、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星、ノースノード(ドラゴンヘッド)、サウスノード(ドラゴンテイル)、リリス等のそれぞれに対応するサビアンシンボルがあることはすでに説明しました。

 その中の一つのサビアンシンボルに注目した時に、そのシンボルの解説を読んでもピンと来ないことがあります。

 その場合に、その天体の性質をあなた自身がまだ発揮できていない可能性があります。そのような場合、サビアンシンボルの解説を読むことによって「今まで自分の生き方や考え方に表れていなかったけれど、確かにこういう部分もある(秘めている)かも」と思うことがあれば、それを意識して生活することによって、自分自身の今まで見えていなかった部分に焦点があたり、自分自身の意識を広げることができるでしょう


    

まとめ

 • サビアンシンボルは人生全体のその人のベースとなる性格や生き方の傾向を表す


・ サビアンシンボルに限らず西洋占星術は行為の吉凶や「どういう行動をすべきか」を知るためのものではない

・占いは運命を読み解くものではない。実際にどのような人生になるかは本人の意思と選択によって決まる。

・サビアンシンボルの解説を読んで「なるほど」と思うことがあれば、それを意識して生きることで今まで見えていなかった部分に焦点が当たり、意識を広げることができる