牡羊座21度(牡羊座20度0分〜20度59分)

(日本語訳)

牡羊座21度 
リングに上がる拳闘士


これは、個人の繊細さ(神経質で不安定であること)がまったくないことの象徴である。

ここには、人が大きなことを達成し成果を得るために命がけでやることを厭(いと)わないとき、自らの力に全幅の自信を置き、(世界が常にその見世物のために与える)観客の支持を求めるという主に自己実現の側面に関する経験そのものの要素がある。

この象徴的な表現に暗黙のうちに含まれているのは、立ち上がって人生の仕事に取り組むことの必要性である。

キーワードは「EXERTION(努力)」である。

プラスの場合、自己の能力を動員して自己の確立を集中的に試みる。

マイナスの場合、盲目的に反抗し、あらゆる資源を偽りの価値観のために浪費することを厭(いと)わない。

原文
ARIES 21  A pugilist entering the ring 
This is a symbol of a complete lack of personal sensitiveness. There are here the raw elements of experience, primarily on the side of self-realization as man exhibits full confidence in his own powers and seeks the support of that audience the world will always provide for the spectacle when anyone is willing to risk his major fruits of achievement. Implicit in the symbolism is a need to be up and at the business of life. The keyword is EXERTION. 
When positive, the degree is a mobilization of the self's capacities in a concentrated attempt at self-establishment, and when negative, blind rebellion and a willingness to squander every resource on pseudo values.


(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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リングに上がる拳闘士


欲しいものは戦って得るという積極性がありますが、欲張りで何事にもやりすぎの傾向があります。働く力にみなぎっているので、どんな分野でも成功しやすい半面、のんびり待つということがなかなかできない人です。


 第4グループで影のサインを克服した牡羊座は弱みを持つことがなくなり、自分の欲求を満たすべく戦闘的な体勢に入ります。このシンボルは必ずしもスポーツに関わることを意味しません。誰にも依存することなく、欲しいものは自分で戦って手に入れる人です。邪魔するものは誰もいないし、誰に遠慮する必要もありません。
 第4グループを経て、落ち込んだ時に自分で自分の気力を作り出す技術を覚えたので、問題の解決を誰かに依存することは少なくなるでしょう。実際、誰かに依存した場合には、活力そのものが出て来にくくなります。
 第5グループが示す5の数字は遊びの要素が入った、楽しみに満ちたものなので、この21度からは、人間が生きる上で楽しめることすべてを味わいたいという願望が強化されます。何度も何度も働きかけているうちに、自分が望むものが、初めは無理に見えても、いつのまにか確実に手に入ります
  「拳闘士」というシンボルは、初めから打たれることを予測している人のイメージでもあるので、困難がやってきた時にすぐに落ち込むことはありません。また「リング」の中で戦うという点では、社会のルールに則った戦い方をすることを暗示します。

 20度の“冬に鳥に餌をやる若い少女”の度数の後にやってきた度数ですから、「餌」をもらった「鳥」が成長し、これが個人の中に、不屈の精神性を作り出していったのです。

 活動宮の21度は、どれも「多くの人」という点で共通しています。この中で、牡羊座は自分の行為を見せつけ、天秤座では混ざり合い、蟹座では感情を盛り上げていき、山羊座では実務的な成果が得られてゆくのです。活動宮はそもそも、それぞれの四つの元素の分野で力を起こすことに関係しますが、この活動宮の中でもっとも強力なパワーが展開されるのが、それぞれの21度です。「拳闘士」は前へ前へと進んで興奮を巻き起こし、その成果として豊かな富を手に入れます。一人の実力だけで勝敗を決するというのは、他の活動宮のサインに比べてかなり原始的ですが、牡羊座はともに歌って盛り上げる(蟹座21度)こともできないし、また群衆の中に混じって自分を主張しないでいる(天秤座21度)こともできないし、強力しあって勝利を得るという「リレー競争」(山羊座21度)も不向きです。結局、この度数を持つ人は、何かをしようという時には、一人で戦うということが一番重要だということです。

 進行天体がこの位置にある時

 戦闘状態に入る時期です。これまでのんびりしていた人も、この度数になれば、休息をやめて人生の勝利者となるべく、行動するとよいでしょう。細かい工作や工夫などはあまり必要ありません。むしろ勇気と思い切りが大切で、うまくいくならいく、駄目なら駄目と割り切って、前進するとよいでしょう。十分に持久力は育ってきたので、途中で投げないで進むことができます

(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)

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出典はこちら↓

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