牡羊座9度(牡羊座8度0分〜8度59分)

(日本語訳)

牡羊座9度

水晶をじっと見つめる人


これは、宇宙全体を自分の心の視野に収めることができる人間の能力の象徴である。

人間には高次の理解能力があるが、それは潜在性の領域における個人の経験の無限の可能性以上のものではない。暗黙のうちに、世界と個人は不可分の関係にあり、それぞれが相手を反映し、それによってあらゆる気分や状況を予見することができるという概念が(このシンボルには)ある。

キーワードは「acuteness正確さ)」である。

プラスの場合、出来事の成り行き
を計画したり、目先の都合に照らしてそれらを整理したりする際の完璧な洞察力がある。

マイナスの場合、無為
な好奇心と、その時々の気まぐれにすべての現実を委ねてしまう
原文
ARIES 9 A crystal gazer 
This is a symbol of man's capacity for bringing an entire universe within the purview of his mind. There are higher faculties of human understanding, but as no more than the illimitable possibilities of personal experience in the realms of potentiality. Implicit is the concept of the world and the individual as irrevocably in partnership, each reflecting the other and thereby providing a foreview of every possible mood or situation. The keyword is ACUTENESS. When positive, the degree is consummate insight in planning the course of events or organizing them in the light of immediate convenience, and when negative, an idle curiosity and a surrender of all reality to the vagaries of the moment.

(出典:Marc Edmund Jones “ SABIAN SYMBOLS IN ASTROLOGY)


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牡羊座9度 水晶を凝視する人


事​態を全体的に把握できる能力があり、細部に対する観察に足を取られることなく、傍観者として、世界を見つめようとします。数学的な能力や、象徴をうまく理解できる感性が発達している人です。


 牡羊座の第2グループは、牡羊座らしい感受性や理解力を手に入れることが目的ですが、その中でも4番目は、そうした能力を安定させ、確実にものにしようとする段階です。牡羊座らしい感受性とは、日常的な生活意識や対人関係に生かされる類のものよりは、宇宙的意識とでも言えるようなものに向けられた感性です。
 8度では目に見えない気配や雰囲気を察知する敏感なアンテナを育てました。しかしそこで手に入れた予感はまだ言語化されず、知覚はできても、曖昧なままです。というのも、そもそも8度の目的は、7度で生じた激しい対立や摩擦を調停することだからです。
 8度で手に入れた場の雰囲気を察知する能力を、9度では意識的に、しかも意味ある形で総合的に理解する力が育ちます。シンボルの水晶球はなかなか暗示的です。著者は、こうした水晶やガラス鏡に映像を写す技術を練習したこともあるし、また人に教えたこともありますが、心の中でキャッチした雰囲気などを、視覚意識に投影する技術は誰でも練習で身に付きます。すると、それまで曖昧で漠然としていた雰囲気が、明確に目に見えるものとして知覚できるのです。
 8度で手に入れた感受性を、9度では明確なヴィジョンとして着地させることをこのシンボルは示唆し、また同時に、その人なりの観察のしかたを会得することを示しています。
 水晶球は単にシンボルですから、水晶球を見ることを学べということではありませんし、霊的な感覚が手に入るのだと読むこともできません。
 水晶球は球形の地球のような形をしているので、断片的にではなく、全体像として、世界を知る方法を身につけることを意味しています。この全体像に対する知恵をもとにして、細部にわたるさまざまな考え方やものの見方が決定されるのです。


 進行天体がこの位置にある時


 自分の置かれた状況を大きな視点から観察し、その意味について沈思する時期です。ここでは断片的に考えることではなく、物事を全体的に考えることが肝心です。そのためには、自分を映すための、なんらかの行為があるとよいでしょう。一つの工作に時間をかけて、この中で自分を見つめることも大きな成果があがるでしょう。
 集中力や、じっくりと考える能力を身につけるために、毎日一定時間、静かにしていられる環境を確保すると理想的だと言えます。


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出典はこちら↓

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https://www.amazon.co.jp/Sabian-Symbols-Astrology-Symbol-Explained/dp/094335840X