牡羊座11度〜15度(牡羊座10度0分〜14度59分)(第3グループ)・・・革命的な行動を志し、挫折の中で地道さを学ぶ

 どのサインも3番目の5度グループでは、2番目で育成した資質を外に向けて行動的に表現しようとします。牡羊座の場合には、2番目のサインで抽象的な世界の原理を理解する方法を身につけたわけですから、第3グループでそれをそのまま、現実の社会にあてはめ、世界を変えようとする野望が生まれます。
 このグループの人は、この世がさまざまな人の思惑の入り組んだ妥協の産物であるとは考えないので、自分が抱く思想によってかなり純粋に革命を起こそうとするでしょう。結果として、行動面では失敗することが多いのですが、しかし成功するか失敗するかは問題ではありません。第3グループの人々の生き方にはかなり試験的な要素が強く、現実離れした理想で社会に切り込むことで、自分になにが足りないのかを体感的に理解するのです。それにまた、仮に社会がなに一つ変わらなかったとしても、この人々の純粋さが社会に持ち込まれることで、ある種のリフレッシュ効果がもたらされるのは事実です。昔からさまざまな運動が巻き起こり、そして消えていきましたが、たいていこの度数域の人々がこうした運動を起こすことが多く、この人々の趣旨にはかなりうなずけるものが多いでしょう。
 この第3グループは、政治的であったり、プロパガンダに走ったりしやすいので、第2グループに備わっていた、強く研ぎ澄まされた純粋思考力は弱まります。無知だからこそできた、という行動をする人々もこのグループに属します。しかし熟考しすぎたり、配慮しすぎたりすれば、何一つできないのがこの世の常だとすれば、この人々の思い切りのよさと、なにも考えていないシンプルさは貴重です。
 宗教的な人が混じっていたり、精神世界的な運動をしやすい人も多いのですが、これは第2グループで宇宙的な思想を得たために生じた結果だと考えると納得できます。牡羊座は、魂の成長物語では生まれたばかりの段階で、意識は肉体という現実にまだ縛られていませんから、精神は果てしのない領域を浮遊していて、いきなり大きな話が出たりします。しかし、現実的に生きる着実さを手に入れようとすると逆に、こうしたマクロな直感力は失われて行くのも事実。そこから考えると、このグループの人々には耳を傾けるべき価値があるといえるでしょう。


 このグループにアセンダントがある人

 思いつきをすぐに実行に移し、うまくいかないとすぐに引っ込めるという態度の人が多くなります。
 深く考えては行動しないのですが、しかし引くタイミングも早いので、大きな問題は起きにくいでしょう。


 このグループにMCがある人

 社会的に劇的で革命的な立場に立ちたいという願望が強く、何事にも大きく出ますが、若気の至り的な行動をとりやすいでしょう。
 自分が自分がという態度をうまく隠さないと、周囲とぶつかりやすくなってしまいます。とはいえ、元気で活動的な人であることは間違いありません。


(出典:『愛蔵版 サビアン占星術』松村潔)


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 太陽がこの位置にある時期(3/31頃〜 4/4頃):春分の末候(七十二候の第十二)

雷乃発声(かみなり すなわち こえをはっす):遠くで雷の音がし始める(日本)
始雷(はじめて いなびかりす):稲光が初めて光る(中国)


出典はこちら↓

https://www.amazon.co.jp/愛蔵版-サビアン占星術-エルブックス・シリーズ-松村潔/dp/4651201091