牡羊座12度(牡羊座11度0分〜11度59分)

(日本語訳)

牡羊座12度 野生の雁(がん)の群れ


これは、個性の真の核心であり、日常生活においてしばしば個人の不滅の可能性の唯一の現れである、
自由への抗(あらが)いがたい熱望と不屈の欲求の象徴である。

ここには、無責任なまでに目先の気まぐれさがあるが、その中に渡り鳥特有の揺るぎない進路があり、果たすべき義務と実現すべき理想が約束されている。


キーワードは「無頓着(のんき)」である。

プラスの場合、完全に純粋な独立性、あるいは経験の中で与えられるいかなる困難な状況からも常に立ち上がる力量がある

マイ
ナスの場合は、自己にとって真に価値あるものへの思慮を欠いている(=無関心である)
原文
ARIES 12  A flock of wild geese 
This is a symbol of the irresistible aspiration and indomitable desire for freedom which represent the real core of personality, and which in everyday affairs are often the sole manifestation of an individual's immortal potential. Here there are vagaries of immediate caprice to the point of irresponsibility, but through them is th e undeviating course characteristic of the migratory fowl and so a promise of obligations to be met and ideals to be realized. The keyword is INSOUCIANCE. When positive, the degree is a completely naïve independence or an ever-immediate capacity for rising above any given involvement in experience, and when negative, thoughtless disinterest in anything of real value to the self.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)

...........................................................................................

野生の鴨の群れ

自然界の理に大きな意義を感じます。そこから人間の社会のシステムづくりに対しても、参考にするものがあると考えます。自然科学という発想もこの度数の人の得意分野だと言えるでしょう。原理にこだわりすぎる傾向もあります。


  「野生の鴨の群れ」は、誰に教えられるともなく自然に美しい隊列を組んで飛びます。これは牡羊座11度の、権力や支配欲によって社会秩序が形成されることに対する反動として、この12度が成立していることを意味しています。つまり、生命そのものに秩序(「野生の鴨」の美しい隊列)を作り出す資質がすでに備わっており、無理に支配する必要はないのだという考えです。
 ここには、第2グループで宇宙的な法則について考えた経緯が生きています。いかに無計画に行動しても、宇宙的な法則は予定調和的に働き、ものごとは自然な形に帰着するのです。
 占星術も、宇宙的な数の法則に基づく体系ですが、これも野鴨の法則に似たものがあります。集団を統率する政治力を発揮する時に、こうした自然法則や宇宙的なリズムを応用することは、古代文明にはよくありました。実際、中部アメリカのマヤやアステカでは、きわめて精密な天文暦を作りだし、それによって政治システムを構築していたといわれています。ここには、人工的な個人の権力よりも、自然の法則に従った方がより健全な社会を作り出せるのだという発想があります。

 11度では人間的な交流が希薄だと書きましたが、12度の人々も、しばしば自然的な法則が優勢で、人間はそれに従う関係にあるという考え方をする人が多く、個人の思惑は無視されがちでしょう。野鴨の法則とは、時には自然科学の法則としてとらえられます。自然観察から取りだされた理論をもとにして、人心を動かすというのは、この度数で起こりやすい現象でしょう。

​ 進行天体がこの位置にある時


 人知を超えた原理に対して興味が強まり、それによって自分や自分を取り巻く状況を変革しようという気持ちが強まります。それは非常に素晴らしいアイデアのように見えますが、一度そのような考えに染まってしまうと、そのロジックでしかものを見れなくなり、知らず知らずそれを他人に押しつけていることもあるでしょう。自分ではよいものを提供しているつもりでも、周囲の人はなかなか理解しないかもしれません。だからといって、苛立つことのないようにしましょう。 


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


...........................................................................................


出典はこちら↓

https://www.amazon.co.jp/愛蔵版-サビアン占星術-エルブックス・シリーズ-松村潔/dp/4651201091


https://www.amazon.co.jp/Sabian-Symbols-Astrology-Symbol-Explained/dp/094335840X