牡羊座17度（牡羊座16度0分〜16度59分）
（日本語訳）
牡羊座17度
二人のとりすました独身女性
これは、究極的には、現実のまったく私的な維持、あるいは、その出来事に参加する各人の側で、そのさまざまな側面におけるその人の世界の特徴的な個人的創造となることの象徴である。
ここには永遠の賛否両論における自己の2つの側面があり、日常生活の問題において外部からの判断をすべて拒否し、通常の人間関係における、はかない報酬や、有益でなく自己を拡散させる表面的なものから完全に切り離されることを喜ぶ。
キーワードは「分離」である。
プラスの場合、自己に対して完全に忠実であり、自己の能力を特別なものとして理想化する。
マイナスの場合、浅はかな利益に高揚し、（また、）俊逸で徳があるふりをすることが増える。
原文
ARIES 17 Two prim spinsters
This is a symbol of what ultimately becomes an entirely private sustainment of reality, or a characteristically personal creation of his world in its varying aspects on the part of each participant in its events. There are here the two sides of self in an eternal pro and con, rejecting all outside judgments in the issues of everyday living and rejoicing in a complete insulation from the passing rewards as well as the unprofitable and self-diffusing superficialities of normal relationships. The keyword is DIVORCEMENT. When positive, the degree is an utter fidelity to self and all its special idealizations of its own capacities, and when negative, an increasing exaltation of shallow interests and a witless pretense of distinction and great virtue.
（出典：Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY）
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二人のしかめつらした独身女性
内面の対話に時間を費やし、あまり行動的ではありません。しかし心の中を果てしなく分析することで、気持ちの中では曖昧さが消えて行き、自身の心に正直な人になるでしょう。実際的な行動には無気力になりがちです。
12度で予感として始まり、16度で本格的に強められた受容的な資質が、ここでは強くなりすぎて、状況を打開する力や人生を切り開く創造的な力が損なわれやすくなります。古来から創造の原理は男性と女性の結合のイメージで語られたりするのですが、ここでは無愛想な「独身女性」が対になっていて、陽／陰ではなく、陰／陰の組み合わせになるのです。
16度の影の影響は女性原理として現れ、自分を解放するような能動的な刺激がどこからもやってこないので、しだいに沈んだ状況になっていきます。
よい面としては、内省的な能力が増すということも考えられますが、基本的には心理的に不活発で、長い間無為に過ごす場合もあるでしょう。
ただ、この度数の変則的な使い方もあるので、この点ではこのサビアンシンボルにもまだまだ謎がありそうに見えます。たとえば、受容的な、いわゆる女性的な資質を奥深くまで強めることで、女性性を際限なく発揮している人がそうです。底なしに飲み込む力を発揮するという点で、この人はこの度数を個性的に使っているのです。
受容的な原理が能動的な原理と結びつくと、自分が飲みこむことのできる限界点で自身の働きをストップします。しかし、この17度の場合には（陰／陰の組み合わせになるので）際限のなさがあり、そうなると、永遠に飢餓状態であるかのように、いつまでも能動原理を受け入れる姿勢が続くのです。実例としては、多くの男性と関わっているのに、かつて一度も満たされたことがない女性のケースなどです。
この度数のメリットは、ある種の浄化力があることで、牡羊座の持つ無駄な野心や思いつきで走ってしまう傾向を克服する力を持つ人も思います。
「しかめつらした独身女性」ですから、積極性や能動性はよいことだという世の常識をこきおろす人になりやすいでしょう。
16度で影のサインの影響を受け、17度ではどっぷりと影の性質の中に埋没し、そこを手探りで模索しているわけですが、そうした行為を通して自分のサインの性質の欠点や無駄な部分を修正し、切り捨てているのです。たとえばオーディオでは、信号に逆相の信号をフィードバックすることでノイズが消えて、本来の信号が美しく調整されますが、17度はこのネガティブ・フィードバックのような機能を持つ度数と考えられます。つまり、活動宮の17度は、人格を調整している段階なのです。
（天秤座17度からの抜粋）
鏡関係の牡羊座17度は “二人のしかめつらした独身女性” で、能動的な資質を持たない「女性」が二人で会話している場合、何一つ具体的な解決策は見つからないまま、いつ果てるともなく会話だけが続きます。そうなると、内容はますます細かなディテールだけになり、その行き着く先はどこにもないことになります。この度数のメリットは、心理の細かい部分を見落とすことなく分析できることであり、女性的な心の深淵に到達するということでもあります。もしここでたとえば「男性」と「女性」の二つの原理が組み合わせられるなら、建設的な決着が可能です。しかしここでは生産的な歯止めがないのですから、話題はかなり異常なものにまで突き進んでしまう可能性はあります。しかし、必ずしもそれが悪いとは限らない面もあるのです。
進行天体がこの位置にある時
自分のしようとすることに対して妨害や障害が生じた時に、それを取り除くよりも、逆にそこに深入りしてしまうかもしれません。しかしそのことで、恐れやストレスを取り除くことができるでしょう。想像力を使うことが重要で、何もできない時には、置かれた状況の全貌をつかむべく、いろいろ考えてみるとよいでしょう。何もする気になれない時期かもしれませんが、こういう時はすぐに過ぎ去ります。
（出典：『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔）
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