牡羊座30度(牡羊座29度0分〜29度59分)

(日本語訳)

牡羊座30度
アヒルの池とその子供たち


これは、個々人が宇宙の秩序を最大限に利用するならば物事に限りなく適合するということの象徴である。
その象徴に暗示されているのは、人間が自分の経験世界を自分の必要に応じて設定し、効果的に機能させる能力である。それは人間が、自分自身の才能に自分を(かみ)合わせる判断力と、ありのままの自分でいることのシンプルな効果に自分の満足感を求める判断力とを持っているため(に生じる能力)である。

キーワードはreliability(信頼性、確実性)である。

プラスの場合、目の前の状況に対処する際に慣れ親しんだ受容能力(技能)やゆとりがある

マイナスの場合、偏狭な傾向がある、あるいはまったく無批判な自己満足によって人生を受けとめる
原文
ARIES 30 A duck pond and its brood 
This is a symbol of the eternal fitness of things, provided the individual take the fullest advantage of the cosmic ordering. Implicit in the symbolism is man's ability to establish his world of experience according to his own needs, and to function effectively because he has the acumen to align himself with his own genius and to seek a personal satisfaction in a simple efficacy of being himself. The keyword is RELIABILITY. When positive, the degree is an accustomed competency or ease in dealing with immediate circumstances, and when negative, a tendency toward provincialism or an acceptance of life with an altogether uncritical complacency.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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牡羊座30度
アヒルの池とそれが育む子供たち


多くを望まず、自分のなじんだものの中に、自分の目的や真の意義があることを自覚します。いろいろたくさんのことにチャレンジしても、最後は、古くて懐かしい道に戻るでしょう。もっとも本質的なことを考える人です。


 広大でどこまで行っても果てのない場に置かれると、たいていの人は自分にふさわしい場に自動的に戻ろうとします。これは海の中に浮きを投げると、その浮きの比重にふさわしい位置に静止するのと同じようなものです。
 前の29度で、果てしなく広大な宇宙を感じる「天球」の音楽に浸りました。そのような完全に解放された状態の中では、自分の能力や資質に鑑みて、人は無理なものは無理と自覚して自分にふさわしい世界へ戻ろうとします。「天球」の音楽の中では意識は果てしない解放の中に置かれ、正確に正しい自分の位置を見つけだすことができるのです。そうやって、「アヒル」は海に旅したけれど、自分の居場所はやはり「アヒルの池」だと自覚し、池に戻り、そこで子孫をつくり始めるのです。
 このように自分にふさわしい限定された場に戻ろうとする姿勢は、次の牡牛座への前触れです。牡羊座では自分探しをし、そしてこの度数で自分を見つけ、牡牛座では、この見つけた自分の目的を黙々とこなしてゆくのです。
 しばしば、それぞれのサインの29度(サビアンシンボルでは30度)は「悲しみの度数」と言われますが、このような達観がここで訪れるとしたら、それは牡羊座にとって悲しみや寂しさというより、やはり喜びと充実感となるはずです。牡羊座は足場のないところで自分探しをするという不毛を常に感じていました。牡羊座は始まりのサインなので、自分を比較するものを持たず、対象化されていない存在です。
 つまりは存在するはずのない終着点に向かって旅するという行為が牡羊座の探求の特質なので、どこか徒労感を感じていたのですが、29度と30度の段階で、この牡羊座の根底的な空虚は癒されることになるのです。

 サビアンシンボルでは、すべてのサインで30度はどこか漫画的なバカバカしさを持っています。というのも、これまで長く親しんできたサインへの執着から離れるには、サインの価値への自己同一化からの突き放しが行われるからです。
 それぞれのサインを茶化してそこから離脱し、次のサインへの突入を準備するのが、30度の共通した特質です。

 進行天体がこの位置にある時


 自分がしたいこと、長期的に取り組みたいテーマが、ごく自然に見えてくる時です。気がつくと自分はこればかりしていた、などという形でわかるかもしれません。それはあまりぱっとしないものかもしれません。しかしよく考えてみましょう。慣れ親しんだものは、いつもぱっとしないように見えがちなだけです。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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出典はこちら↓

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