牡羊座24度(牡羊座23度0分〜23度59分)

(日本語訳)

牡羊座24度
開け放たれた窓 と 
コーヌコピアに吹き付けているネットのカーテン


これは、人間が率直に熱意を持ち続け、目の前に広がるあらゆる変化と再出現の機会を歓迎する時はいつでも、人と世界が相互に(喜びや活力を)与え合うことの象徴である。

ここには、時に不相応なくらい大きな幸運と思われるような、外部からの継続的な兆候(しるし)がある。しかしそれは、現実の人間の側面と宇宙の側面が、互いに適切に(交わり、)喜びに満ちあふれている(という)実感の中にあることが示されているにすぎない。

キーワードは「munificence(少しも物惜しみしないこと、とても気前の良いこと)」だ。

プラスの場合、人生に関する豊かな報酬を獲得し、(それを)いっそう高尚な現実(の創造)のために広く(=多くの人に)分配する、活力に満ちた創造的才能がある

マイナスの場合、身贔屓(みびいき)をするような独りよがりがあり、了見が狭く、うぬぼれが強い。

原文
ARIES 24 An open window and a net curtain blowing into a cornucopia
This is a symbol of the mutual prodigality of man and his world whenever he retains his uninhibited enthusiasm and so welcomes every varying and recurrent opportunity opening up before him. There are here the continued outer manifestations of what at times may seem to be an unmerited good fortune, but they merely show the human and cosmic facets of reality in a convenient and joyful realization of each other. The keyword is MUNIFICENCE. When positive, the degree is an irrepressible genius for capturing the richer rewards of life and providing a wider distribution for the higher realities, and when negative, a smug and petty self-importance in dispensing favors to others.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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風が吹き込み豊饒の角コーヌコピアの形をとる開いた窓のネットのカーテン


自身の強すぎる意志によって、神秘の扉を開くので、時々不思議な体験をすることがあります。無意識の深いところにある強烈な生命力を引き出すことができるので、非常に疲れている時でも突然元気になれる人です。


 個人の自我の象徴である部屋の、その開いた窓から風が入ってきます。風は部屋と外との境界、すなわち人間の自我と異界との境界の象徴であるカーテンに、神話的な動物の一角獣や「豊饒の角コーヌコピア(コルヌ・コピアエ)」の元型イメージを異界から持ち込みます。
 これは比較的特殊なシンボルであり、神秘的な現象を意味します。牡羊座21度の能動的な力であれ、牡羊座22度の受容的な姿勢であれ、この二極的な働きかけが、通常の生活のために使われた後、力に余剰があれば、さらにその力は非日常的な異界の力を持ち込んでくることを、このシンボルは描いています。
 21度から意志の哲学を実践し、心理的な限界を突破してさらにその先に向かった時、異界との接点がここでできあがるのです。それは仏教のアラヤ識、神智学のアストラル界、集合無意識あるいはヒンドゥーのプラクリティなどで説明される、宇宙の根元的な原理を意志で叩くことで、その意志に対応する元型イメージの力を喚起し、爆発的な生命力を手に入れることです。これは体験した人にしかわからない類のものですが、カバラの文献にはそのようなテクニックが実際に書かれています。生命力が余った結果、オカルト的な現象を引き起こすという、この牡羊座特有の体験は活動宮24度のみの特異性です。

 21度、22度と増加した生命エネルギーは、23度では人生を変えることに使われましたが、24度でそれは通常の人間の体験の枠からはみ出てしまったのです。こうした異界から持ち込まれた元型的な力は、日常的な意識に比べてはるかに高速で強力なため、日常の意識レベルではその刻印を書き換えることはできません。
 つまり、この人はこの「コーヌピア」の体験をすることで、それ以降の人生を支配されてしまうのです。それはいわば、神話的な世界から個人に与えられた存在の刻印とも言えます。
 これは牡羊座の人にとっては待ち望んだ体験です。というのも、牡羊座はまだ身体的存在以前の魂として存在するサインであり、常に「自分は何者か?」という疑問が頭を悩ませているからです。
 ここで得られる名称は根元的な世界から与えられたものであり、おそらく生涯その名称と刻印に依拠し続けることになるでしょう。

 進行天体がこの位置にある時


 行き過ぎが原因で、周囲の人の輪や世間から逸脱することがあります。戻るか、それとも先に行くか考える必要があります。先に進んでも、成果はあるでしょう。自分の中に抵抗感がある時、行動は止まりますが、この抵抗感を温存するかぎり、人は決して一度も変わることはないとも言えます。直感に従って思い切ったことをすれば、自分はここまでできるのだという自信が得られるはずです。

(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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出典はこちら↓

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