牡羊座25度(牡羊座24度0分〜24度59分)

(日本語訳)

牡羊座25度 二重の約束


これは、日常的な経験という側面における、人間の峻厳な才覚の象徴である。

人生がこの(度数の)人に提供する可能性には、それと同等か補足的な価値を持つ代わりのものがあり、この人はそれを認識することができる。そして、(この人)自身の中で常に、この人の注意を引くものすべてにおいて、文字通りの意味と同時に象徴的な意味がある。

ここには、内面と外面の両方において世界と自己を見るための無限の能力がある。

キーワードは「sensibility(感覚、感受性、感性、敏感さ、鋭敏さ)」である。

プラスの場合、与えられた状況におけるあらゆるものを、他のあらゆるものと完全に協力(協働)させることができる調整能力がある。

マイナスの場合、不道徳な不誠実さや、あらゆる人間関係においてごまかしたり欺く傾向がある。

原文
ARIES 25 A double promise 
This is a symbol of man's stark resourcefulness on the side of everyday experience. For each potentiality that life may offer him there are alternatives of equal or supplementary value which he is able to recognize, and within himself there is always the symbolical as well as the literal pertinence of everything that comes to his attention.
Here is unlimited capacity for seeing the world and self both inwardly and outwardly. The keyword is SENSIBILITY. When positive, the degree is a facility of adjustment by which everything in a given situation may be brought into the fullest co-operation with everything else, and when negative, compromising insincerity and a lean to chicanery in all human relationships.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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二重の約束


精神的な面を生かした生き方と、世俗性に適応した生き方という二重的な顔持つことで、うまく自己実現できる人です。名前を二つ持ったり、仕事をまったく違うものを二つ並行させることで、ストレスが消えます。


 牡羊座24度で超常的な体験をしてしまうと、日常の生き方に戻ったとしても、人格は分裂してしまうでしょう。「二重の約束」というシンボルではなかなか意味がわかりにくいのですが、これは日常の世界においての相(あい)も変わらぬ牡羊座らしい精力的な活動とは別に、もう一つの非日常的な目的を追求する傾向が出てくるということではないでしょうか。
 24度で「コーヌコピア」の体験をしても、それが通常の世界で満たされるような道というものはほとんどありません。結果的に二つの名前を持つような生き方をすることで、この個人は妥協することになります。一人で二人分の人生を追求するのです。
 しかしそれはこの牡羊座の過剰な力を消費するには、ちょうどいい生き方であるとも言えます。この場合、一方では肯定したものも、もう一方の自分は否定するかもしれません。
 このシンボルの意味はわかりにくいので、鏡関係の天秤座25度を参考にしてみましょう。
 天秤座25度は “秋の葉の象徴が伝える情報” で、「秋の葉」はもう枯れつつあります。24度で「蝶の左側の羽」という、事態を動かしてゆく未知の力に出会った後なのですから、こんどはその未知の力が実際の生活の中でいかに反映されているかを知る度数だと言えます。「葉」に植物学的な形態を見るのと同時に、自然を動かしているもう一つの見えない原理を知覚することで、生き物の生死についての感慨が深まります。というのも、「葉」の模様は、24度で発見した「蝶」の羽の繊維に驚くほど似ているからです。蝶はここで「葉」にシンボル変換されています。天秤座の場合は、何か知恵を得るときでも、外界の具体的対象物に重ね合わせて考える習慣があります。生命の意義について考える時にも、「秋の葉」に生命磁気の羽である「蝶」の羽と呼応するものを見て、自然界の不思議さに驚くのです。つまり、ここでは二重の情報が得られているのです。この段階で、「葉」に対応する人間の神経組織に、「蝶」にたとえられた魂(プシュケ)の資質が着地する機会を見いだし、その人は実生活で自分をうまく生かす方法を発見します。24度までの暴走する力は、落ち着く場所を見つけたのです。
 蟹座25度は〝右肩越しに突然投げられた黒い影または外套〟で、「右肩」は意志の力を表します。「黒い影」は、その人物に力を与え、その人は強い実行力を手にいれることになります。蟹座は共同体での共存を基本的な目的にしていますから、この度数は共同体で指導的な力を持つ人物を表しています。そして右肩と影という二重性は牡羊座や天秤座と同一のものを暗示しています。蟹座の24度は、「孤立した一人の女性と二人の男性」というシンボルでしたが、22度でのように若い女性が待っていた、この世界にはまだ存在していない意志や理想のイメージを24度で手に入れ、「黒い影」を持つ人物が実行力として、もう一度共同体に持ち込むのです。やはりここでも影としての二重性が表れています。
 山羊座25度は、〝東洋の敷物を扱う商人〟で、24度で非日常的な生活をした人は、やがてまた世俗的な生活に戻ってきます。その時、前の体験を忘れることはなく、商売という世俗的な活動の中に東洋の敷物というもの珍しい品物を持ち込み、日常の生活に新風をもたらすのです。
 25度では活動宮のどれもが、神秘な世界を日常に持ち込んでゆくあり方を提示していると言えます。牡羊座においては人生を二つにわけ、天秤座では物事の実相の表と裏の真実について知識を得る。蟹座では共同体を統率する力を手に入れ、山羊座では社会の中に新しい風を持ち込むのです。

 進行天体がこの位置にある時


 自分のヴィジョンと実際の生活の間にどこか相容れないものがあり、それをうまく使い分けるために、夢にかかわる生活と、着実な普通の生活と、二種類を追求したくなります。たとえば昼は会社に勤めてお金を稼ぎ、夜や週末だけ、儲かりはしなくても本当にやりたいことに打ち込む、というようなやり方です。むしろこのことであなたには混乱がおきにくくなり、ほかの人にもよい影響を与えるでしょう。

(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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出典はこちら↓

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